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小箱-kobako-  作者: 枇榔
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欲張り女のバリ子ちゃん

 あたしは、欲張りである。

 あれも欲しいし、これも欲しい。

 君のそれも、あなたのそれも、あの子のそれも、あいつのそれも、全部欲しい。


 全部全部、よく見えちゃう。


 だけど、手に入れたら最後、それは跡形もなく消え去ってしまうの。

 だって、手に入れたら最後、自分でバリバリと食べてしまうの。

 嬉しくて嬉しくて、嬉しくて仕方なくて、気づいたら、食べてるの。

 食べてる時は、食べ終わった後の絶望感なんて考える暇もなく、ただただ嬉しくて、バリバリ食べちゃうの。


 おいしいの。

 とっても。

 おいしいの。


 欲しかったものが目の前から消え去って、お腹が満たされた自分に気づくと、絶望感と、虚無感とが、一気に押し寄せて涙が出るの。


 欲しかったのに。

 あんなにあんなに、欲しかったのに。


 手に入れたのに。

 もう目の前には、それはない。


 泣いて泣いて、涙が枯れて、枯れ尽くして、もう二度と、欲しいものを手に入れないようにしようって、決める。

 決めて、ふと視線が何かを捉えると、もうそれが、欲しくて欲しくてたまらなくなる。

 欲しがるだけなら大丈夫、手にしなきゃ大丈夫って、必死に自分を抑えるの。

 でも、そんなの、無意味なの。

 気づいたら、手に入れて、食べてしまった後なの。


 これは、病気なんだ。

 自分一人でどうにかしようとしても、駄目なんだ。

 誰かに介入してもらわないと。

 ああでも、駄目だったんだっけ。

 この人なら大丈夫、あの人なら大丈夫って、信じて頼るのに、その人達も、最終的には欲しくなって、バリバリバリバリ、食べちゃったんだ。


 もう、どうしようもない。


 この、尽きることのない、欲。


 この欲に、抗う術は、ない。


 ないのなら。


 欲張り女の一生を、全うするしかないのだろう。



 「さぁ今日も、欲張っていこうか。」



 あたしは、欲張りである。

 手に入れたものは、バリバリと、食べてしまうよ。

 だから、近寄らないのが一番よ。


 (そんなの嘘よ、)

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