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嫁に浮気されたら、大学時代に戻ってきました!  作者: 万和彁了
シーズン・4  After 『誰よりも輝ける夏』

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第176話 通訳

 秘密基地ビルの自室にて俺はモニターを見てニチャニチャしていた。表示されているのは俺の所有財産。タイムリーパー系チートで財テクして積み上げた財産はキャッシュでおよそ3000億円にも達した。そしてそこに電子通貨、不動産、株式、金などがおよそ1000億円。


「これもうタワマン住んでも許されるやろ!ふーーーーーーーーーーーーーやーーーーーーーー!!」


 まごうことなき億万長者である。未来知識に勝る金融テクはないのだ。とは言ってもとくに欲しいものは思いつかない。愛は金で買えないし、美もまた創れない。


「まああって困ることはないし、これからも増やしていくか」


 そう新たに決意した時だった。ぴんぽーんとベルが鳴った。誰かが来たようだ。だが俺がインターホンのモニターを見るとそこには誰も映っていなかった。


「なに?悪戯?」


 だが再びベルが鳴る。


「誰もいないのになった?!」


 なんか怪奇現象が起きている。俺はドアの方を恐ろし気に見詰める。


「開けてくれでござるー!」


「その声は忍者くん?!どういうこと?!」


 俺はドアを恐る恐る開ける。そこにはいつものように黒い頭巾を被った忍者くんがいた


「失礼するでござる。依頼されていた調査が完了したので、ドキュメントを届けにきたでござるよ」


「どういうことなの?なんでモニターに映ってないの……?!」


 俺の問いを忍者君は無視して部屋の中に上がってくる。そしてそのままバーカウンターに座って封筒を机の上に置いた。


「報告書、いらぬでござるか?」


「いや。いるけどさぁ。納得いかねぇ……」


 まだまだ忍者の生態について俺は理解していないようだ。もういい。考えるのやめよう。俺はバーカウンターの中に入り、適当にカクテルを作り忍者君に提供する。


「ありがたく受け取るでござる」


 忍者君は頭巾の下からストローを出して、グラスの中にその先を入れた。そしてチューチュー酒を飲み始める。突っ込むのやめよ。


「じゃあ約束通り報酬を渡すよ。キャッシュで2000万。ロンダリング済みの金だ。足はつかない」


 俺はバーカウンターの金庫から札束を出して、それをスーパーの大型ビニール袋に詰めて、口を縛って机に置いた。


「金よりも欲しいものがあるでござる」


「ん?なに?何が欲しいん?」


「スオウ殿の接客」


「いやスオウはもう堅気の仕事についてるんだけど」


 てか2000万よりもスオウの接客を希望するとかアホかな?


「でも貢ぎたいでござる!タワー建てたいでござるよ!!」


「んな無茶な」


「お主だってスオウ殿にかつては貢いでいた身でござろう!某の気持ちもわかるはずでござる!!」


「まあわかるけどさぁ」


 推し活ってほんと沼だよね。スオウの営業スマイルほんと好きだったよ。明日の活力が湧くっていうか。生きてるって時間するよね。男は女に金を貢ぐために生きているのだ。それが生物としての人の自然の姿だ。


「なのにお主のせいでスオウ殿は歌舞伎町から引退してしまったのでござる!拙者の推しを返せでござる!少ないお小遣いから妻子の目を盗みせっせとキャバクラに通う小市民の楽しみをお主は奪ったのでござるよ!」


「嫁さんいたのにキャバ行ってたのかよ。うわぁ。てかどんな嫁さん?写真とかないの?」


 そういうと忍者君はスマホを取り出して、写真を見せてきた。


「……なにこれ?」


 そこには私服に黒頭巾の忍者くんと黒頭巾を被った人妻風エロムチニットワンピースの女(おっぱいが大きい)と黒頭巾を被った男の子と女の子が映っていた。家族の集合写真のようだ。突っ込まない。俺は突っ込まないぞ!


