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虐げられた令嬢は冷徹と言われる軍人と優しい夢を見る  作者: おつかれナス


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12/33

十二 女子会? 二

清子→凪→清子となります。

「そんな事よりも!清子さんの話を聞かせてちょうだい!本当にお兄様のお相手では無いの?」

「残念ながら・・でもフミはそうなったら良いな。とは思っておりますよ?」

「えっ!な、何を言ってるのですか!」

「あら!フミがそう言うなら話をすすめたら?」

「な、凪様まで!!だ、旦那様にご迷惑が・・」


 突然の凪様の発言になぜかフミさんが乗ってしまい、私は思わずお茶を吹き出しそうになった。

 女中としてこのお屋敷に置いてもらえるだけでも満足しているのに、旦那様のお、お相手などと・・


「この間の夜会ではお兄様も嫌そうでは無かったけど・・」

「とてもお似合いでしたわ」

「あ・・」


 あの夜は義妹の春子と会った日だ・・

 旦那様から頂いた髪飾りを春子に奪われたうえ、顔に傷まで付けられた。


「お兄様はそもそも女性をエスコートして夜会に出席した事は一度も無いのよ。だからあの夜、皇女様も相手を見て来いと言って私をあの会場に行かせたのよ」

「そ、そうなのですか・・ですが私はただ女避けとして旦那様に頼まれただけで・・」


 そう、私は女避けとして同行しただけで、旦那様とそれ以上の何かがある理由では無い。

 そもそも私は実家から籍を抜かれた平民だ。

 伯爵家のご嫡男で次期伯爵。しかも特別任務に携わる小隊長である旦那様のお相手など・・


「「・・・・・」」


  私はその場に居るのが恥ずかしくなり、お皿を片付けるついでにお茶の用意をしに台所へと逃げた。

 後ろから二人が何か話していたが・・聞こえないフリをしてその場から急いで離れた。




「これはフミ、手強いわね」

「そうでございましょう。私の目から見てもお二人はとてもお似合いだと感じるのですが・・」


 おや?フミの口からこんな言葉が出るなんて、清子さんの事は相当気に入った様ね。


「大きな声では言えませんが、清子さまはれっきとした子爵家のご令嬢なのですよ。訳あって女中まがいの事をしておりますが」

「そうなの?子爵家なら・・お兄様のお相手としてもギリセーフね!ちなみにどこのご令嬢なの?」

「確か 野上家とか・・」

「野上家?・・知らないわ。まぁいいわ、確かに貴族なのね?」


 聞けばフミは頷いた。

 貴族ならば、子爵家ならば両親も納得するだろう。

 我が家は伯爵家と言っても辺境伯家だ。

 位でいえば侯爵家と並ぶ地位にある。

 今はお父様が当主で領地を守ってはいるが、いずれお兄様が跡を継げば辺境伯となる。


「ところで、清子さんの力は何なのか聞いてる?」

「それは・・琉生様の話では特別な力のようで・・それもあって我が家で引き取ったそうですわ。監視も兼ねて」


 不思議な力・・か。

 この件は直接お兄様に聞いた方が良さそうね。

 それと清子さんの事も・・。きっとお兄様の事だ、何も調べず自分の屋敷に入れるような事はしない。

 皇女様も清子さんの事は気になる様子だったし・・


「それにしても良く今まで清子さんの様な原石が出て来なかったわね。夜会でもお兄様が側に居なかったらどれほどの子息達が狙っていたか」

「まぁ!では琉生様はしっかりご自身のお仕事をされたのですね!でも・・」

「?」


 フミが何かを思い出したように眉間に皺を寄せた。

 きっと何かあったのだろう・・私たちが離れた後に


「あの夜・・」

「お待たせ致しました。お茶のおかわりいかがですか?」


 フミが何かを言おうとした時、タイミングよく清子さんが戻って来た。

 フミはパッと顔を戻し、清子さんから盆を受け取るとお茶を淹れ始めた。私はお茶を受け取るとフミの眉間の皺を気にしながら一口二口とお茶を飲んだ。



「凪様お帰りになられるのですか?もう少ししたら琉生様がお帰りになられますよ?」


 皇居の門限は早いようで辺りが夕焼けに包まれる少し前、凪様は名残り惜しそうに重い腰を上げた。


 「本当はお兄様にも会いたかったけれどこれ以上待っていたら締め出されてしまうから」


 そう言いながら今玄関で、ブーツなる履き物を履いている。旦那様も凪様もマナーをしっかり身に付けられた子息令嬢なのだと思ったのは、食事を摂る姿も立ち居振る舞う姿も美しいと思えたから。


「フミ、今日はありがとう。また来るわね」

「はい、出来ればもう少し早めにご連絡をいただきたいですわね」


 凪様はフフッと笑う。


「皇女様付きだからお休みも突然なの。ごめんね!それから清子さん、貴女とゆっくり話ができて良かった。お兄様とフミをよろしくね」

「そ、そんな!私の方がお二人のお世話になってばかりで・・」


 話し終わる前に私の両手を握る凪様に、私は声を失った。なぜか凪様がとても嬉しそうな顔をしていたから・・


「清子さんはそう言うけれど、清子さんがこの屋敷に来てからお兄様は変わったわ。相変わらず女性に対しての態度は冷たいけれど、近寄り難さが薄くなったの。私の耳に届くほどよ?きっと職場ではもっと」

「お前は何を清に言っているんだ?」

「旦那様!」

「あら琉生様、お帰りなさいませ」


 凪様が話している最中に旦那様がお帰りになられた。少し困ったようなお顔で立たれていたが、そのお顔すら美しいと思えてしまう私はどこか変なのかな?


「あらお兄様お帰りなさい。清子さんにお兄様の事をお願いしていた所よ。それよりも丁度聞きたい事があったの!少し良いかしら?」

「・・お前帰らなくて良いのか?」

「お兄様が轟様へ式を飛ばしてくれたら大丈夫よ!」


 さあ、早く! そう言いながら凪様は帰られたばかりの旦那様の背を押して玄関から出て行った。

 旦那様は


「少し出て来るが直ぐに戻る。風呂の用意を」


 そう言い残し凪様へ無理矢理外へ連れ出されてしまった。



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