↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救った英雄は平穏を望んだ。だけど転生した俺は強くなりたい  作者: sai


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/91

84

青龍。


はな。


六合。


三柱の力を完全に制御できるようになった葵。


晴明は満足そうに頷いた。


「うん。」


「かなり安定してきたね。」


葵は地面へ座り込む。


「かなりって……。」


「俺、何回死にかけたと思ってるんだよ……。」


青龍は楽しそうに笑う。


「でもちゃんと生きてますよ?」


「結果論だろ!」


「えへへ♪」


全く悪びれない青龍に、葵はため息を吐いた。


そんな様子を見ながら、晴明はふと思い出したように呟く。


「あ。」


「そういえば。」


「朱雀の封印もまだだったね。」


葵は首を傾げる。


「朱雀?」


「一度会ったよね。」


「あの元気すぎる奴か。」


その瞬間。


「誰が元気すぎる奴ですかー!」


勢いよく声が響いた。


振り返ると。


赤い髪を揺らした女性が立っていた。


「酷くない!?」


「久しぶりに会った第一声がそれ!?」


葵は苦笑する。


「いや、間違ってないだろ。」


「もう!」


朱雀は頬を膨らませる。


その様子に、周囲から笑いが漏れた。


◇ ◇ ◇


晴明が朱雀へ向き直る。


「朱雀。」


「葵もかなり成長したから。」


「そろそろ君の封印も解いていいと思うんだ。」


朱雀は葵を見る。


そして嬉しそうに笑った。


「本当に?」


「前に会った時とは全然違うもんね。」


「ちゃんと頑張ったんだ。」


葵は少し照れながら笑う。


「まぁな。」


「かなり厳しい修行だったけど。」


青龍が手を挙げる。


「楽しかったですよ♪」


「青龍の場合だけな!」


「ひどいです!」


朱雀は楽しそうに笑う。


「でも。」


「葵なら大丈夫そう。」


「私の力も預けるね。」


「無理はしないでね?」


「分かってる。」


「……多分。」


「多分なんだ。」


朱雀が苦笑する。


◇ ◇ ◇


朱雀の封印解除。


炎。


生命力。


再生。


精神力。


朱雀の力は、青龍達とは違った。


燃え上がる炎。


だが、それは破壊する炎ではない。


仲間を守るための温かな炎。


「熱い……。」


「でも。」


「不思議と苦しくないな。」


朱雀は嬉しそうに笑う。


「そうそう!」


「力ってね。」


「無理やり押さえ込むものじゃなくて、仲良くなるものなんだよ!」


その言葉通り。


葵は少しずつ炎の力を受け入れていく。


数日後。


葵は朱雀の力も完全に制御できるようになった。


青龍。


朱雀。


六合。


そして、はな。


全ての力を扱える。


晴明は静かに頷いた。


「これでかなり戦えるようになったね。」


葵は自分の手を見る。


「……本当に。」


「強くなったんだな。」


◇ ◇ ◇


その頃。


クロードの調整も終わりを迎えていた。


レインが説明する。


「クロードの魂の調律は完了したよ。」


「ただ。」


「眠っていた力が大きすぎる。」


「今の身体と魂に馴染ませる時間が必要なんだ。」


クロードは頷く。


「なるほど。」


「力を取り戻したから、すぐ全力で戦えるわけではないんですね。」


「そういうこと。」


「急に解放すると、力に身体が引っ張られる可能性がある。」


「だから少しずつ慣らしていく必要がある。」


晴明が笑う。


「まずは葵と軽く手合わせしてみるといいよ。」


◇ ◇ ◇


その間。


セレナも六合との修行で大きく成長していた。


魔力量。


魔法精度。


戦闘判断。


全てが以前とは比べ物にならない。


「もう私も。」


「みんなの足を引っ張りません。」


六合は静かに頷く。


「十分成長している。」


セレナは嬉しそうに笑った。


◇ ◇ ◇


そして。


クロードと葵が向かい合う。


葵は少し自信を持っていた。


「正直。」


「今なら結構いい勝負できると思うぞ。」


青龍が笑う。


「葵、調子に乗ってますね♪」


「いや、だって!」


「俺、かなり強くなっただろ!」


クロードは苦笑する。


「そうだな。」


「楽しみにしている。」


開始。


葵が踏み込む。


凄まじい速度。


以前とは比較にならない。


しかし。


クロードは軽く動いただけだった。


避ける。


受け流す。


そして軽く手を添える。


ドンッ!!


葵の身体が吹き飛ぶ。


「……え?」


クロード自身も驚いていた。


「今の……。」


「俺がやったのか?」


まだ全力ではない。


本当に軽い動き。


それでも。


葵は立ち上がる。


「もう一回。」


その後。


葵はほぼ全力。


クロードは力を抑えながら対応する。


◇ ◇ ◇


数十分後。


「はぁ……。」


肩で息をする葵。


その横で。


クロードは平然としていた。


「……。」


「少し感覚を掴めた気がする。」


葵は呆然とする。


「俺……。」


「かなり強くなったはずなんだけどな。」


クロードは自分の手を見る。


「俺の中に。」


「こんな力が眠っていたんだな。」


驚くクロード。


そして。


少しだけ悔しそうな葵。


「……鼻を折られた気分だ。」


その一言に。


青龍が吹き出す。


朱雀も笑う。


セレナも笑顔になる。


六合も小さく笑った。


久しぶりに。


修行場には明るい笑い声が響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。