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冒険者  作者: sai


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8

「……じゃ、行きますか。」


俺は深呼吸を一つすると、水晶へそっと手をかざした。


『個体を確認。』


『生前情報を――』


ピッ。


『Error』


「え?」


水晶の光が激しく点滅する。


『Error』


『Error』


『警告。』


『対象者情報の照合に失敗。』


『管理権限を要請します。』


部屋全体が眩い光に包まれる。


無機質だった機械音声が途切れ、代わりに優しそうな女性の声が響いた。


「もう……本当に驚かせてくれるわね。」


光が集まり、一人の女性の姿を形作る。


長い銀髪に白い衣。


神々しい雰囲気を纏った女性は、困ったように笑った。


「はじめまして。」


「私は、この転生管理を担当している女神の一人よ。」


「女神……。」


「ええ。」


女神は小さく頷く。


「まず結論から言うわ。」


「あなたは死んでいない。」


「……はい?」


俺の思考が止まる。


「本来なら、あなたはここへ来ることはなかったの。」


「あなたが最後にいた場所は、地球では非常に珍しい『魔力だまり』だった。」


「そこへ、一瞬だけ別の場所で発生した超高エネルギーが空間を越えて流れ込んだの。」


「二つのエネルギーが衝突し、大爆発を起こした。」


「半径百メートルは跡形もなく消滅するほどの威力だったわ。」


俺は息を呑む。


「そんな……。」


「本来なら、あなたも消滅していた。」


「でも、あなたには守護霊がいた。」


「あなたの愛犬、はなちゃん。」


「!」


「あの子が、自分の霊体を盾にしてあなたを守ったの。」


胸が熱くなる。


「……はな。」


「ただし、その爆発は空間そのものを裂いてしまった。」


「あなたはその亀裂へ吸い込まれ、この場所へ迷い込んだの。」


俺は何とか状況を整理する。


「ちょっと待って。」


「その高エネルギーって、どこで発生したんですか?」


女神は少し言いづらそうに視線を逸らした。


「……さっきのおじいさん。」


「源三さん?」


「ええ。」


「八岐大蛇との戦闘で、最後の一撃を放った時に発生したエネルギーよ。」


「その衝撃が次元を越えて、たまたま地球の魔力だまりと繋がってしまったの。」


数秒、沈黙。


そして。


「じーーーーーーーさんっ!!」


思わず絶叫した。


「何してくれてんだよーーー!!」


「世界救うのはいいけど巻き込まないでくれよ!!」


女神は苦笑いを浮かべる。


「……本当にごめんなさい。」


「謝るのそこじゃない!」


「というか、本人もう異世界行っちゃったじゃん!」


「文句言えねぇ!」


俺はその場に膝をついた。


「うわぁぁぁ……。」


「俺、完全にとばっちりじゃねぇか……。」

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