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「……と言うか。」
はなが青龍を見る。
「何故、猫なのですか?」
「え?」
青龍は首を傾げる。
「ご主人様は動物が好きでしょ?」
「そこの駄犬が犬なんだから、私は猫!」
「別に深い理由なんてないわ!」
「どうでもいいから、変わりなさいよ。」
「嫌です。」
はなが即答する。
「ご主人様のお側は譲りません。」
「むぅ……。」
頬を膨らませる青龍。
そのやり取りを見ていた俺は、ふと気になった。
「そう言えばさ。」
「皆、本当の姿ってどんな姿なの?」
その質問に三人が反応する。
「私は青龍ですから、本来は龍の姿です。」
青龍が胸を張る。
「私は麒麟です。」
六合は穏やかに微笑む。
最後にはなが口を開いた。
「私は白虎です。」
「昔は人型で過ごすことが多く、ご主人様のお世話もその姿で行っておりました。」
「へぇ……。」
「じゃあ、その姿も見てみたい!」
はなが部屋を見回す。
「白虎の姿になりますと、この部屋では少々狭すぎます。」
「人型でしたら、お見せできますが。」
「私も人型でいいわ!」
青龍が勢いよく前へ出る。
「どうせなら、ご主人様に久しぶりに見てもらいたいし!」
次の瞬間。
二人の身体が柔らかな光に包まれる。
先に光が収まったのは、はなだった。
そこに立っていたのは、腰まで届く白銀の髪を揺らす、一人の女性。
凛とした雰囲気を纏いながらも、その表情はどこまでも優しい。
白を基調とした和装に身を包み、その立ち姿は、まるで一枚の絵画のようだった。
「改めまして、ご主人様。」
「こちらが人型の私です。」
続いて隣の光も弾ける。
現れたのは、長い青髪を後ろで束ねた少女。
勝気そうな瞳を輝かせ、自信満々に胸を張る。
動きやすそうな中華風の装いに身を包み、活発な雰囲気が全身から溢れていた。
「ふふん!」
「どう? びっくりした?」
俺は二人を見比べる。
「……。」
「……。」
「綺麗。」
思わず本音が漏れた。
次の瞬間だった。
「やったー!」
「ご主人様ー!」
青龍が勢いよく飛び付き、そのまま抱きついてくる。
「ご主人様。」
少し遅れて、はなも優しく抱きついた。
「お、おぉ!?」
突然の出来事に身体が固まる。
左右から抱きつかれ、思わず六合を見る。
六合は微笑みながら、
「お二人とも、ずっとこの日を楽しみにしていましたから。」
とだけ言った。
「いや……その……。」
「嬉しいんだけどさ。」
照れくさそうに頭を掻く。
「犬や猫の姿なら普通に撫でたり抱っこしたりできるんだけど……。」
「人の姿だと、ちょっと恥ずかしいというか……。」
その言葉に二人は顔を見合わせる。
「そ、そういうことなら……。」
青龍は名残惜しそうに離れ、
はなも「あっ……。」と小さく声を漏らし、一歩下がった。
「申し訳ありません、ご主人様。」
「つい嬉しくなってしまいました。」
「いや!」
「嫌だった訳じゃないから!」
慌てて否定すると、
二人は安心したように微笑んだ。
その様子を見て、
六合は小さく笑い、
セレナは「仲良しなんだね!」と嬉しそうに笑っていた。




