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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第2章 出会いと始まり編

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Episode1 - ダンジョン経営スタート……?

2章開始


 マーテル戦から数日。

 私は以前マーテルが居た部屋の中で、複数のウィンドウを手元に表示させながら眉をしかめていた。


「んん~……結構難しいな、バランス」


 ダンジョン支配権を得た後。

 この遺跡……元『悪鬼の胎巣』は私が様々な要素を弄る事で自由に生態系を変える事が可能となっていた。

 弄れる項目は様々だ。元々このダンジョンが存在する湿地から離れすぎない程度の温度、湿度などから始まり、ダンジョン内にスポーンするモンスターの種類、モンスター達が共食いをするかどうかなど、これ1つでゲームが作れそうなボリュームが実装されている。

 だが、それらを好き勝手に弄ってしまうと……様々な不具合も生じてしまうのだ。

 例えば、


「モンスターが共食いする設定、私にも襲い掛かってくるの中々だよねぇ。こっちとしては食糧を探しに行く手間が省けるから良いんだけどさ」


 そう、ダンジョンの支配権を得られるのはモンスターアバターである必要があるのにも関わらず、共食いの設定を行うとプレイヤーまでもが対象として設定されてしまう。

 恐らくは侵入者……ダンジョンを攻略しに来るモンスターアバターのプレイヤーを攻撃させる為の仕様なのだろうが、支配者側を対象から外す設定が無いのが問題だった。

 まぁ、流石に既に運営には報告しているのだが。

……私の要素をスポーンするモンスターに付与、ってのもあったからやってみたけど……これ飢えて死んでってるよねぇ。

 他にも、自分のアバターの要素を付与してみた結果……下位種であろう屍人喰いがスポーンするようになったものの。

 私の様に雑食ではなく、設定通り人の死体しか食べない所為か共食いすら発生せず飢え死にを繰り返す始末。


「……あれ?もしかして襲ってきたのって私が見た目人だから?……いやいや、流石に襲うかどうかは内部のシステムで識別してるでしょ……」


 嫌な方向の気付きを得てしまった気がしたが頭を振って無かった事にして。

 ダンジョン経営の方に思考を戻す事にした。


「兎も角!これを安定させるんだったら……結構必要なモノがあるわけだ!」


 当然、私の様に経営が上手くいかないプレイヤー向けの救済措置も存在している。

 その中の1つ。特定のアイテムを使う事でダンジョン内にスポーンするモンスターを、攻略前の状態……私のダンジョンで言うならば、屍人喰いからゴブリンに戻す事が出来る、というシステムを使う事にした。

 正直、ゴブリンはマーテルが産んでいたイメージが強い為、自然にスポーンした訳ではないのでは?と考えたものの……まぁ良いのだろう。恐らくここに細かい事を考える必要はないと思われる。

……で、必要なのが……ゴブリンのドロップ品ってワケだ。使わないからって食べなくて良かったよ本当。

 必要なアイテムは、約50体分のゴブリンのドロップ品。

 当然ながら、私は生産系のコンテンツに手を出している訳でも、冒険者らしくドロップ品を売ったり出来る環境でもない為、しっかりと余っている不必要品だ。

 ウィンドウを操作し、アイテムを使用するかどうかの確認を軽く指でタッチする事で承認すると、


「おぉ、光った」


 今私が居る部屋全体……だけでなく。遺跡全体が薄っすらと一度光り、やがて元に戻る。

 手元のウィンドウにはスポーンするモンスターの切り替えが完了した旨を伝える文章が表示されているが、実際に確かめてみなければこの辺りは分からないだろう。

 私は鉄の扉から部屋の外をゆっくりと覗いてみる。すると、だ。

……お、居るね。それもご丁寧に屍人喰いの死体を食べてくれてる。

 そこには2体のゴブリンが既にスポーンしていた。

 飢え死にしたであろう屍人喰いを早速喰らい、ある程度腹を満たした後そのまま遺跡の中へと消えていく。


「うん、これで問題はない……かなぁ?正直、最初の目的は達成してない様な気がするけど」


 本当は家畜として牛なんかをベースにしたモンスターでも作れたらいいなぁと思って始めたのだが……そこに辿り着くまではかなりの道のりを超えねばならない様だ。

 もしかしたら牛などよりも先に、私の要素を元に人間牧場の様なモノを作った方が早いかもしれないと思う程度には。

 モンスターアバターでの要素だからかもしれないが、一定周期的な感覚で倫理観がお亡くなりになるゲームだな、と少しばかり呆れてしまう。


「で、次……なのだけれど」


 私は残っているウィンドウへと視線を向ける。

 そこに書かれているのは……スキルの新規獲得についての話だった。


「マーテル戦のMVPになったから、報酬で新スキルが獲得出来る。これは良い」


 マーテル戦の後、バストと少し話してから確認した内容と相違ない。

 だが、あの時と明確に変わった事が1つ存在している。それは、


「獲得可能スキルの中にマーテルが持ってたかもしれないスキルがあるってのはちょっと話が変わってくるよねぇ……」


 獲得可能なスキルの一覧を眺めていたら分かった事だ。

 以前、【捕食】を獲得した時には見かけなかった【多産】、【ダメージ転移】という……絶妙にマーテルを思い出すスキルが追加されているのだ。当然ながら、人喰いになった影響で表示されたと考えるには……ちょっと無理がある。

 色々と獲得したいスキルには候補があるのだ。

 【筋力増加】の様に私のスペック自体を底上げする系統のスキルに始まり、【捕食】や単純な手数の増加に繋がる腕を増やせるスキル【多腕】。自然物の中から武器を作り出す事が出来る【武器生成:自然】など、考えれば考える程に今の私に欲しいものが多い。

 そんな中で、マーテルの持っていたかもしれないスキルの登場だ。


「どうしよっかなぁ……マジで」


 悩み、悩み抜いて……私は選択した。

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