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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第4章 色々準備編

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Episode11 - 魂を喰らう者


 以前の存在昇華では、アバターメイキングもあった所為かこの様な変化は見られなかった。

 どの様に変わっていくのかと少しばかりワクワクしていると、


『存在昇華が終了しました。スキルのリビルドが可能です』

『存在昇華に伴い、【魂視】、【霊体化】が獲得可能になりました』

「あ、あれ?」


 すぐに光は収まってしまう。

 私の身体に変化らしい変化は見られない。もっとこう、モンスターらしくなるのだとばかり思っていたが……そうでもないらしい。

……いや?

 と、リビルドの為にウィンドウを表示させ、視線を下へと向けて……気が付いた。

 私の足が軽くではあるが透けている。


「んん、新しい種族は……魂喰いだよね。……あ、もしかしてゴーストとか霊体系モンスターに関係ある種族だから透けたってこと?」


 新たに獲得可能となったスキルの1つである【霊体化】。まだ獲得していない為にそれの所為ではないとは分かっているものの……関係が無いとは言いづらい。


「えーっとトピックストピックス……あった。『魂喰いは主に墓地や、捨てられた街などで確認出来る中位から上位のモンスター。霊体化などを行い、暗闇の中から獲物の魂を喰らう事で生きる』……成程ぉ?」


 トピックスを読んで、ある程度の納得と明らかに人喰いの正当進化では無い事を悟った。

 名前は似ているものの、元より人喰いは人の中で生きるモンスター。それが打って変わり、人のいない場所でも生きられるようになっている。

 恐らくは種族名と同じスキルである【魂喰い】に影響された結果ではあるだろうが……まぁそれ自体は良いだろう。


「んんー、ちょっとリビルドは保留にして。試しておこう」


 遺跡内の適当なゴブリンと何度か戦闘を繰り返し、身体の使い勝手を確認していく。

 その結果、


「うん、スペック自体はめっちゃ上がってる。透けてても実体はあるまんまみたいだし問題はなさそう」


 幾つかの事が分かった。

 1つは、身体のスペックの向上。これは人喰いに成った時と同じ様に、上位の種族になったが故の変化だ。

 今までは弱いといっても【捕食】などを駆使して2、3撃程度攻撃をしなければ倒せなかったゴブリンも、今では蹴りを入れるだけで様々な骨が折れる感触と共に消えていく。

 2つ目に、【魂喰い】の性能が上がっている点。

 種族的に相性が良くなったからなのか、今までと比べると大体2倍程度の強化幅となっていた。

 一度の捕食で喰らい取れる魂の量も引き上げられているのか、ニドリーにしか起こらなかった弱体化も、ゴブリン相手でも発動する様になっている。

 そして最後に。


「……うん、やっぱり気のせいじゃ無い。感じるね(・・・・)


 私が視線を向けた、遺跡の通路の分かれ道。

 そちらの方から、何かが迫ってきているのを感じるのだ。

 無論、【聞き耳】によってそれがゴブリンの足音である事も理解している。

 しかしながら、聴覚ではない……第六感のような、元々の自分には無い感覚器によってその接近を把握出来ていた。

……多分、これって種族的な能力だよね。魂喰いだから……魂を本能的に感知してるとか?

 精度は悪く無い。

 【聞き耳】に比べると範囲自体は狭いものの、音に頼らない索敵方法と考えればかなり便利だ。

 なんせ、これならば、


「って事で、何か用事かな?フレデリカちゃん」

「ぅえ!?あれあれ?私まだ話しかけてないですよ?!」

「あぁ、うん。なんか分かるようになってね」

「そんなそんなぁ……これじゃ驚かせる事が出来ないじゃないですか……」

「出来れば驚かせないでもらえると助かるんだけどね?」


 こうして音もなく接近してくるフレデリカの様な相手にも対応できるのだから。


「えっとえっと……もしかして存在昇華しました?なんか透けてますし」

「あ、分かるかい?そうなんだよ。多分フレデリカちゃんが来たのを分かったのもそれだね」

「はぇー……あ、そうですそうです」


 フレデリカは何かを思い出したかのように虚空へと指を這わせると、


「はいはい、これ石板です」

「お、3枚。楽だった?」

「アイテム系の遺跡しか残ってなかったので!ボスには会えてませんね」

「そっかそっか。じゃあこれで変化が起きれば……また情報が集まるわけだ」


 3枚もの石板を私に手渡してきた。

 一応確認すると、ニドリーの遺跡にあった石板の様に文字が消えているモノは……1枚。

 他2枚に関しては、別段特に他の石板と変わった点は見られなかった。

……こっちは……巫女について消えてるな。って事は消える文字はランダムか……厄介だ。

 石板を見比べている私を見てか、それとも沈黙に耐えられなかったのか。

 フレデリカが話しかけてくる。


「それにしてもそれにしても、イヴさんはその服装でイベントに出るんです?」

「ん?……あー、まぁ私らモンスターだし、服装っていうか装備を作るアテも無いからね」

「いやいや、あるじゃないですか」

「?」

「ロートさんがいるじゃあないですか」


 そう言われ、気が付いた。

 元々、私達モンスターは装備を手に入れる手段はかなり少ない。

 それこそ、自分で作るか伝手を作る事で外部委託するかのどちらかだ。

 しかしながら、私もフレデリカもそれらしいスキルを持っていなかった為に諦めていた……のだが、


「確かにそうじゃん……意識の外すぎたよ……」

「お、おお……なんかイヴさんがびっくりしてるの初めて見ますね」

「ありがとうフレデリカちゃん!ロートちゃんにちょっと頼んでみるよ」

「いえいえ、お気になさらず」


 すぐさま私はロートにゲーム内、そしてリアルの連絡先に対してメッセージを送り始める。

 イベントまで残り3日。それまでに装備が手に入るかは賭けになるが……それでも連絡しないよりはマシだろう。

 出来るならば、自分に合う装備が手に入る事を願って。



――――――――――

プレイヤー:イヴ

合計スキルレベル:40

 戦闘カテゴリレベル:16

  保有スキル:【噛みつき】Lv3、【捕食】Lv3、【カニバリズム】Lv2、【部位破壊】Lv2、【大食漢】Lv3、【ヒットボックス拡張:右腕】Lv1、【魂喰い】Lv2


 探索カテゴリレベル:3

  保有スキル:【聞き耳】Lv2、【隠密】Lv1


 その他カテゴリレベル:21

  保有スキル:【筋力増加】Lv2、【恐怖耐性】Lv2、【口腔生成】Lv2、【多産】Lv3、【配下指示】Lv2、【主従共有】Lv4、【バフチェイン】Lv1、【旧共通語】Lv1、【狂気耐性】Lv2、【骨鎧生成】Lv1、【光合成】Lv1

――――――――――

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