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青龍。
はな。
六合。
三柱の力を完全に制御できるようになった葵。
晴明は満足そうに頷いた。
「うん。」
「かなり安定してきたね。」
葵は地面へ座り込む。
「かなりって……。」
「俺、何回死にかけたと思ってるんだよ……。」
青龍は楽しそうに笑う。
「でもちゃんと生きてますよ?」
「結果論だろ!」
「えへへ♪」
全く悪びれない青龍に、葵はため息を吐いた。
そんな様子を見ながら、晴明はふと思い出したように呟く。
「あ。」
「そういえば。」
「朱雀の封印もまだだったね。」
葵は首を傾げる。
「朱雀?」
「一度会ったよね。」
「あの元気すぎる奴か。」
その瞬間。
「誰が元気すぎる奴ですかー!」
勢いよく声が響いた。
振り返ると。
赤い髪を揺らした女性が立っていた。
「酷くない!?」
「久しぶりに会った第一声がそれ!?」
葵は苦笑する。
「いや、間違ってないだろ。」
「もう!」
朱雀は頬を膨らませる。
その様子に、周囲から笑いが漏れた。
◇ ◇ ◇
晴明が朱雀へ向き直る。
「朱雀。」
「葵もかなり成長したから。」
「そろそろ君の封印も解いていいと思うんだ。」
朱雀は葵を見る。
そして嬉しそうに笑った。
「本当に?」
「前に会った時とは全然違うもんね。」
「ちゃんと頑張ったんだ。」
葵は少し照れながら笑う。
「まぁな。」
「かなり厳しい修行だったけど。」
青龍が手を挙げる。
「楽しかったですよ♪」
「青龍の場合だけな!」
「ひどいです!」
朱雀は楽しそうに笑う。
「でも。」
「葵なら大丈夫そう。」
「私の力も預けるね。」
「無理はしないでね?」
「分かってる。」
「……多分。」
「多分なんだ。」
朱雀が苦笑する。
◇ ◇ ◇
朱雀の封印解除。
炎。
生命力。
再生。
精神力。
朱雀の力は、青龍達とは違った。
燃え上がる炎。
だが、それは破壊する炎ではない。
仲間を守るための温かな炎。
「熱い……。」
「でも。」
「不思議と苦しくないな。」
朱雀は嬉しそうに笑う。
「そうそう!」
「力ってね。」
「無理やり押さえ込むものじゃなくて、仲良くなるものなんだよ!」
その言葉通り。
葵は少しずつ炎の力を受け入れていく。
数日後。
葵は朱雀の力も完全に制御できるようになった。
青龍。
朱雀。
六合。
そして、はな。
全ての力を扱える。
晴明は静かに頷いた。
「これでかなり戦えるようになったね。」
葵は自分の手を見る。
「……本当に。」
「強くなったんだな。」
◇ ◇ ◇
その頃。
クロードの調整も終わりを迎えていた。
レインが説明する。
「クロードの魂の調律は完了したよ。」
「ただ。」
「眠っていた力が大きすぎる。」
「今の身体と魂に馴染ませる時間が必要なんだ。」
クロードは頷く。
「なるほど。」
「力を取り戻したから、すぐ全力で戦えるわけではないんですね。」
「そういうこと。」
「急に解放すると、力に身体が引っ張られる可能性がある。」
「だから少しずつ慣らしていく必要がある。」
晴明が笑う。
「まずは葵と軽く手合わせしてみるといいよ。」
◇ ◇ ◇
その間。
セレナも六合との修行で大きく成長していた。
魔力量。
魔法精度。
戦闘判断。
全てが以前とは比べ物にならない。
「もう私も。」
「みんなの足を引っ張りません。」
六合は静かに頷く。
「十分成長している。」
セレナは嬉しそうに笑った。
◇ ◇ ◇
そして。
クロードと葵が向かい合う。
葵は少し自信を持っていた。
「正直。」
「今なら結構いい勝負できると思うぞ。」
青龍が笑う。
「葵、調子に乗ってますね♪」
「いや、だって!」
「俺、かなり強くなっただろ!」
クロードは苦笑する。
「そうだな。」
「楽しみにしている。」
開始。
葵が踏み込む。
凄まじい速度。
以前とは比較にならない。
しかし。
クロードは軽く動いただけだった。
避ける。
受け流す。
そして軽く手を添える。
ドンッ!!
葵の身体が吹き飛ぶ。
「……え?」
クロード自身も驚いていた。
「今の……。」
「俺がやったのか?」
まだ全力ではない。
本当に軽い動き。
それでも。
葵は立ち上がる。
「もう一回。」
その後。
葵はほぼ全力。
クロードは力を抑えながら対応する。
◇ ◇ ◇
数十分後。
「はぁ……。」
肩で息をする葵。
その横で。
クロードは平然としていた。
「……。」
「少し感覚を掴めた気がする。」
葵は呆然とする。
「俺……。」
「かなり強くなったはずなんだけどな。」
クロードは自分の手を見る。
「俺の中に。」
「こんな力が眠っていたんだな。」
驚くクロード。
そして。
少しだけ悔しそうな葵。
「……鼻を折られた気分だ。」
その一言に。
青龍が吹き出す。
朱雀も笑う。
セレナも笑顔になる。
六合も小さく笑った。
久しぶりに。
修行場には明るい笑い声が響いた。




