間話 天界のティータイム
美しく手入れされた庭園。
色鮮やかな花々が咲き誇り、小鳥のさえずりが響く。
庭の中央では、三人の女神がお茶を楽しんでいた。
「今の力……。」
「絶対アイツだ!」
燃えるような赤いショートヘアの女神――フレイヤが勢いよく立ち上がる。
その声に向かい側へ座る銀髪の女神――ルナがティーカップを置いた。
「あら。」
「思ったより早かったわね。」
「もう少しゆっくりすると思ってたんだけど。」
フレイヤは机を叩く。
「お前!」
「知ってたのかよ!」
ルナは困ったように笑った。
「ほら。」
「前に八岐大蛇の封印が少し緩んだ時、応援をお願いしたでしょう?」
「あの時よ。」
「偶然、彼が巻き込まれたの。」
「私もシステムエラーで現場へ行ったら……そこにいたの。」
「その後すぐ確認したんだけど。」
「見事なくらい情報が隠されてたわ。」
「私でも全部は閲覧できなかったもの。」
「偽装も完璧。」
「本当に偶然だったのよ。」
フレイヤは腕を組む。
「でもさぁ。」
「ルナの担当って、本来は使徒とか選定された人間が記憶を持ったまま転生する部署だろ?」
「しかも今回はアイツ絡み。」
「偶然にしては出来過ぎなんだよなぁ。」
「何か……意図を感じるっていうか。」
ルナも少し考え込む。
「それは……私も否定できないわね。」
その時だった。
ずっとニコニコしながら紅茶を飲んでいた、水色の長い髪の女神が静かに口を開いた。
「そんなことは~~。」
「どうでもいいのですよ~~。」
二人が固まる。
「まずですね~~。」
「ルナちゃんは~~。」
「わたしが~~。」
「ずーーーっと~~。」
「ゼノスを探していたことを知っていたのに~~。」
「どうして~~。」
「教えてくれなかったのですか~~?」
にこっ。
満面の笑み。
その瞬間。
ゴゴゴゴゴ……。
天界全体が揺れ始めた。
空間そのものが軋み。
遠くで神々の悲鳴が聞こえてくる。
「あーーっ!!」
「ちょっ!」
「ミレイ!」
「落ち着いて!」
フレイヤが慌てて抱きつく。
ルナも必死に宥める。
「ごめん!」
「本当に偶然だったの!」
「隠してたわけじゃないから!」
しかし。
水色の髪の女神――ミレイは、笑顔のまま。
「それなら~~。」
「これからは~~。」
「三人で~~。」
「管理を分担しましょう~~。」
「そうすれば~~。」
「ゼノスに会いに行く時間も作れますよね~~?」
「ね~~?」
笑顔なのに。
誰も逆らえない。
フレイヤは真っ先に白旗を上げた。
「分かった!」
「分かったから!」
「揺らすな!」
ルナも苦笑しながら頷く。
「ええ。」
「そうしましょう。」
「約束するわ。」
その言葉を聞くと。
天界の揺れは、まるで嘘だったかのように止まった。
ミレイは満足そうに微笑む。
「うふふ~~。」
「待っててくださいね~~。」
「ゼノス♪」
――その頃。
眠っている葵は、何故か突然ブルッと身震いした。
すいません。ちょっと忙しくてペース落ちてます。
どうか評価とブックマークで私にやる気を下さいませ。




