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嫁に浮気されたら、大学時代に戻ってきました!  作者: 万和彁了
シーズン・4  After 『誰よりも輝ける夏』

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第174話 釣り

 そろそろ持ってきたA5和牛を焼こうかなって思った時だ、真柴がどこにもいないことに気がついた。


「五十嵐。真柴はどこだ?そろそろお高い肉焼くから呼びたいんだけど」


「うーん。友恵なら多分釣りじゃないかな?」


「またか。あのぼっちはもう……探してくる」


「いってらっしゃーい」


 俺は近くにある岩場に向かった。そしたら案の定そこで釣り糸を垂らす真柴の姿があった。岩でちょっとむにゅって歪むお尻のお肉がいとセクシー。


「おい。一人で何やってんのさ?」


「あら。わざわざ来たの?」


「さばさばすんなよ。一人で釣りなんてしなくても、五十嵐もいるんだしみんなで楽しもうぜ」


 俺はそう言ったが、真柴は曖昧な笑みを浮かべるだけだった。なにか遠慮を感じる。それは良くないって思った。


「釣竿貸せよ。俺もやる」


「そう?じゃあこれ」


 余っていたもう一本の竿を俺に渡してくる。


「餌は?」


「持ってきてない。現地調達よ」


「現地調達?どこに餌があんのさ?」


「そこらへんにいっぱい歩いてるじゃない」


 俺が周囲を見渡すとフナムシがさぁーと歩いていた。ちょっとぎょっとしてしまった。北海道人の俺にはゴキブリに似たこいつらは刺激が強すぎる。


「ええ。お前あれ捕まえられるの?」


「よく見るとけっこうかわいいわよ。魚の食いつきもいいしね」


 真柴の横にあるバケツには魚が5匹も泳いでいた。大漁のようだ。俺は意を決して近くにいたフナムシを手づかみして釣り針に刺す。正直気持ち悪いです。


「お前もしかしてゴキブリとかも素手で捕まえられる系女子?」


「あんな虫捕まえられない方がおかしいわ。それに顔は良く見るとかっこいいのよ」


「まじかぁ。すご」


 なんで変なところだけサバサバしてるんだろう?今となってはヒスってたウェッティで生臭い鯖にゃんが懐かしい。俺は海に糸を垂らす。二人で釣り糸を垂らす時間が穏やかで意外に癒しだ。


「なんか悪くないなこういうのも」


「そうでしょ。うちはいつも研究に行き詰まるとこうして釣り針を垂らすとひらめきが降りてくるの。釣りはね。人類の英知の一つよ」


 確かにそうだろう。漁業は何処の国でも盛んに行われている。俺たちは海に養われている。


「ねぇ。未来の世界であんたはりりと結婚してたんでしょ?」


「ああ。そうだよ」


「でも今ここにいるってことは、斧で殺されたってことよね」


「ああ。そうだ」


「ごめんなさい。殺したのはうちなんでしょ」


 真柴は俺のことを泣きそうな目で見ている。


「泣くなよ。今のお前がやったことじゃない」


「でもあんたはりりと結婚して幸せだったはず。なのにうちはきっとそれを逆恨みして殺した。そんなの……間違ってる……」


 真柴はその洞察力で未来の真相に辿り着いてしまったのだろう。そして未来の罪に苦しんでいる。そんな必要何処にもないのに。むしろ俺は。


「いや。お前が俺を殺したのは正しかったよ。俺は。あのときの俺は……五十嵐に取り返しのつかないことをしてしまったんだ。お前はそれを正した。正当な罰を俺に与えたんだ。あの時の俺は本物のクズだった」


 真柴は五十嵐に絶交されても俺と五十嵐の仲を取り戻そうと必死だった。やり方は良くなかったのかもしれない。だけどあの時の真柴の心はきっと誠実な思い出いっぱいだったはずなんだ。


「お前は五十嵐の味方だった。それだけじゃない。俺のことだってきっと想いやってたよ。それを俺は拒絶した。だからあの結果はきっと当然の報いなんだ」


 もっと話を聞けばよかった。そうすれば。そうすれば……。そんな後悔と未練はまだある。だけどもうそのやり直しは出来ない。俺はこの今を頑張ることしかできない。


「お前は俺の最高の友達で、五十嵐の最愛の友達だったんだよ。だから。泣かないでくれ」


 俺は真柴の肩を抱く。真柴はすんすんと鼻を鳴らしていた。つぅーと涙を一筋流している。


「ありがとう。王様……」


 波は穏やかに流れる。罪も罰も海が飲み干してくれればいい。そう思ったんだ。







 結局俺が釣れたのは雑魚が一匹だけだった。


「へたくそね」


「今度ちゃんと教えてくれよ。鯛とか釣ってみたい」


「そうね。いいわよ。ふふふ」


 真柴は魚を見ながら穏やかに笑っている。


「で、これはリリースするの?」


「うちはキャッチアンドリリースはしないの。それは釣りという文明への冒涜よ。ちゃんといただくわ。この命たちはうちらの命になるのよ」


 真柴には真柴の哲学があるようだ。俺もその哲学に共感した。


「じゃあBBQ場に持ってくか」


「ええ。持って行ってあげて」


「ん?お前は来ないの?」


「女神への供物を口にするのは王だけ」


「じゃあその王様が、お前と一緒に食べたいって言ったらどうする?」


 俺は真柴を見詰める。真柴は目を丸くした。


「それは……それは。うん。断ったら駄目よね」


 俺はバケツを持ち上げる。真柴もバケツの持ち手に手を添える。二人で供物を女神のもとへと運んでいく。この魚はみんなに振舞おう。俺たちが今を大切に生きる糧なのだから。









皇都大学工学部建築学科常盤助教授せんせー!


