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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第2章 出会いと始まり編

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Episode2 - 躾の為に


『MVP特典によって【多産】を獲得しました』

「よぉーし、これで私も子持ちになる訳だ。……現実じゃそういう話が一切ないのに、ちょっと複雑だなぁ」


 私が選んだのは、マーテルという存在の核になっていたであろうスキルの【多産】。

 スキルの効果としては、


「ほいっと、【多産】」

「……ぁあ?あー……?」

「おぉ、産まれた産まれた。……胴体から這い出てくるのは果たして産まれたって表現して良いものなのかな……良いのか……」


 これまた、マーテルが行っていた様に自身の配下となるモンスターの生産だ。

 マーテルならば下位種だったろうゴブリンやオーガを。私の場合は……何故か、私と同じ人喰いが生産出来た。NPCとプレイヤーではスキルの性能に何かしらの違いが出るのかもしれない。

 本来の使い方……と言うか、私が知っている唯一の使い方をするのであれば。今し方生産した人喰いを探索などに行くよう指示するのだろうが……生憎と、私には配下へと指示する類のスキルを持っていない為、


「あァッ!」

「おっと危ない。成程、こういう挙動になる訳だ。確かに私も見た目だけなら立派な人間だしねぇ今」

「ぁーぅ……」


 産まれたばかりの人喰いが私へと襲い掛かってくる。

 空腹に加え、明らかに知能が低そうな様子。近くに自身の捕食対象である人……の様な存在が居れば、食べる為に襲い掛かるのは自然だろう。モンスターの世界ならば。

 とは言え、戦闘経験値はこちらの方が上。すぐさまこちらへと伸びた片腕を掴み捻り上げ、無防備な首筋を手で喰らい取り……光の粒子となって消えていった。


「それじゃあ簡易的な指示が出来る様に【配下指示】、後は……産まれた配下と私のステータスをある程度共有させたいな。バフとか」


 経験値自体は余っていると言っていい程度には余っている。

 合計で計算するなら……大体、スキルを5個程度は獲得しても余る量だ。スキルのレベルを上げても良いが、今は【多産】をしっかりと使えるスキルにする為に外堀を埋めた方が良いだろう。

 それに、私が考えている通りならば……恐らく、マーテルも似た様なスキルの構成になっていた筈なのだ。


「お、見つけた。【主従共有】……スキルレベルによって配下に持ってるスキルを共有出来るスキルか。あとはぁー……【バフチェイン】。同じスキルを持ってる者同士でバフの共有がされるスキルだね。じゃあこの2つとさっきの指示の奴を獲得してっと」

『経験値3000を消費して【配下指示】、【主従共有】、【バフチェイン】を獲得しました』

「おし、完了。残りの経験値は……大体2000か。まぁ一旦これの使い道は保留にして」


 再度、私の身体から配下を産んでみる。

 それと共に、新しく獲得した【配下指示】を使ってみようとしてみれば、


「あー……?」

「おし、産まれたね?それじゃあ……指示ってどうやるんだ?マーテルは別に声に出してた訳じゃ……」

「あァッ!」

「あぁもう、またかよッ!」


 先程と同じ事の繰り返しとなってしまった。

 近くで光の粒子となって消えていく我が子2号を横目に、ゲーム内トピックスや掲示板を漁ってみれば……すぐに答えは見つかった。

 【配下指示】はリアルタイムで指示を行う為のスキルではなく、事前に設定した通りに配下が動く、というスキルであるらしく。


「えぇーっと、あったあった。スキル一覧画面から【配下指示】を選択……ってうわ、フローチャート式だこれ。現実の仕事思い出しちゃうな」


 掲示板で見つけた説明通りに操作してみれば、出現したのは様々な指示のアイコンが並んだウィンドウ。

 アイコンには『モンスターと戦う』というベーシックな指示から、『周囲の採取可能物を収集する』、『敵のアイテムを盗む』なんてモノまで存在しており、中には自分が考えた通りの動きをさせる為の空白のアイコンなんてモノもある。

 但し、『配下の知能が低い場合は指示を理解出来ない可能性が御座います!』という注意書きも添えられていたが。

……中々沼だね、これも。

 やろうと思えば、それこそ思った通りの動かし方を出来るだろう。

 だが私が配下に求めているのは自由に活動する駒ではない。

 主に私の戦闘支援が目的であり、そこに精度の高さは必要無いのだ。そもそも、産まれたばかりの反応を見るに……そこまで知能は高くなさそうだし。


「よし、設定完了。早速……ってやる前に、【主従共有】の方も見ておこう。流石に同じ失敗は繰り返さないよ私は。さっきしたけどさ」


 スキルの共有も事前に、という話だった場合は私のHPが無駄になるのだ。

 今はほぼマイルームの様に使っている元ボス部屋の中に居るから別に良いが、これが戦闘中や探索中だったら……目も当てられなかっただろう。

 試しに【配下指示】の様に選択してみれば、思った通りこちらも事前に選択するタイプだったようで。

 スキルレベルもあってか、私の持つスキルの中から1つだけを選んで配下に共有する事が出来るらしい。


「まぁ一旦ここは【バフチェイン】かな。スキルレベル上げたらもっと別の……それこそ【捕食】なんかを入れとこう」


 と言う事で。

 改めて配下を産む……前に。【バフチェイン】が共有されているかを確かめやすいように、遺跡の中を徘徊していたゴブリンを1匹捕まえてきてから、【多産】を発動してみれば。


「……ぁー」

「……よし、襲ってこないね。ではイタダキマス」

「ゲヒャ?!」


 ゴブリンの首を掴んでいた手に口を生成し、そのまま食べてみれば……私の身体が淡く光ると同時、産まれたばかりの配下の身体も淡く光ったのが目に見えた。

 ひとまずは私の考えた通りにスキルの共有が機能している様で安心だ。

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