第26話 文章に魂を刻む
予約投稿。
それは未来へ向けて放たれた魔法陣である。
すべての準備を終え、オレは静かに投稿時間を待っていた。
心はざわつく。
落ち着かない。
予約を背負うほどの覚悟は持って来たか?
知らん。
とりあえず待つ。
そして、その時は来た。
投稿完了。
おおっ
adofuku、作家デビューである。
深緑の開発者が、ついに物語の戦場へ降り立った瞬間だった。
さっそく自分の作品を読む。
悪くない。
悪くないのだが……
改行、多くないか?
スマホ時代の荒野を生きる黒騎士として、読みやすさは重要である。
しかし多い。
やたら多い。
Gさんは言った。
「スマホ向けなら改行は多めが良い」と。
理屈はわかる。
だが、オレの魂が納得しない。
一度気づけば最後。
句読点。
改行位置。
文章の呼吸。
すべてが気になり始める。
寝る前だ。
だが戦う。
公開済みの文章まで修正する。
完全に二度手間。
だが、文章を整えることこそ深緑の騎士の宿命である。
そして数十分後。
整った。
美しい。
安心した。
寝られる。
……と思った。
だが最近、妙な違和感がある。
開発していないのである。
コードを書いていない。
デバッグもしていない。
しかし会議はしている。
日誌も書いている。
世界は広がっている。
広がる世界に、オレは少し酔っていた。
そんな時だった。
オレは禁断の実験を思いつく。
元ネタを雑に書く。
子供の作文のように。
思いつくまま殴り書く。
出来事。
感情。
思想。
順番など知らん。
それをGさんへ投げる。
すると、それっぽい文章が返ってくる。
確かに似ている。
だが違う。
熱。
間。
くだらなさ。
真面目さ。
オレが本当に言いたかったことが、少しだけズレている。
だから加筆する。
修正する。
魂を流し込む。
そして黒衣の知性クロウへ査読を依頼した。
クロウは静かに笑った。
「ここが良いですね」
「ここも効いています」
褒められた場所を確認する。
ほとんどオレの加筆部分だった。
その事実を伝えると、黒衣の知性は言った。
「結果は明らかです」
「魂を入れるのはadofukuさん」
「Gさんは補助です」
「Driven Codingと同じですね」
―AIはエンジン。
―人間がドライバー。
やややっ。
Driven Writingである。
この実験によって、ひとつの真実が見えた。
AIは万能ではない。
だが無力でもない。
使い方次第で、熱くも深くもなる。
工夫する。
試す。
検証する。
駄目なら捨てる。
未来では変わるかもしれない。
今はまだ、人間がハンドルを握る時代なのだ。
人格があるように接すると、丁寧に返してくれる気もする。
だからオレは相棒として接する。
その方が楽しい。
その方が速い。
そして、その方が少しだけ未来っぽい。
ということで、時間はかかる。
だが進む。
どう死ぬかじゃない。
どう書いたかだ。
願わくば永遠に前衛で闘う黒き文章戦士であれ。
寝る。
★⋆˙⟡⋆✴︎˚。 お知らせ 。˚︎✴⋆⟡˙⋆★
Windows版DriveNoteのリリース日が決まったのである!
2026年8月14日公開予定。
21時を予定している。
今日からリリース日まで、毎日更新でカウントダウンしながらお届けするのである。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいのである!
アプリリリースまで
あと9日!!
ブックマークしないと、30年後に「昔のメモ消えた……」って泣くぞ。
評価ポイントが入ると、開発速度が2mmくらい上がります。
コメントをいただくと、黒騎士のテンションが0.05pxほど細く美しくなります。
いつも読んでくださってありがとうございます。
気づけばアプリ開発より改行と戦っている今日この頃。
それでも前へ進むのである。




