パズル
二匹の犬と暮らしてる、同棲カップルの日常の一コマ。
「ねぇねぇ。」
「ん?」
「そのへんに、パズル落ちてない?」
「え?」
「パーズール。一個足りないの。」
「んー、このへんにはないかなぁ。」
「ほんとー?あと一個はめたら完成なのに〜。」
「自分で踏んだりしてない?」
「えー?」
「ほらぁ。」
「え、えへ。」
/
「ねぇねぇ。」
「ん?」
「またパズルどっかにいったんだけど。」
「自分で踏んでない?」
「今度は踏んでない!」
「自分で持ってない?」
「持って…ないよ!!」
「おでこにくっつけてない?」
「えっ…?」
「くっついてるよ。」
「え、えぇ…?」
/
「ねぇねぇ。」
「パズルならこっちにはないよ。」
「んーん、ココア、そっちにいった?」
「いないよ。」
「じゃあスバルは?」
「あ、今俺んとこきた。」
「パズルくわえてない?」
「くわえて…ない、ねぇ。」
「首輪んとこは?」
「あ、はさまってる。」
/
「スーバールー…こりゃっ!」
「いや、スバルじゃないでしょ、あんたでしょ。」
「バレたか。」
「バレるよ。」
「一人でパズルしてんの、つまんないんだもん。」
「一緒にやりたいの?」
「う、うん…。」
「でももうあと一個はめたら完成なんでしょ?」
「うん。」
「早くはめちゃいなよ。」
「えー。」
「そしたら、もっかい初めから一緒にやろうよ。」
「え!?」
/
「あれ?」
「ねぇ。」
「あ、あれ?」
「いやこれ別のパズルのピースじゃね?」
「あ、あれ?」
/
「ほんっとあんたって、昔から同じようなもの買って、ごちゃ混ぜにしちゃうの得意だよねー。」
「うぐぅ…(本当のことだから何も言えない)。」
「で?どこにこのパズルのピースが混ざってるか、わかんないわけ?」
「うん…。」
「こんなに種類あるとこから、たった一個のパズルを探し出さなきゃいけないわけ?」
「う、うん…。」
「はぁ。やってらんね。」
/
「あったの?」
「ううん…。量が多すぎて、探すの諦めた。」
「だろうね。無理でしょ。」
「はぁ…。」
「だって俺が持ってるもん。」
「え!?」
/
「全然気づかないんだもんなぁ。」
「だって、そんなことするとは思わなかったもん。」
「たまには、イジワルしたくなっちゃうんだよなぁ。」
「ひどくない!?」
「ごめんて。ほら。」
「ありがとー。これで完成だぁ!」
/
「満足?」
「うん!久々の千ピース完成!嬉しい!!」
「あっ、ココアっ……!」
「あっ……。」
/
「コーコーアー…やってくれたなぁぁぁぁ!!」
「クラッシャーだからね、ココアは。」
「許すまじぃぃぃ…!!」
「それくらいにしてやんなよ。」
「悪気がなさそうな顔してる!!」
「悪気はないんだよ。」
「もー!ムカつくけど可愛すぎかぁぁぁぁ!!」
/
「あれ?」
「ん?」
「なんか、このピース、裏になんか書いてある。」
「え?」
「…え?」
「ん?どした?」
「…え?え?」
「え、しか言わないじゃん。」
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします…?」
「ん。」
/
「ほら、やるよ。」
「え?えへへぇ…。」
「何その笑い方。」
「んふふ。」
「やんないの?パズル。」
「んー?やるよ?んふふ。」
「にやけすぎ。」
日常に溶け込むように、突然のプロポーズも必然のように。




