表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第2章 出会いと始まり編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/64

Episode3 - 次なる目標は


「うん、後は……共有のレベルを上げて【捕食】を持たせればひとまずは調整完了かな」

『スキル【主従共有】のレベルを2に上昇させます……完了。アバターに適用しました』


 配下の人喰いを連れ、元ボス部屋へと戻りつつ。

 私はウィンドウを弄る事で【主従共有】のレベルを上げ、【捕食】を配下も使える様にしておいた。

……しっかし結構スキルも増えてきたね。リビルドもあったし、欲しいスキルだけを取ってはいるけど。

 現在のスキル数は計11個。

 合計レベルは15になったものの……大きく私の実力が上昇した訳ではない。


「次の存在昇華っていつなんだろう。モンスターアバターは最低4回はあるはずだけど……合計レベル20くらいかな?いやそれは近すぎか?」


 私が今現在居る遺跡……もとい、湿地がこのKFOにおけるどのレベル帯に位置しているかによって、私がどの程度の実力を持っているか変わってくる。

 元より、そこまでレベル帯は高くないと考えてはいるが……マーテルのギミック難度を考えるとそうとも言えなくなってきているのだ。

 個人的に、私が相性が良かっただけで範囲攻撃とある程度の戦線維持を要求するダンジョンボスは初心者帯で遭遇するような相手ではないと思う。


「……一旦、湿地の外を目指して探索してみるかな?」


 これまではこのダンジョンを攻略する為に動き、ダンジョンの環境を整える為に数日使っていたが……これからは自由な時間も増える。

 湿地の探索を進めてみるのも良いが、他のエリアもそろそろ見てみたいという気持ちもあるのだ。

……ただネックになるのは……回復手段か。

 素手がメインの攻撃手段であり、新たにHPを割合で減らす【多産】を手に入れた今。

 私のHPを回復する手段は一切持ち合わせてはいない。

 出来るなら食事に関係するスキルを取れれば良いのだが……それらしいスキルも見つける事は出来ていない。


「HPの持続回復系が見当たらないっていうのは……何かしらの理由があるんだろうなぁ。人間アバターの事情が分からないのがちょっと痛いけれど」


 元ボス部屋の中、一度設定したスキルを適用させる為に配下を喰らった後。

 とりあえず、私はこのダンジョンの中から出て人間の居る街へと向かうべく準備を開始した。

 といっても、ポーションといった文明的なアイテムなんて存在はしていない為、準備するのは遠出用の食糧だけなのだが。


「ゴブリンをお弁当に……最悪その辺の草とか土とか食べてみればいいかな。【捕食】の対象がどこまで広いのかも確かめておきたいし」


 一先ず、次の短期目標は……湿地から出る事にしてみよう。



―――――



「……やっぱりマーテルの所為で湿地の生態系が崩れてたんだなぁ」


 背の高い草むらの中。

 出来る限り息を殺し、【隠密】を発動させながら私は近くの……3体の巨大なネズミへと視線を向けていた。

 ほぼ自分の家になっているダンジョンから出て、少し歩いた場所。初期スポーン地点である洞窟から離れるように進んだそこには、ゴブリンの姿は1体もなく。代わりに巨大なネズミの姿を確認する事が出来ていた。

……食糧的には有難いんだけど。でもあの大きさは流石に食欲より恐怖が勝るよ。

 その大きさは通常の大きさの倍……なんてものではなく大型犬ほどもある。

 個体によっては更に大きいだろう。

 それが大体2、3体固まって徘徊しているのだから……私1人だけではオーガ以上に厳しい戦いを強いられる筈だ。


「ま、今の私は1人じゃないんだけど、さッ!」

「ヂュッ!?」

「「!?」」


 ネズミの内、1体が私の潜む草むらの近くまで来たタイミングで跳び出し、全体重を乗せた蹴りを放った。

 それと共に私の身体からは1体の配下が産まれ落ちる。

 1人で対多数を相手するのが難しいのであれば、新たな力である配下を使えば良いだけの事。


「ぁあッ!」

「ヂヂヂ……ヂァッ!」

「良い実力差って感じだねぇ……!【筋力増加】とプレイヤースキルがあるかないかの差だろうけど!」


 私が事前に設定した配下への指示は主に3つ。

 『近くの敵対存在を襲う事』。

 『主人を狙わない事』。

 そして『出来る限り【捕食】を機能させる事』。

 配下に求めるのは、敵を減らす事でもダメージを出す事でもない。ただただ、私が攻撃出来る隙を作り出し、あわよくば【捕食】によってバフを私に付与する為の捨て駒だ。


「マーテルみたいに大事な我が子って感じじゃあないからね!というかこの歳で子持ち宣言はしたくない!」


 流石にまだリアルの年齢は20代前半。

 そんな歳で大量の子を産んでいるというのは、ちょっとだけ風聞が良くはない。あくまで私がそう考えているだけではあるのだが。

 一番初めに蹴りを当てたネズミは、予想外のダメージに未だ動けず少しだけ身体を痙攣させている。

 他の2体の内、1体は私の配下との戦闘で私に意識を向ける程の余裕はない。

 故に、


「じゃ、手早く君を倒してゆっくり味見タイムと行かせてもらうよ」

「ヂュァア……」


 残った1体とのタイマンだ。

 このゲームにおける、ゴブリン系統以外の初めてのしっかりとした食事としゃれこもう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