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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第3章 ステップアップへの一歩編

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Episode1 - 現状とこれから

3章開始。エイプリルフールですが、ネタを用意するの忘れてたんで特に何かある訳じゃないです。


「……おぉう、本当にあったよ」


 クナトの居た遺跡の地下を探索した、その数日後。

 私は自分の家として使っているダンジョンの、元ボス部屋の床材を破壊していた。

 理由は単純、似たような地下室がこのダンジョンにも存在している可能性があったからだ。

 そして、今。その可能性が目の前に出てきてくれた。


「フレデリカちゃんにチャット入れておいて……中確認するかぁ……」


 石板を読み、その内容を知った後。

 私とフレデリカは……一度、各々の拠点に戻り戦利品などを確認する事にした。

 現実逃避ではなく、それをするだけの余裕がある事柄だと判断した為だ。

……しっかし、ワールドボス。ワールドボスねぇ……私このゲームの歴史とか背景とか本当に全く知らないんだけれど。

 石板に書かれていたのは、この世界……というよりは。湿地の近くに存在するロレリアという国家の成り立ちについてだ。

 だが、それくらいならばKaleido(カレイド)scope(スコープ) Frontier(フロンティア) Online(オンライン)のサイトを調べれば幾らでも出てくるだろう。ゲーム内でも、歴史系をまとめているプレイヤーだって居る筈なのだ。しかし、掲示板などでワールドボスについての情報は一切出てきていない。


「祭壇は……ちょっとだけ壊れてる部分はあるけど、ほぼそのまま。代わりに石板がない、と」


 故に、私とフレデリカが見つけてしまったのは……このゲームにおける、隠されたか失われてしまった国の歴史なのだろう。

 【聞き耳】のレベルが2の私や、隙間に入り込む事が出来るフレデリカですら、クナトが遺跡を崩さなければ見つける事が出来なかった空間。

 運営的には見つかるのはもう少し先の想定だったのかもしれないが……見つけてしまったものは仕方がない。


「イヴさんイヴさぁーん!」

「お、来たっぽいね。……はいはぁーい、ちょっと待っててぇー!」


 フレデリカが元ボス部屋まで来たらしく。

 部屋の観察を一旦やめ、階段を上がり彼女を出迎える。

 フレデリカはこの数日で一度自力での存在昇華を行い、ノームからドライアドに成っていた。とは言え、姿的には元の土の身体に若木などが生えただけのマイナーチェンジではあるのだが。


「どうですどうです?石板は?」

「無かったね。祭壇はあったから、石板がある所と無い所があるのかも。それか……ここに居たボスが存在昇華して使ったか」

「あぁー……イヴさんが食べたって言ってた……」

「良いデザートだったぜ」

「聞いてない聞いてないです」


 私達が今現在メインで行っているのは、湿地にある遺跡を探索し祭壇のある部屋を見つけ、石板を集める事。

 誰かを存在昇華させる為に集めている訳ではなく、石板に書かれている内容が場所によって違う為だ。

 大体がロレリアという国の成り立ちについて。そして1つの事柄についてだ。

 その事柄というのが、


「本当に本当に起きるんですかね?厄災さん」

「起きるとは思うよ?それを眠らせてた力が切れそうになってる……っていうのを知らせる為の文章だろうしね、あの石板」

「ふむふむ……ベタですよねぇ」

「そうだねぇ……私もそう思うよ」


 ロレリアという国が建国する際に起こったとされる、1体のモンスターに依る大災害。

 かつて存在したというロレリアの巫女がそれを鎮め、ロレリアの領土各地に祭壇を設置。そのモンスターの力を分散する事で安定した封印を維持していたそうだ。

 私達が探索をしているモンスターの棲家となってしまっている遺跡は、元々はその祭壇を護り管理する為の施設だったらしい。

 今では、そのモンスターの力が祭壇を介してこの地へと漏れ、湿地へと変化。次いでに特定種族に対する特攻の様な力場まで発生してしまっている有様。封印が緩み、復活が近付いた事による弊害だろう。

……ある程度理解は出来てきたけど、やっぱり人手が足りないかなぁ。

 今までに私達が見つけた石板は3枚。

 1枚はクナト、それ以外はフレデリカが初期スポーン近くにあった遺跡から、もう1枚は私が同じ様にそこらにあった遺跡から見つけてきたものだ。


「で、で、どうするんです?3枚集めてある程度の事情とか背景とかは分かりましたけど……これそのまま掲示板に載せたら凄い事になりますよね?」

「なるだろうね。最悪……誰かが余計な事をして、封印が崩れて即復活!ロレリア滅亡!とかまではあり得ると思ってるよ」

「うわぁうわぁ……」

「だからこそ、1人だけその手の情報を任せるには十分すぎるくらいに便利な知り合いに話を通しておいたんだ」

「知り合い、知り合いですか?」


 私がそう言った瞬間、信じられない様なモノでも見たかのようにフレデリカが私の事をじっと見つめてきた。


「そうだよ、リアルの知り合い。このゲームのベータテスターだったり、結構このゲームでは有名人って本人が言ってたかな?」

「……イヴさんにリアルの知り合いが……?!」

「……ちょっと口が寂しくなってきたな。野菜とか食べたい気分だ」

「ごめんなさいごめんなさぁい!」


 彼女の身体から生えている枝を1本軽く折って口に放り込みつつ。

 リアルの知り合いが来るのをフレデリカと共に待つ事にした。


「ちなみにちなみに、どんな知り合いなんです?」

「私の行きつけの喫茶店の従業員さんなんだよ。本人曰く『客が少ないし、ゲームも出来るから楽して稼げる』って言ってたかな?」

「……またまたキャラが濃そうな方です?もしかして」

「あっはっは、フレデリカちゃんに比べたら皆そんなに濃くないよ」

「私も濃くないですけど!?」


 そうして雑談して待っていると。

 私の耳が、遺跡内をゴブリンと戦闘しながらこちらへと近付く足音が響き始めたのを捉えた。

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