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昨日は宿へ戻ってからも、葵は魔力を感じ取る練習を続けていた。
「おぉ……!」
「なんとなく流れが分かる気がする!」
嬉しさのあまり夢中になり、時間を忘れて没頭する。
しかし。
「ご主人様。」
「今日はここまでです。」
「えぇー!」
「まだやれる!」
「駄目です。」
「魔力は精神力とも深く関わっています。」
「焦って使い続けると、集中力が切れ、魔力の制御も乱れます。」
「無理をしても効率は下がるだけです。」
はなは優しく微笑む。
「明日の朝、町の外で実際に魔法を試してみましょう。」
「実践の方がきっと楽しいですよ?」
「……確かに!」
葵は素直に頷き、その日は大人しく眠りについた。
◇ ◇ ◇
翌朝。
ガルドの町を出て、森の近くまでやって来た。
クロードは朝から指名依頼が入っており、今日は別行動だ。
「本当に大丈夫ですか?」
心配そうに振り返るクロード。
「はい!」
はなが胸を張る。
「今日は私がご主人様についています。」
「危険なことはさせません。」
その言葉を聞き、クロードは少し安心したように頷いた。
「それでは、夕方には戻ります。」
そう言い残し、町へ向かって歩いていく。
その姿を見送ると、はなが葵へ向き直った。
「それでは、ご主人様。」
「いよいよ魔法です。」
「待ってました!」
葵の目が輝く。
「まず覚えていただきたいのは、基本属性です。」
はなは前足で地面へ六つの印を描く。
「火。」
「水。」
「風。」
「土。」
「そして、光と闇。」
「これらが基本となる六属性です。」
「おぉ……。」
「異世界って感じだ。」
「さらに、属性同士を組み合わせることで性質が変化する場合があります。」
「例えば、火と風なら炎の勢いが増し、水と風なら霧を発生させることもできます。」
「組み合わせは術者の技量や発想次第です。」
葵は目を丸くする。
「そんなことまでできるのか。」
「はい。」
「そして、人にはそれぞれ適性があります。」
「すべての属性を平均的に扱える方もいれば、一つの属性だけ突出している方もいます。」
「逆に、ほとんど扱えない属性も存在します。」
「得意な属性は魔力効率が良く、威力や制御力も高くなる傾向があります。」
「不得意な属性は、多くの魔力を消費しても十分な効果を発揮できないことがあります。」
「なるほど。」
「剣と同じで向き不向きがあるってことか。」
「その通りです。」
はなは満足そうに頷く。
「魔法にもいくつか系統があります。」
「一般的な属性魔法。」
「契約を結ぶ際に使用する契約魔法。」
「契約した存在を呼び出す召喚魔法。」
「精霊と契約し、その力を借りて発動する精霊魔法。」
「ほかにも回復や結界、付与など特殊な魔法も存在しますが、それらはさらに専門的になります。」
「おぉぉ……。」
葵は興奮を隠せない。
「異世界ってやっぱり最高だ!」
はなは小さく笑う。
「それでは、ご主人様。」
「まずは一番基本となる魔力操作から始めましょう。」
「いよいよ、初めての魔法です。」