「エロムチな嫁がいるならそっちで満足しとけよ」


「確かに某の嫁はエロムチでござる。毎日子作り三昧!だが推しと嫁は違うのでござるよ!」


「性欲が暴走してるだけじゃね?とにかくスオウは駄目。金持って大人しく帰れ!」


「ううぅ。それでは失礼するでござるよ……」


 酒を飲み干してから金の入ったビニール袋を手に取って、忍者君は玄関から堂々と帰っていった。


「でもスオウの接客はまた受けたいなぁ。わかるー」


 あれはあれでいいのだ。スオウは夜の中でも煌びやかで美しかった。まあ本人にとっては不本意な仕事だっただろうし、今はベンチャーで銭ゲバしてブイブイ言わせているのだ。かつての思い出だけでも俺はそれでかまわない。それに。


「今日はスオウとナイトプールの日だしな。愉しみールンルン!」


 俺はクローゼットルームにむかって水着を用意する。とても楽しみだ。









 やってきたのは都内の高級ホテルのナイトプール。映えスポットとして巷の女子たちに大人気のスポットである。俺は水着に着替えて準備運動をしていた。


「またせたか?」


 声に振り向くと、そこに黒のブラジリアン水着のスオウがいた。真っ白い肌に夜の闇の様な水着の色がよく映えている。


「Gostosa!超綺麗!とても可愛いよぅ!」


 たわわなおっぱいを際どいカットのブラが包み込んでいるが、下乳が若干曝されているのがとてもいい!そしてお尻のぷりぷりとした弾けぐわい!そして腰から太ももへのなだらかでありながら艶やかな曲線がもう溜まりません!


「アりがとウ。obrigada!」


 スオウは少し頬を赤く染めながらはにかんでいる。可愛い。


「今日ハヒカルドモ連れてきた。ヒカルド。この人がカナタだ」


 以前会ったことがあるがちゃんと顔を合わせるのは初めてだ。姉よりやや背の低いヒカルドは静かに会釈してきた。姉のスオウに似てとても綺麗な顔をしている。白皙の美少年という陳腐な言葉がまさに形になるとこんな感じなんだろうか?真っ白い肌に鮮やかな緑の瞳と艶やかな黒い髪。物静かだが意思の強そうな瞳が不思議と印象的だった。


「今日はよろしくお願いします」


 ヒカルドはポルトガル語でそう言ってきた。俺もポルトガル語で返す。


「ああ。今日は一緒にいっぱい遊ぼうな」


 ヒカルドはこくりと頷く。


「ごめーん。ヒカルド君!おまたせー!」


 きゃぴきゃぴした声が聞こえてヒカルドの傍に四人の女の子が近づいてきた。みんなまだ若い。ヒカルド君と同じ年くらいだろうか?みんな可愛らしい美少女たちだった。


「ん?君たちはいったいなんだ?」


 俺が女の子たちに尋ねると快活そうな女の子がこう答えた。


「どうもはじめまして!私は春海!ヒカルド君の元々カノ兼日本語通訳です!」


「はぁ?通訳?」


 次に茶髪の小悪魔っぽい子がウィンクしながら言った。


「わたしは夏枝!ヒカルド君の元カノ兼マネージャーです!」


「え?マネージャー?」


 さらにおっぱい大きくて気弱そうな子が言う。


「今カノ兼広報の秋奈です」


「ん?広報?」


 そして黒髪ロングで静謐な雰囲気の子が言う。


「セフレ兼営業の真冬です」


「ふぁ?営業?!」


 なんだこいつら。俺はスオウの方を伺う。


「ヒカルドはとてもモテるんだ。姉として誇らしいよ」


「何なの?!どういうことなの?!ヒカルドって中学生だよね?!ハーレム作ってんの?!まじかよ?!ひゃーーーあぁあああ!!」


 もう意味がわかんない。役職がついているのがほんとイミフ。てか通訳って。


「あの春海さん?通訳って何?」


「はい!ヒカルド君は日本語がまだ苦手なので私がポルトガル語喋って普段の生活をサポートしてます!」


「マジで通訳なの?!てか元々カノって……てかもしかして元カノ以降はあれなの?君がもしかして翻訳して口説いたの?」


「はい!そうですよ!細かいニュアンスを翻訳するの大変でした!!」


「意味わかんねぇえええ!!」


「今も夏ちゃん、秋ちゃん、冬ちゃんと話すときは私が通訳してます!」


 通訳はさんでハーレムしてるの?どんなモンスター?姉に劣らずヒカルドもキャラがなんか濃いぞ!


「あの。恐縮ですけど……エッチするときとかも?」


「通訳するときもあればしないときもあります!まあセックス自体がコミュニケーションですから!御チンポさまに分からさせられる以上の言葉はないですよね!」


 俺は首を振る。乱れてる。爛れてる。半端ないリア充だ……。俺は男としてヒカルドに負けたような気がしたのだった。





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