その27「ロリ人間コンテスト⑤何かの終わり」
水溶性。
導き出される結論に俺は目眩がした。つまり?
あのスク水は、水に溶ける。
「は……はだかですわああああああああああああ!!」
トゥインクルが吠えた。
「トゥインクルさん」
嫌に穏やかな声で、櫻宮薫子がトゥインクルに耳打ちした。
「あれだけの数の全裸幼女……いくらあなたと言えど遭遇したことがないのでは? しかも彼女達は、自分の意思で水に入っていった……つまり自分達から全裸になったも同然なのです」
「じ、自分たちから……自分で裸……!」
トゥインクルの目が危なかった。小刻みに瞳孔を震わせながら、船下を見据えていた。櫻宮薫子はなお、その悪魔の囁きを続ける。
「ほら……もたもたしていると日が暮れてしまいますよ……日が暮れたらさしもの幼女達も水から上がるでしょう……全裸幼女達と泳げるのは、今しかないとは思いませんか……?」
「思いますわあああああああああああ! ありがとう人間! こんにちは全裸ーーーーーーーーーー!!」
トゥインクルが船から飛び降りた。
「……ふふふ、こうも思惑通りに動いてくれるなんて……トゥインクルさん、少し好きになったかもしれません」
悪魔か?
櫻宮薫子が俺の方に向き直った。
「さあ、これで我々3人の勝利は確定的……あれ? LO-426さんは?」
「『学術的観点から、実地調査が必要』と言って今さっき水に飛び込んだが」
「なるほど、彼女も脱落ですね」
櫻宮薫子が、じっと俺を見た。日が傾き始めていた。夕日が船の上を照らした。
「トキワさんはどうするんですか? 飛び込まないんですか?」
「飛び込むわけないだろう。変態と一緒にするな」
「そうですよね、トキワさんは普通の人。幼女に興奮する変態ではないですものね。……じゃあ、これなら?」
櫻宮薫子は、白衣を少しだけはだけさせた。
彼女は、白衣の下にスク水を着ていた。
「……はあ?!」
「さすがにこの歳でこの水着は厳しいですけど。でもわかりますよね。今私を水に突き落とせば、私の裸が見れますよ」
「いや、待て! 待て! どういうことだ?!」
「簡単ですよ。私抵抗しません」
「だから待て! あんたいきなり何を言い出すんだ?!」
「言いましたよね、私、醜いところを見ないと安心できないんです、好きになれないんです。トキワさんは、私の命の恩人です、私をこの時代に呼び起こしてくれた男性です。だから私、あなたのことをもっと知りたい、トキワさんの」
櫻宮薫子は、今やほとんど俺に触れる距離に立っていた。
「醜いところを研究したいっ…………!」
喉が乾く。何と答えればいいのかがまったくわからなかった。
「……でもまだダメみたいですね。トキワさんが見えてこない。トキワさん、あなたをどうすれば見つけられますか……?」
「俺を……見つけるっ……?!」
衝撃が走った。
比喩ではない、爆音がしたのだ。上空の宇宙船のごとき幼女の船が、いやにスローモーションで墜落してきていた。
「はーーーー?」
次の瞬間、視界が暗転した。
このとき確かに、何かが終わった。




