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人を喰らう、味方も喰らう。両方やらなくちゃならないのが屍人喰いの辛いところだね  作者: 柿の種
第11章 サバイバルイベント前編

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Episode9 - 割り振られた結果


 という事で……私が割り振られたのは、何と食糧班。

 探索班ではない理由は単純。私が全くと言って良い程に探索系スキルを持っていないからだ。

 一応種族的な感知手段や、【地獄耳】による音での索敵なんかは行えるがそれにしたって対敵対存在に特化しており、戦闘があると言っても探索には向かないという判断をロートにされてしまった。

 だからこそ、とりあえずは砂浜の方で他の食糧班のメンバー達に合流した……のだが。


「……つい最近見た顔が居るなぁ」

「むん?……おぉ!」


 何処から取り出したのか、防具は初期服でありながら片手に刀を持ち。

 ほぼ外国人にしか見えない女性……レストート戦にて途中から乱入し、修羅と化したサムライがそこに居た。


「お主はこの前居た!また一緒になったでゴザルな!」

「おぉう元気ィ。うん、よろしくね?……えぇーと、名前は?」

「拙者はセツナ、よろしく頼むでゴザル!」

「うんうんセツナちゃんね。私はイヴ、よろしくね」


 ちなみに、KFOでは常時運営AIが多言語翻訳をしている為、内部で言語によるコミュニケーションエラーが起きないようにはなっている。なっているが……恐らく、彼女の口調や語尾は翻訳に依るものではないだろう。

 そもそもこのゲームのAIがそこまで変な対応をするとは……ちょっと思えない。


「で、セツナちゃんは何やってんの?」


 と、ここで気になっていた事を彼女に聞いてみる。

 食糧班がやっている事は主に2つ。海にて素潜りや適当な道具を使って作った道具での釣り。

 もしくは、森に入らずに出来るだけ食べられるモノが無いかと探すだけ。言ってしまえば、今はほぼやる事がない戦闘組を集めただけの状態だ。

 そんな中でも、セツナはと言えば……素振りをしながら海ではなく森の方へと厳しい視線を向けていた。


「うむ。何やら殺気の様なモノを感じたのでなゴザル」

「殺気の様なモノ。……あ、スキルで?」

「うむうむ。拙者、【殺気感知】を持っているのでゴザルがな?漠然とした周囲に放つ殺気にも反応してしまうのが難点なんでゴザルが……それにしても、ちょっと……森の方に向かった者達ではなく、こちらに居る拙者たちに向けて放たれているようでな」

「……へぇ?」


 少しだけ警戒はすべきだろう。

 とは言え、この場に居るのは戦闘系のプレイヤーのみ。それこそワールドボスクラスが来ない限りは対応出来る……筈だ。


「では、拙者は鍛錬に戻るとしよう」

「うん、ありがと。邪魔しちゃってごめんね」

「いやいや、良い休憩だったでゴザル」


 手を振ってセツナと別れ、私は一応得た情報を会議メンバーへと共有する。

 すると、だ。


「あ、いたいた。おーいイヴ」

「ロートちゃん。どしたの?探索班じゃなかったっけ?」

「私はスキル的に森の中まで入らずにルート選定役。まぁそれは今は良くて……なんだっけ?殺気?」

「あぁうん、その話ね」


 探索班として色々と情報をまとめていたであろうロートが話しかけてきた。

 彼女は彼女でどこから調達したのか分からないが、手に不格好な木製の煙管を持ち白い煙を周囲に漂わせている。恐らくは最低限スキルを使える様に作ったのだろう。

 時折、白い煙が鳥の様な形になりながら森の方へと飛んでいくのを見ながらも、


「どう?イヴ的にはその……セツナちゃん?の話を聞いてどう?すぐに攻めてくると思う?多分襲撃イベントでしょ?」

「んー……正直そこまで早くは来ないとは思う。来るとしても初日の今日は無い」

「その心は?」

「単純に、プレイヤー達の準備が整ってないから。多分明日以降が本番でしょ。今日は最低限の準備を整えさせる為に多分色々絞ってると思う」

「ふむ……」


 森の中にしか居ない敵対存在。そしてそのモノ達も、森の中でないと襲ってこない。それだけで少しだけおかしいのは理解出来てしまうのだ。

 幾ら初心者も参加出来るイベントだとしても、この世界はそこまで甘い世界ではないのは良く知っている。運営には悪いが、変に触れたらとんでもない厄ネタが飛び出してくる事すら考えられるのがKFOというゲームだ。

 故に、今の状況は作られたモノである可能性が非常に高い。

……ハエトリグサ達が森の中に餌が居ないのに外に出てこない。十分おかしいよねー。

 もしくは、私の考え過ぎで……ハエトリグサ達の餌になる何かが森の中に居るかもしれないが……それはそれでちょっと話が変わってくる。

 私とフレデリカの感知、索敵に一切引っ掛からなかったという事なのだから。


「だから、多分だけど……殺気に関しては『明日以降狙うから覚悟しとけよ』くらいの脅しだと思う。少なくとも現状は」

「まぁイヴがそう言うなら今は良いか……あ、それと」

「ん?」

「何も食べなくて大丈夫?まだ私達と合流した範囲だと何も食べてないみたいだけど」


 一瞬の沈黙。


「うん、大丈夫大丈夫。そりゃ私だって無人島サバイバルなんだから食べてばっかりじゃダメな事くらい理解してるさ!時と場合を選んで暴飲暴食!それだから良いんじゃん!」

「そう?ならいいけど」


 実際は【暴食】によって付与される『飢餓』の事を考えた上での絶食ではあるのだが……正直、もうそろそろキツいものがあるのも事実。

 何がまずいって、さっきから食糧班のプレイヤーや建築班のプレイヤーを見る度に涎が止まらないのだ。

 それに気が付かれているのか、何人かからは少し警戒された様子で一定以上の距離に近付かない様にされているのも少しキツイ。

……ぁー……襲ってくるなら早めにしてくれないかなぁ……。

 恐らく、戦闘要素関係なく今この瞬間にも敵が来てくれと願っているのは……参加者の中でも私1人だけだろう。

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― 新着の感想 ―
 そういえばシステム的な頭上ネーム表示とか無くて、アナウンスとかで紹介されない限り共闘者も敵対者も名前がわからないのねこのゲーム。他の正規ルートだとゲーム内資料を閲覧する、鑑定スキル持ちに限って看破で…
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