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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第6章 嵐の前の静けさ編

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Episode5 - 稼ぎをしよう


「なんかなんか、久しぶりですねぇ」

「そういえばそうだねぇ。最近は私達ソロで行動してる事の方が多かったし?」

「モンスターですし、それぞれが個の力が強いですしね」

「それもある」


 丁度、未探索の遺跡へと侵入しようとしていたフレデリカと合流した後。

 私達は共にその遺跡の中を談笑しつつ探索していた。

 当然、遺跡内はボスが居る居ないに関係なくモンスターが存在している。その為、話をしていれば寄ってくるモノも多い……のだが。


「よっ!ほっ!」

「おぉー、流石にフレデリカちゃんも育ってるね」

「当然当然です!この辺りのモンスターなら大体こんな感じにはなりますよぅ」


 近付く端から、フレデリカが自身の身体の一部と……身体から生えている植物を操る事で捕らえ、捕食する。

 存在昇華する前からクナトの様な巨体を拘束出来ていたのだ。そこらの並のモンスターが捕まって逃げられる筈もない。

……さて、問題があるとすれば……さっきから出てくるモンスターの方かな。

 未だ、私はこの遺跡内のモンスターを一口も味見していない。フレデリカが倒してくれているのもあるが……何よりも。


「で、大丈夫そう?」

「結構食べてますけど……【狂気耐性】と【捕食】のおかげで大丈夫みたいです!『狂気耐性強化』っていうバフも付いたので、次はイヴさんが食べますか?」

「それならそうしようかな」


 出現しているモンスターの姿が不穏だった。

 一見すれば、ゴブリンやネズミと言った湿地で活動している私達にとっては見慣れたモンスター……ではあるのだが。その全てが、理性を失ったような目と全身から触手を伸ばしているとなれば話が変わってくる。

 そして、私にはその様な存在につい最近出会い打倒した。そう、石板の影響によって存在昇華してしまったニドリーだ。

……問題はこの先、ボスの状態……かな。

 十中八九、この遺跡には石板が存在している。

 その上で、その石板を使って存在昇華したボスも居る。

 私とフレデリカが居るのだ、ある程度の相手までならば打倒は出来るだろうが……その実力次第では、ロレリアの方で雑務をこなしているであろうロートも呼ぶべきだろう。


「むむ、来ました!……あ、でもこれは……」

「私の方でも感知出来てる……けど」


 何かしらのスキルで索敵しているフレデリカ、そして【聞き耳】と種族的特徴によって感知している私が同時に構え、遺跡の先……丁度曲がり角になっている場所を見る。

 そこから現れたのは、


「……ヌゥ……」


 1体の、私の腰程度までしか身長の無い小人の様なモンスター。

 服、帽子が全て赤く、手には赤黒い汚れの付いた包丁を持っており……魂の大きさ自体は、ゴブリン達と大差はない。

 しかしながら、私達2人はその姿を見た瞬間に無意識的に後退った。

……め、面倒なの来たぁー……!

 イベント限定モンスター、レッドキャップ。

 英国の伝承に登場する妖精であり、その性格は極めて残虐。彼らの名前である『赤い帽子』は彼らの被害者の血によって汚れ染められた物とまで言われている存在だ。

 だが、それだけだったら私達は別に恐れない。それに相手はイベント限定で出現するようになっているだけのモンスターのはず……なのだ。

 ならば、何故後退ったのか?答えは簡単だ。


「ヌゥ?」

「ヌ……」

「ヌヌヌッ」

「「「ンヌッ!」」」

「やっぱり居るじゃんかァ!?」

「て、撤退てったぁーい!」


 彼らは、1体だけでは出現しない。

 運営がスポーン時の設定を間違えたのか、それともレッドキャップというモンスターがその手の群れを作る習性でも設定されているのか。

 レッドキャップは必ず、3から8体程度の群れで襲い掛かってくるのだ。

 そして彼らに見つかると、


「ヌッ!」

「ヌヌン!」

「くッそ!外からも来た!」

「イヴさんイヴさん!中からも追加で来てます!」

「……戦うしか、ないかぁ……」

「あぁそんな遠い目をしないでください!」


 その情報は群れ以外のレッドキャップにも伝播する。

 流石にゲーム内全てではない様だが、少なくとも現状であれば……私達が今居る遺跡から半径300m以内のレッドキャップ達には伝わっている事だろう。

 よって、本当ならば逃げる事を優先した方が絶対に良い。

 下手に戦おうとしても、延々と襲い掛かってくる為に終わりは見えず。

 次第に掠り傷程度のダメージが積み重なって、こちらのHPが尽きるだけなのだから。

 そんな習性のおかげで、掲示板では『黒光りするアレよりも性質が悪い』、『レッドキャップ用の殺虫剤をくれ』、『ドロップがアイテムと交換出来るからってこんなに出てほしい訳じゃない』と、プレイヤー達からは好評なコメントがイベント開始から絶えず投稿され続けている。


「とは言え丁度良いと言えば丁度良いかッ!経験値稼ぐよフレデリカちゃん!」

「了解了解です!やってやりますよ!」


 丁度私は経験値が必要だったのだ。

 この機会に、目標となる経験値と……色々と無駄遣いしても良い様に今後の貯蓄の為に大量のレッドキャップを倒す事にしよう。

 戦闘開始だ。

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― 新着の感想 ―
レッドキャップ1匹を見たら100匹は居ると思えと聞いたことがある
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