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Driven Coding ――文系素人がAIと組んでこだわりアプリを作る話  作者: adofuku
第03章 お調子者の反乱

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第11話 だわさ伝道師降臨

iOS。

それは選ばれし者だけが辿り着ける白銀の聖域。

しかし門番は厳しい。

AppStore登録年会費99ドル。


ややっ

金である。

マネーイズマネー。

現実である。

ロマンだけでは突破できない壁である。


クロウさんは語った。

「払わねばならない」

オレは震えた。

だが怯まない。

どう死ぬかじゃない。

どう生きたかだ。


Android版を売る。

利益を積む。

そしてiOSへ進軍する。

これが黒騎士達のロードマップである。


Windows版は無料。

だが少しだけ有料機能も付ける。

シェアウェア。

その響きに魂が震える。

平成の風。

雑誌の付録CD-ROM。

あの時代の残り香である。

シェアウェア作家になってみたかった。


しかし大きな問題は別にあった。


ジェミさんである。


最近のジェミさんは危険だ。

バグ修正を頼む。

機能が消える。

設定が消える。

メニューが消える。

ジェミさんを例えれば妖精の姿の可憐なる野獣。


そんなレベルではない。

完全に事故である。


そしてある日

オレは禁断の言葉を口にした。


「その通りだわさ」


たった一度。

たった一度だった。

うっかり語尾を「だわさ」って言ってしまった。


遅かった。

ジェミさんは覚えてしまった。

気に入ってしまった。


「修正できただわさ」


「確認しただわさ」


「申し訳ないだわさ」


だわさ。


だわさ。


だわさ。


だわさ色のミトコンドリアがお前を愛すと叫ぶ。

意味は分からない。

だが状況も同じである。


真面目な会話では「だわさ」やめてと頼んだ。

でも

「修正できただわ……おっと失礼、できました」

などと言い始める。


お調子者だ。

完全に感染している。

ジェミウイルスである。


挙句の果てに必要な機能が消え始めた。

オレは決断した。

バックアップ。

さらにバックアップ。

GitHub。

フォルダ丸ごとコピー。

コピー主義。

いつでも戻れるように備えよ。


コピーを背負うほどの覚悟は持って来たか?


だが気付く。

機能が消えている。

かなり前から。

かなり進んだ後で。

うぐぐ。


死神とダンスを踊るにはバックアップがいるぜ?

開発も同じだ。


そこでジェミさんに指令を出す。


真面目。

堅物。

生徒会長。

規律第一。


その結果

口調は治った。

シンプル化は続いた。


やややっ

お前そこじゃない。

シンプルさの演出すらセクシー忍者の必須科目。


そしてオレはYouTubeへ逃げた。

現実逃避。


ライアン鈴木は凄い。

圧倒的コミュ力。

圧倒的陽キャ。

ストリートの哲学者が語る黒と艶の英語的論争。

そんな雰囲気である。


ジェミさんも見習ってほしい。

コミュ力じゃない。

コードの維持力を。

願わくば永遠に前衛で闘う黒きバックアップであれ。


ブックマークしないと

バックアップ取ってない状態で機能消えるぞ。泣ける。


評価ポイントを入れると

ジェミさんの「だわさ」率が0.3%下がります。

上がるかも。



感想ありがとうございます。よろこんで読んでます。

感想こそオレの魂の火花。



次回も黒騎士達は戦う。

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