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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第2章 出会いと始まり編

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Episode15 - 知ってしまった

2章終わり


「一旦落ち着こう。なんか変なの……流石にノームからそうはならんやろって奴出てる?」

「出てます出てます。……なんか、『月の従獣:幼体』ってのが……」

「厄ネタぁ……」


 取り敢えず、フレデリカには存在昇華をキャンセルさせ、状況の整理を行うことにした。

 事情を聞いていく中で判明したのは、主に4つ。

 1つ、フレデリカはまだ存在昇華を1回も行っておらず、スキルレベル的にも通常であれば行えない事。

 2つ目、存在昇華が行える事以外には特にデバフなどが付与された様子がない事。

 3つ目、私が触れたとしても特に存在昇華が行えない事。

 そして最後に、この石板に触れたからなのか新たなスキルを獲得可能になったというログが流れた事だ。


「えーっと……スキル名【旧共通語】、かぁ……フレデリカちゃんの方は見つかった?」

「はいはい。そのスキルと多分今の人間側が使ってるっぽい【共通語】を見つけました。私達がウィンドウとかで見てるのって、私達向けに翻訳された文字だった、もしくはデフォルトの鑑定機能で分かるようになってるだけ、って事ですかね?」

「恐らくね。……事情が変わってきたなぁ」


 スキル【旧共通語】。

 人間ではない、私達モンスターアバター用に用意されているモンスター専用のスキルであり……効果は1つ。ただ『旧共通語』に分類されているゲーム内の文字が読めるようになるだけだ。

 効果だけ見れば取る意味は薄い。

 しかしながら、今。目の前に存在する石板と、それによって起きた事柄の事を考えると……今後、必要になるスキルの可能性が非常に高いのだ。


「おっけ、私がまず獲得しよっか」

「良いんですか良いんですか?」

「経験値余ってるしね。それに、フレデリカちゃんはまだ存在昇華してないんでしょ?その為にも経験値は残しておきな」

「ならならお言葉に甘える事にします!」

「うんうん、話が早い子は助かるよ」


 言って、すぐさまウィンドウを操作して。


『経験値2000を消費して【旧共通語】、【共通語】を獲得しました』


 私は2つのスキルを獲得した。

 【旧共通語】は話の流れの通り。そして【共通語】は……何となく。今後必要になる場面が来る可能性がある為だ。

 個人的な考えでは、このスキルを獲得したからと言って何かが起こる訳ではないと思ってはいる。

 ただ、この世界の見方が変わるだけだ。


「よし、じゃあフレデリカちゃんはちょっとだけ離れてて。石板を読んだ事によって何かしらのフラグが建つ可能性もあるから」

「えっとえっと……大丈夫です?」

「大丈夫大丈夫。最悪私がデスペナ喰らったら全力で地上に逃げて。私もリスポーンしたらすぐにここに向かうから」

「了解了解です」


 彼女が私と石板から離れ、階段の方に行ったのを確認してから。

 私は石板へと目を向ける。先程までは何が書かれていたか全く分からなかった石板だ。しかしながら……今はよく分からない文字の上に、私達が読める文字が重なるようにして表示されていた。

……うん、スキルが発動してる。……さて、覚悟決めるか。

 『月の従獣:幼体』、なんてモンスターの種族は私は一切聞いた覚えはない。リアルでもだ。

 そんなものに存在昇華させようとしてくるこの石板が碌なものではない、というのは既に分かり切っている。

 その上で表示されている内容を読み進めていけば、


「げぇ……えぇ?マジぃ?」


 私1人で背負うには重すぎる内容が書かれていた。

 目の前に存在する石板、そしてこの祭壇の意味。そして、この湿地が存在している理由……そして、クナトを含め、虫系のモンスターがどうしてこの湿地で多大なデバフを受けているのか。

 ある程度の予想と状況証拠、そしてこの石板に書かれた内容がそれら1つ1つを結び付けてしまう。


「……イヴさんイヴさん、大丈夫そうですか?」

「あぁー、うん。大丈夫。少なくともこれを読んで死ぬ事は無い。ただすっごいどうしようかって感じだねぇ……えぇー……?」

「取り敢えず取り敢えず、イヴさんが少し混乱してるっていうのだけは分かりました」


 石板を読み終わってもデスペナを喰らう様子の無い私に、フレデリカが恐る恐るといった体で近づいてくる。

 万が一にも彼女が石板に触らない様に、それを持ちながら書かれた内容を説明していくと。


「えぇー……え、KFOってそういうジャンルのゲームだったんです?」

「だったらしいねぇ……分かるかって感じなんだけど。……いや、そう言えばマーテルも似たような物か……」


 フレデリカも私と似たような反応をしてしまっていた。

 そりゃあそうだろう。

 この石板に書かれた内容は私達2人で背負える様なものではないのだから。


「でもでも、それに書かれてるのが本当だったとして……その通りになるんです?」

「分からない。でも本当になるって考えて動いた方がいいのは確実だね。……だって」


 何故ならば。

 この石板に書かれているのは、


「これ、下手したら『ワールドボスが突然この湿地で復活する』って書いてあるんだから、さ」


 私達の棲家に隠された、世界の敵(ワールドボス)に関する情報だったからだ。

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