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小箱-kobako-  作者: 枇榔
5/6

パズル

二匹の犬と暮らしてる、同棲カップルの日常の一コマ。

「ねぇねぇ。」

「ん?」

「そのへんに、パズル落ちてない?」

「え?」

「パーズール。一個足りないの。」

「んー、このへんにはないかなぁ。」

「ほんとー?あと一個はめたら完成なのに〜。」

「自分で踏んだりしてない?」

「えー?」

「ほらぁ。」

「え、えへ。」



/



「ねぇねぇ。」

「ん?」

「またパズルどっかにいったんだけど。」

「自分で踏んでない?」

「今度は踏んでない!」

「自分で持ってない?」

「持って…ないよ!!」

「おでこにくっつけてない?」

「えっ…?」

「くっついてるよ。」

「え、えぇ…?」



/



「ねぇねぇ。」

「パズルならこっちにはないよ。」

「んーん、ココア、そっちにいった?」

「いないよ。」

「じゃあスバルは?」

「あ、今俺んとこきた。」

「パズルくわえてない?」

「くわえて…ない、ねぇ。」

「首輪んとこは?」

「あ、はさまってる。」



/



「スーバールー…こりゃっ!」

「いや、スバルじゃないでしょ、あんたでしょ。」

「バレたか。」

「バレるよ。」

「一人でパズルしてんの、つまんないんだもん。」

「一緒にやりたいの?」

「う、うん…。」

「でももうあと一個はめたら完成なんでしょ?」

「うん。」

「早くはめちゃいなよ。」

「えー。」

「そしたら、もっかい初めから一緒にやろうよ。」

「え!?」



/



「あれ?」

「ねぇ。」

「あ、あれ?」

「いやこれ別のパズルのピースじゃね?」

「あ、あれ?」



/



「ほんっとあんたって、昔から同じようなもの買って、ごちゃ混ぜにしちゃうの得意だよねー。」

「うぐぅ…(本当のことだから何も言えない)。」

「で?どこにこのパズルのピースが混ざってるか、わかんないわけ?」

「うん…。」

「こんなに種類あるとこから、たった一個のパズルを探し出さなきゃいけないわけ?」

「う、うん…。」

「はぁ。やってらんね。」



/



「あったの?」

「ううん…。量が多すぎて、探すの諦めた。」

「だろうね。無理でしょ。」

「はぁ…。」

「だって俺が持ってるもん。」

「え!?」



/



「全然気づかないんだもんなぁ。」

「だって、そんなことするとは思わなかったもん。」

「たまには、イジワルしたくなっちゃうんだよなぁ。」

「ひどくない!?」

「ごめんて。ほら。」

「ありがとー。これで完成だぁ!」



/



「満足?」

「うん!久々の千ピース完成!嬉しい!!」

「あっ、ココアっ……!」

「あっ……。」



/



「コーコーアー…やってくれたなぁぁぁぁ!!」

「クラッシャーだからね、ココアは。」

「許すまじぃぃぃ…!!」

「それくらいにしてやんなよ。」

「悪気がなさそうな顔してる!!」

「悪気はないんだよ。」

「もー!ムカつくけど可愛すぎかぁぁぁぁ!!」



/



「あれ?」

「ん?」

「なんか、このピース、裏になんか書いてある。」

「え?」

「…え?」

「ん?どした?」

「…え?え?」

「え、しか言わないじゃん。」

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします…?」

「ん。」



/



「ほら、やるよ。」

「え?えへへぇ…。」

「何その笑い方。」

「んふふ。」

「やんないの?パズル。」

「んー?やるよ?んふふ。」

「にやけすぎ。」

日常に溶け込むように、突然のプロポーズも必然のように。

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