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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
幕間1

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ShortEpisode2 - ストーリーって


■遠野 葵


「桐崎くんさぁ、やらないの?KFO」

「……やっても良いんだが……前とは違って出遅れたからな。どうするかは迷ってる」

「そっかそっか。まぁやる気が出たら連絡してよ。ある程度フォロー出来そうな位置だったらフォローしに行ってあげるから」

「それは頼む。まぁウチには狼谷も居るからな。そっちも頼らせてもらうさ」


 喫茶店マーダー。

 私の仕事場からそこまで離れていない位置に店を構えているそこは、昼休みに訪れるには丁度良い場所だった。


「聞いたところによれば、今は結構忙しいんだろ?」

「忙しい、と言えば忙しいねぇ……大型イベントの為の準備に、ワールドボスが出てくるかもしれないって事でそれの為の対策。後は普通に自分のビルドを強化する為のスキルを探したりしてる所だから」

「ほう……そう言えばあのゲームのストーリーってどうなってるんだ?俺もお前に説明はしたが、狼谷からの受け売りでほぼ知らないんだ」

「んー……私、モンスター側だから結構見え方違ってるし、それなりに持ってる情報偏ってるよ?」

「それでも良い。今分かる事だけ教えてくれ」


 それならば、と。

 私は出されていた珈琲に一度口を付けた後、


「それじゃあ話していこうか。今私達が居るフィールド……というか、赤奈ちゃんも含めると国かな?はロレリアって言う所だね」

「確か……草原の国、だったか?」

「そうそう、草原の国ロレリア。一応、赤奈ちゃんの話だと国の真ん中には大きな湖があって、国の周りには草原が広がってる自然豊かな国……らしいよ?」

「なんで疑問形なんだ?お前もそこで活動してるんだろ?」

「まぁ一応は、って感じなんだけどね。私が主に活動してるのは、ロレリアから少し離れて、草原を越えた湿地帯だからさ。草原に繋がる道は見つけてあるけど、そこから先……街の方には行ってないから分からないんだよ」


 結局、私はあれから草原には足を踏み入れてはいない。

 別に遺跡を探しに行ってもいいのだが、それをするなら湿地でもあまり変わらない為だ。


「成程な。それで?」

「で、そのロレリアって国が建国される時の話。なんか1体のモンスターがすっごい災害を起こしちゃったらしくてさ」

「あるあるだな」

「そうだね。で、当時居たらしい巫女さんがそれを封印。領土各地に祭壇を設置して、そのモンスターの力を分散させる事で安定した封印を維持出来るようにしたんだって」


 今話しているのは、石板に書かれていた内容。

 もしかしたら人間側とでは伝わっている話が違うのかもしれないが……それはそれ。

 人間が過去の事を改変、都合良く捻じ曲げ後世に残すなどよくやる事なのだから、そこの真偽を確かめるのは難しい。


「ほう。巫女が封印ねぇ。どれくらい前の事なのか分かるのか?」

「それがまだ分かってないんだよねぇ。ここら辺は人間プレイヤー……それこそ赤奈ちゃんに聞いた方が早いかも。……で、話を戻すと。その封印が近年ちょっとずつ緩み始めてるっぽいんだよ」

「大変じゃねぇか。何で分かったんだ?」

「私とかが活動してる湿地の発生からだね。領土各地に設置された祭壇から、封印されているモンスターの力が漏れる事で草原やらが湿地に変化。所謂、自分の有利な環境に作り替えてる、って感じかな」

「……成程、たまにゲームで居る領域生成型か」


 自分に有利な環境を作り上げる事で、戦う時にある程度バフが掛かるようにする類。

 直近で言えば、ソウマがその部類だったのだろうと予想は出来る。ただ、遺跡の中の環境を変えすぎた結果か、本体の実力自体は悲惨なモノだったが。

 他でいうならば、クナトも種族的にその部類だろうか。あっちはあっちで地頭が悪かった所為で活かし切れていなかったのが残念な所ではある。


「で、各地の祭壇から力が溢れてきてるから、その分本体の封印が緩んでしまってるんじゃないか……ってのが現行の私達のストーリーかな?他の国家がどうなってるかは分からないや」

「ふむ、正式サービス開始から考えると少ない日数でそれなりの進み方はしてるんだな」

「まぁ私とかがボスのソロ攻略とかしちゃってるからじゃない?人間側もそれなりに進んでるんだろうけど、掲示板見る限りは……基本的にパーティでの攻略とかしてるっぽいし」

「それが普通だからな。どうせ味がどうのこうの言ってソロで挑んで何度か返り討ちに遭ってんだろ」

「失礼な、1回だけだよ」

「遭ってんじゃねぇか」


 最近はフレデリカと共に攻略する事もあるが、クナトの時の様に相手を食べるのは頑なに拒否されてしまう。

 本当に美味しいモノしか勧めていないのに……悲しいものだ。


「だが、そのストーリー系の進捗は一旦止まるんだろ?」

「そうだね。大型イベントが来るってなったら、流石にストーリー進めるより優先するよ」

「イベントの名称とかって出てんのか?」

「えぇーっと……いや、まだ出てない。開催まで1週間くらいのタイミングで出すんじゃない?」


 それなりに楽しみにしているが、結局詳しい内容自体はまだ謎のまま。

 桐崎は私の話に満足したのか、イベント中に始めるかどうかを考えておくらしい。

 リアルの知人が増える事は大歓迎だ。出来れば敵としてではなく、味方としてゲーム内で出会えたら良いな、と思ってしまうが。

これにて幕間1は終わり。明日から4章です。

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― 新着の感想 ―
こうして振り返ると一番厄介で面倒かったボスって最初に倒したマーテルだよなぁ? 一デスもしてるしまぁそれでアイツは驕り油断して倒せたんだが
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