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翌日。
十分に休息を取った葵達は、再びダンジョン攻略を開始した。
二十一階。
二十二階。
二十三階。
魔物の強さは少しずつ上がっていたが、葵達は危なげなく進んでいく。
連携も以前より遥かに良くなっていた。
そんな中。
青龍が少し申し訳なさそうに口を開く。
「葵様。」
「少しお願いがあるのですが。」
「ん?」
「最近、見守ることが多かったので。」
「あまり戦わないと鈍ってしまいます。」
「少しだけ戦わせていただいてもよろしいでしょうか。」
葵は笑って頷いた。
「もちろん。」
「ただ、暴れ過ぎるなよ?」
「お任せください。」
そう答えた青龍は、どこか嬉しそうだった。
「では。」
「少し本気で。」
その瞬間。
凄まじい冷気が周囲へ広がる。
「凍てつけ。」
青白い魔力が一気に放たれた。
ゴォォォォォッ!!
冷気がダンジョン中を駆け抜ける。
目の前の魔物は一瞬で氷像となり砕け散った。
しかし。
それだけでは終わらない。
床。
壁。
天井。
見渡す限り全てが氷に覆われていく。
数秒後。
辺り一帯は巨大な氷の世界へと変わっていた。
「…………。」
「…………。」
「…………。」
葵は静かに辺りを見渡す。
「……進めなくね?」
通路は完全に氷で塞がれていた。
青龍は固まる。
「…………。」
「やってしまいました。」
白虎が呆れたようにため息をついた。
「私の前で氷系統の技を使い。」
「しかも制御を誤るとは。」
「実に青龍らしいですね。」
青龍は悔しそうに唇を噛む。
「ぐっ……。」
言い返したい。
だが。
事実だけに反論できない。
その様子を見ていた葵が首を傾げる。
「そういえば。」
「白虎も最初、雷を出して失敗してなかった?」
「……!」
白虎の肩がピクリと震えた。
「そ、それは……。」
「昔の話です。」
少し焦りながら誤魔化そうとする。
その反応を見た青龍がニヤリと笑う。
「へぇ~?」
「簡単な雷を出すだけなのに失敗していたのですか?」
「だっさー。」
「青龍!」
白虎が真っ赤になる。
葵だけが状況を理解できない。
「?」
「何で氷が得意なのに雷なんだ?」
六合が苦笑しながら説明する。
「昔からなのです。」
「青龍と白虎は、何故かお互いの得意な属性を使いたがるのです。」
「本来であれば。」
「白虎が得意なのは氷。」
「青龍が得意なのは雷でございます。」
「え?」
葵は二人を見る。
「じゃあ。」
「わざわざ逆を練習してたの?」
六合は頷く。
「はい。」
「昔から、お互い負けず嫌いでしたので。」
葵は思わず笑った。
「何それ。」
「昔から仲良かったんだね。」
その瞬間。
「「良くありません。」」
二人が声を揃えて否定した。
「仲など良くありません!」
「誰がこんな人と!」
さらに睨み合う二人。
葵は笑いながら肩をすくめる。
「いやいや。」
「息ぴったりじゃん。」
二人は同時に葵を見る。
そして。
「ふん!」
「ふん!」
揃って反対方向を向いた。
その姿を見て、セレナは思わず笑いを堪える。
クロードも口元を押さえながら肩を震わせていた。
六合とはなは苦笑する。
「……昔から変わりませんね。」
葵は氷に覆われた通路を見る。
「とりあえず。」
「今は進めないし。」
「ちょっと休憩しようか。」
全員が苦笑しながら頷いた。




