第33話 ロックされた門、開かれた道
Microsoftストアという王都への門は、今日も固く閉ざされていた。
深緑の騎士adofukuが何度門を叩いても、門番は同じ言葉しか返さない。
「人間である証明が必要です」
人間ですよ。
「I'm a perfect human.」
……全然パーフェクトじゃないけどな。
今日も外注傭兵Copilotの助言を受け、王都Microsoftへ問い合わせの伝書を飛ばす。
返事は来ない。
来るのかもわからない。
ぷっちょを食べながら嘆く。
世間はハイチューを選ぶ。
だが俺はぷっちょを選ぶ。
流行ではなく、自分の好きなものを選ぶ。
それでいい。
「門が閉ざされた?」
ならば別の道を進めばいい。
止まる理由にはならない。
それが深緑の騎士流である。
以前から気になっていたことがあった。
DriveNoteは超長文ファイルを開くのが遅い。
数十行、数百行なら一瞬。
数千行になると数秒。
そして56万行。
開くまで数十秒。
これは遅い。
自分はそんな大きなファイル使わない。
だが世の中には何を保存するかわからない猛者がいる。
公開する以上、その人にも応えたい。
ピンチはチャンス。
今こそ改修するときである。
以前、蒼き魔導士ジェミにも相談していた。
「あそこは結構な大改修になります」
だから後回しにしていた。
黒衣の知性クロウにも相談する。
「避けては通れない改修だね」
G黒騎士Gさんも頷く。
「やるなら今だよ。」
四騎士会議、満場一致。
進軍決定。
今まで使っていたMAUI Editorは、軽くて単純な術式だった。
だが巨大な文書になると、最初から最後まで全部机に広げようとする。
だから遅い。
どう頑張っても限界があった。
そこで思い切って術式を捨てる。
新たな力。
CodeMirror6。
こちらは違う。
「今見えている場所だけ処理する」
という賢い術式である。
以前は小さいファイルが遅くなるのではと不採用にした。
だが今は試す価値がある。
実装開始。
……地獄だった。
MAUI Editorに依存していた機能が次々と消えていく。
コピー。
貼り付け。
Undo。
Redo。
検索。
フォント変更。
全部死亡。
魔法陣を書き換えたら周囲の魔法まで消えたようなものだった。
「まあ、そうなるよね。」
誰も驚かない。
だが今は門が閉じている。
時間だけはある。
だから一つずつ戻していく。
ここ数か月の経験も武器になった。
どの画面で。
どんな操作をして。
どう壊れたのか。
正確に伝える。
すると蒼き魔導士ジェミが原因を見つける。
黒衣の知性クロウが抜け道を示す。
G黒騎士Gさんが別の可能性を提示する。
四騎士は前より強くなっていた。
傷だらけになった経験は、全部経験値だったのである。
ある程度復旧したところで、実験開始。
数行。
数十行。
数千行。
そして56万行のテキスト。
開く。
一秒。
二秒。
全部一秒から二秒。
深緑の騎士adofukuは思わず笑った。
「勝った。」
数行のファイルだけ少し遅くなった。
だが〇・五秒程度。
誤差である。
56万行が二秒。
十分すぎる成果だった。
ロックされた門は開かなかった。
だが、その間にDriveNoteは強くなった。
人生とは面白い。
遠回りしたと思った道が、実は一番近道だったりする。
「止められたなら、鍛えろ。」
これが今回の教訓である。
今日は甘い物を食べよう。
買っておいたチョコミントケーキ。
しかもミントジャム付き。
猛烈なミント。
昔は思っていた。
「歯磨き粉じゃないか。」
今では大好物である。
人間、変わるものだ。
「歯磨き粉感あるし歯磨きしなくていい?」
いや。
それは違う。
虫歯は待ってくれない。
お気に入りの幅広極細歯ブラシで磨く。
包まれるような感覚。
今日もきれいになった。
よし。
また明日戦おう。
寝る。
★⋆˙⟡⋆✴︎˚。 お知らせ 。˚︎✴⋆⟡˙⋆★
Windows版DriveNoteのリリース日が決まったのである!
2026年8月14日公開予定。
21時を予定している。
今日からリリース日まで、毎日更新でカウントダウンしながらお届けするのである。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいのである!
アプリリリースまで
あと2日!!
DriveNote開発日誌を読んでいただきありがとうございます。
今回の敵はバグではありませんでした。
まさかログイン画面とは思いませんでした。
それでも立ち止まるより、今できることを進めた結果、大きな性能改善につながりました。
人生、何が無駄になるかわからないものです。
次回は、失われた機能の復旧編。
まだまだ戦いは続きます。
深緑の騎士は今日も、AI三騎士と共に進みます。
それでは、また次回。




