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封印した最強の前世が、普通に生きたい俺を放っておいてくれない  作者: sai


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数日後。


俺たちは街道を進み、目的地へと辿り着いた。


「見えてきました。」


クロードが前方を指差す。


視線の先には、高い城壁に囲まれた町が広がっていた。


門の前には荷馬車が列を作り、多くの冒険者や商人が行き交っている。


「おぉ……。」


思わず声が漏れた。


ガルドの町よりも一回り、いや二回りは大きい。


「ここが……。」


「リーベルの町です。」


クロードが静かに答える。


「王都へ向かう街道の中継地でもあり、多くの冒険者が立ち寄る町ですよ。」


「なるほど。」


俺は辺りを見回す。


武器屋。


防具屋。


露店。


宿屋。


どこも活気に満ち溢れている。


「異世界って感じだなぁ。」


思わず笑みがこぼれた。


◇ ◇ ◇


三人はそのまま冒険者ギルドへ向かった。


受付で依頼達成を報告する。


「確認いたします。」


受付嬢は依頼書とギルドカードを確認した後、カウンターへ魔物素材を並べた。


「コボルト三体。」


「ウルフ二体。」


「状態も良好ですね。」


一つ一つ確認しながら頷いていく。


「依頼報酬に加え、素材の買取金額はこちらになります。」


そう言って革袋を差し出してきた。


俺は中を覗き込む。


「結構ある……。」


「思ったより貰えるな。」


「魔物素材も立派な収入源ですから。」


クロードが静かに説明する。


「なるほど。」


「倒すだけじゃなくて、ちゃんと金になるんだな。」


異世界って意外と合理的だ。


受付嬢は再び資料へ目を落とす。


「葵様。」


「はい?」


「おめでとうございます。」


「これまでの依頼達成数、討伐実績が規定に達しました。」


「本日より、Eランクへ昇格となります。」


「……え?」


一瞬理解が追いつかない。


「昇格?」


「はい。」


受付嬢は笑顔で頷いた。


「おめでとうございます。」


「やったぁ!」


思わず拳を握る。


「Eランクだ!」


「一歩前進ですね。」


クロードが微笑む。


「おめでとうございます。」


「ありがとうございます!」


受付嬢は新しいギルドカードを差し出した。


「こちらが更新後のカードになります。」


俺は嬉しそうに受け取った。


まだEランク。


それでも、異世界で少しだけ認められた気がして嬉しかった。


その時だった。


「クロード。」


低くよく通る声がギルド内へ響く。


振り向くと、大柄な男がこちらへ歩いてきた。


筋骨隆々の体格。


鋭い目付き。


それでいて威圧感よりも頼もしさを感じさせる人物だった。


「ギルドマスター。」


クロードが軽く頭を下げる。


「久しぶりだな。」


「丁度いいところへ来た。」


ギルドマスターは俺とはなを一瞥する。


「そっちが例の新人か。」


「はい。」


クロードが答える。


「現在、指導を兼ねて同行しております。」


「そうか。」


ギルドマスターは腕を組む。


「実は少し厄介な依頼が入っていてな。」


「森でベア種の魔物が暴れている。」


「クロード、お前に討伐を頼みたい。」


「承知しました。」


クロードは即答した。


すると少し考え、


「ギルドマスター。」


「一つお願いがあります。」


「何だ?」


「葵も同行させてもよろしいでしょうか。」


ギルドマスターの眉がわずかに動く。


「危険だぞ?」


「承知しております。」


「ですが、実戦経験を積ませたいのです。」


ギルドマスターは俺を見る。


「……ふむ。」


「パーティ登録は済んでいるか?」


「まだです。」


「なら先に登録しろ。」


「正式なパーティであれば同行を許可する。」


「ありがとうございます。」


クロードが頭を下げる。


受付嬢は手際よく書類を用意し、登録手続きを進めていく。


「これで登録完了です。」


「本日より、お三方は正式なパーティとなります。」


「……。」


俺はその言葉を聞いた瞬間、拳を握り締めた。


「パーティ結成!」


「異世界と言えばこれだよな!」


思わず一人でテンションが上がる。


クロードは少し不思議そうな表情を浮かべ、


はなは嬉しそうに微笑んでいた。

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