48
翌日。
俺達は十階の転移石から探索を再開した。
今回はクロード、はな、セレナに加え、青龍と六合も同行している。
「それじゃ、行こうか。」
「はい。」
「了解。」
クロードに教わりながら探索は順調に進み、気付けば二十階層のボス部屋前へ到着していた。
「ここで昼食にしましょう。」
クロードの提案に全員が腰を下ろす。
昼食を食べ始めると、猫姿の青龍が俺の膝へ飛び乗ってきた。
「ご主人様。」
「ぶどう食べたい。」
「ぶどう?」
「持ってないよ。」
「俺も久々に食べたいな。」
その言葉に、青龍は不思議そうに首を傾げた。
「え?」
「ご主人様の倉庫には果実園を作ってましたよね?」
「ぶどうなんて山ほどあるじゃない。」
「あー……。」
俺は苦笑しながら、はなの方を見る。
はながため息をついた。
「ご主人様は現在、封印状態です。」
「そのため、前世のご主人様が作られた次元倉庫へ接続できません。」
「ですよね……。」
青龍は肩を落とした。
その時だった。
「あ。」
はなが何かを思い出したように六合を見る。
「そういえば……。」
「次元倉庫への接続権限は、六合の管理する封印にも含まれていましたよね?」
六合は静かに頷く。
「はい。」
「私が管理している封印を解放すれば、次元倉庫への接続は可能になります。」
「本当!?」
思わず立ち上がる。
「ついにアイテムボックス!」
嬉しさのあまり拳を握る俺。
しかし、はなと六合は顔を見合わせた。
「ですが、そのまま解放するのは危険です。」
六合が真剣な表情で言う。
「次元倉庫の中には、前世のご主人様が集められた神器や危険な魔道具、禁術に関する品なども保管されています。」
「今のご主人様では扱えない物も数多くあります。」
「下手をすれば、触れただけで命に関わる物もございます。」
「ですよね。」
はなも頷く。
「前世のご主人様も、そのような事態は想定されていました。」
「そのため、ご主人様自身が安全装置を作られております。」
「安全装置?」
「はい。」
六合が説明を続ける。
「次元倉庫は用途ごとに区画が分けられています。」
「果実園や食料庫、日用品、素材庫。」
「武器庫。」
「神器庫。」
「禁術庫。」
「それぞれ独立した封印で管理されています。」
「ですので、今回は果実園や日用品など、安全な区画だけを解放することが可能です。」
「危険な区画は、私の許可が無ければ開くことはできません。」
「また、中の物を取り出す際も私が確認いたします。」
「危険と判断した物は、お渡しできません。」
俺は少し残念そうな顔をしたあと、すぐに笑った。
「いや、それなら十分だ!」
「果物食べ放題!」
「アイテムボックスも使える!」
「最高じゃん!」
その様子を見て、
青龍は「やっとぶどうが食べられる!」と尻尾を振り、
六合とはなは苦笑しながら顔を見合わせた。




