作戦決行 ④
行為の後、眠ってしまった朝斗の身体を拭いたりして後始末を終えた頃、高梨から連絡が来た。
『朝斗君、具合どうですか?』
「問題ない。今は寝てる。そっちは大丈夫か?」
『搬送用件にはならなかったってことで、記録を修正しておきました』
救急車は、イタズラや緊急ではない場合にタクシー代わりに呼び出されることも少なくないので、そういったパターンだったと、高梨が記録を書き換えることになっていた。
「悪いな」
『気にしないでください。病院の方も大丈夫そうッスね』
病院の方は、例の高梨の友人が見張ってくれていた。あの後、割と時間を置かずに朝斗の母親が病院にやって来たそうだ。受付内が少し混乱していた様子だったらしいが、すぐにナースに連れられて別室へ案内され、しばらくしてから何事もなかったかのように帰っていったらしい。
おそらく、副院長が病院には来ていない朝斗をいることにして、このまま入院させるとかなんとか言って誤魔化したんだろう。今頃は朝斗の行方を探しているに違いない。
俺は、数日前に休職願を提出していた。タイミング的に怪しまれるだろうが、数時間後にはこの家も出てしまうから問題はないだろう。
隣で眠っている朝斗の髪をそっと撫でる。
朝斗のことは、絶対に俺が守ってみせる。誰にも渡さない。
そう、強く心に誓った。




