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緑の丘の銀の星  作者: ひろみ透夏
第10話 御前会議

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10-05

 

 

「あなた方は、本当に地球人を知っているのですか……?」



 貴族院たちのけげんな視線が、一斉にわたしに(そそ)がれる。



「キリ星人についても、本当に知っていると言えるのですか? わたしは本当のキリ星人を知らない。知っているのは、銀河連合の歴史に出てくる、野蛮(やばん)に描かれたキリ星人だけです」



 貴族院たちの顔が青ざめていく。

 反対にジランダ議長の赤黒い顔は、さらに赤く染まっていった。



「きさま……! 女王陛下の御前(ごぜん)で、銀河連合の歴史を愚弄(ぐろう)するのか!」



 ジランダ議長が席を立ち、わたしに詰め寄ってきた。近くで見ると、その体はわたしの背丈(せたけ)の二倍はあろうかというほど大きい。


 思わず後ずさりしてしまった、そのとき――。




「おやめなさい」




 喧噪(けんそう)のなかを、(するど)くも透明感のある、ダイヤモンドのような声が走った。


 瞬間、みな凍りついたように動きを止め、あわてて顔をふせた。耳にするはずがない女王の声に驚き、緊張しているのだ。



「オラキル博士」



 一転して、女王はやわらかい(きぬ)のようにしなやかな声色(こわいろ)で続けた。



「あなたは地球人とキリ星人に、関係がないと言い切れますか?」


「それは調べてみないとわかりません。仮にあったとしても、彼らはすでに地球人として生きているのです。駆除(くじょ)すべきではないかと!」



 わたしは顔をふせながらも力強く進言(しんげん)した。すると、ジランダ議長が鬼瓦(おにがわら)のような顔を上げて怒鳴った。



「生物博士でありながら、宇宙生物保護法を破るつもりか!」



 しかし女王の会話をさえぎったことに恐れをなしたのか、両手で口を押さえ込み、まっ赤に染まった顔を再びふせた。



「では博士、地球にもどって調査を続けてください。銀河連合議会を三日後に開きます。そのときに報告を。判断は議会にゆだねます。

 貴族院も、それでよろしいな?」



 貴族院たちが顔をふせたまま何度も大きくうなずくと、うすい幕の奥にいる人影がゆっくりと立ち上がり、しずしずと会議室を(あと)にした。



「これにて、会議を終了する!」



 親衛隊長の号令と同時に、緊張からとかれた会議室が大きなため息に包まれた。




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