助教授「はい。今日も脳内読者から質問が来ておりますね。五十嵐さんお願いします」


五十嵐「はいせんせー!リオじゃない!ヒウだ!さんからお便りが来ています。「滝野瀬さんの経験人数ももちろん1なんですよね?」だそうです。……うわぁ」


助教授「引いてやるなよ。女だって男の年収気にするだろ?それといっしょ」


五十嵐「うーん。なんか違う気がするけどなぁ。ま、いっか」


助教授「はい。ではお答えいたします。じょしゅー!かもーん!」


助手「まいりました!皇都大学理学部数学科助手の紅葉楪です!」


五十嵐「いまは助教って言うんだけど」


助手「あー!まったくわかってませんねぇ!誘い受けでググってください!もう!はいでは測定します!ぴぴぴぴ!ぴーーーん!以下の通りです!」


滝野瀬澪 1

キリンちゃん 9→(設定変更)→38

ママ城 1


ママ城「また巻き沿い喰らった?!何がしたいんだ貴様らは!私を辱めて楽しいのか!?」


助教授「本編で俺をさんざん苦しめやがって。ざまぁ!」


ママ城「きぃいいいいいいいいい!!」


キリン「てか私の経験人数が増えてるんだけど?まあでも妥当な気はするね。なんで変更したの?」


助教授「野球選手とサッカー選手の夜の試合の違いを比べられる人が経験人数一桁なわけないですよねって作者があとからメッチャ後悔したので変更です」


キリン「どさくさに紛れて修正されたのちゃったのかぁ。まあいいけど」


五十嵐「なんだかなぁですねぇ。ところでママ城さんってもしかして初めて付き合った人とそのまま結婚したんですか?素敵ですね!私そういうの憧れます」


助教授「……」


五十嵐「え?何その沈黙?」


助教授「いやなんでも」


ママ城「ふ!まあな!私はヴァージンロードをヴァージンで歩いた女だからな!貞淑なレディなのだ!」


助教授「ああ。ユニコーンXはこの人のせいなのかぁ……納得ぅ」


キリン「でも今どき結婚までヴァージンでこぎつけるのすごいね。エッチなしだとお付き合いすら続けるの難しいと思うんだけど。ていうかどうやって付き合ったの?そんなにお堅いのに、相手のこと好きになれるのもすごい」


ママ城「どうやって?まあ出会いは私がアフガンからアメリカに帰って来た時だったな。ニューヨークで友人にパーティーに誘われてな」


助教授「おい。その話長くなるのか?本題からそれまくってるんだが?」


五十嵐「ちょっと!恋バナ邪魔しないでよ!怒るよ!でどうなったんですか?!」


ママ城「ああ。そこで夫と出会った」


五十嵐「おお!」


ママ城「わけではない。ピアノを弾いている彼を見かけたのだ」


キリン「ふーん。ピアノ弾いてる姿にきゅんとしたのかな?」


ママ城「ああ。その淑やかな指と穏やかでありながら真剣なその瞳に……濡れた……」


キリン「膣きゅん!」


ママ城「だが私には恋愛経験がなかった。異性とどうやって話していいかわからなかった。だからパーティーが終わるまで話しかけることは出来なかったんだ」


キリン「後日別のところで偶然再会できた感じ?」


ママ城「いや。パーティーが終わって彼が帰るのを後ろから海兵隊式尾行術でつけて家を特定した」


助教授「おいちょっと待て!?何やってんの?!」


ママ城「その後軍の情報機関に頼んで彼の個人情報を収集した。あとは行動パターンを割り出して、彼の行く先々に私も行った」


助教授「ストーカーじゃねぇか?!」


ママ城「何を言う!これはフォース・リーコンとして偵察行動を行っているだけだ!」


助教授「やだこの人?!自覚がないのか?!」


ママ城「そして彼から声をかけてくれるのを待った」


キリン「そこは待つんだ。奥ゆかしいというか……女の子っぽいズルさというか……」


ママ城「一年かけた。そして彼が私にこう言ったのだ。『もしかして一年前パーティーにいませんでしたか?』と。だから私はこう返した。『あれ?もしかしてあのピアノを弾いていた人なの?』とね。運命の再会だったんだ」


助教授「旦那さーん!騙されてるよ!騙されてるよぉ!」


ママ城「あとはとんとん拍子で事が運んだ。そして一年後には結婚したのだ」


キリン「すごい執念だねぇ。旦那さんもそこまで愛されているなら本望かな?……でもストーカー……」


ママ城「ふん。結果的に子宝にも恵まれて幸せな結婚生活をしているのだ。何か文句があるのか?」


助教授「あんた死ぬまで絶対に旦那を騙しきれよ。嫁さんがストーカーだったとかトラウマもんだからな」


ママ城「ふっ。恋も戦争も勝てばいいのだ!手段は問われない」


キリン「戦時国際法とかストーカー規制法とかは守ろうよぉ」


助教授「この親にしてこの子ありか。メンヘラユニコーンは遺伝だったんだなぁ……綾城のキャラ設定まで暴かれるとは質問コーナーも奥が深いなぁ…」


五十嵐「では本日はここまでということで!またね!」




小ネタ


真柴のいい話を台無しにするママ城さん(´・ω・`)


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