第155話 花嫁強奪
今まで酒で記憶が飛んだことを経験したことがなかった。気がついたら知らんところにいるってなかなかに怖い。
「なあ、みんな。昨日何があったんだ?俺覚えてないんだけど…」
「あたしも覚えてない」
「わたしもです!」
「私も…」
全員が全員記憶飛んでいるようだ。どういうことなの。それにミランがいない。
「ミランは何処?とりあえずさがせさがせ!」
俺たちは砂浜のあちらこちらをミランがいるかどうか探し回った。だが何処にもその姿はなかった。近くには洞窟のような洞穴くらい。だけど覗いてもそこにミランはいなさそうだった。
「とりあえず服確保してくる。ちょっと待ってて」
俺は近くの民家に行き、札束を積んで服をゲットしてきた。かりゆしシャツと半ズボン。こういう状況じゃなきゃ沖縄らしさを楽しめるのに。
「頑張って思い出そう。みんなスマホは持ってるか?」
「ないわ」
「ないです!」
「いやー!なくしたー!」
役に立たない。中のデータはクラウド見れば何とかなるけど、パソコンとか持ってきてない。だが俺だけは幸いパンツの中にスマホを持っていた。
「なんかデータ残ってないかな?」
俺は写真アプリを開いて中を漁る。中にはいろいろな写真があった。
「なんだこれ?知らんな」
その写真の日付は昨日の夕方くらいだ。上半身ビキニのミランと楪が俺の両脇に抱き着いている写真だ。二人とも下半身がスカートなのでなかなかえっちぃ。
「これ国際通りじゃない?」
「国際通り?繁華街か!」
「あ!思い出しました!たしか伊角さんが美味しい店知ってるって言ったんですよ!」
「なるほど」
次の写真を漁ると三人でソーキそばを食っている写真が出てきた。いや待てよ。
「なんでビキニなの?!そこなにがあったの!?」
「…伊角さんが脱ぎたいって言いだして…代わりにビキニ着ろってカナタさんが言ったんですよ。でわたしもついでに脱いでビキニしました」
「あいつマジでバカだな」
露出狂め。売れてもグラドル続けてるあたりに趣味の世界を感じる。でも俺もあいつの写真集にお世話になっているので何とも言えん。
「まずは国際通りいくか。でもムーちゃんは何でここにいるの?」
「私?まず沖縄には招待状を持ってほづみくんとひなのちゃんと三人で来たの」
「ホヅミもいるのか」
「うん。で私とホヅミくんと三人で国際通りで飲んでたはずなんだけど…よく覚えてない」
なんかあって合流したっぽいけど、何があった?とりあえず俺たちはタクシーで国際通りに向かった。
小ネタ
アヤシロ「ちーんすこーーーーーう!」
ユズリハ「そのネタはもう私がやりましたよ」
アヤシロ「そうなの。じゃあ沖縄最強のネタをやるしかないわね」
カナタ「やめて。ぜったいやばいでしょ。やめよ」
アヤシロ「あ、あ、あ、あ、あ、あああああああ。漫○ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
カナタ「絶対に言うと思った!中学生かよ!」
アヤシロ「別に恥ずかしくないでしょ。知名なんだから(^ω^)漫●湖漫●漫●●湖漫●湖●湖漫漫漫~~~~~~~~~~湖」
カナタ「(ノД`)・゜・。」
国際通りについた。スマホの写真の風景と一致する。ここで間違いない。
「まずはソーキそば食ってるな。次はなんだ?」
俺は写真を漁る。なぜかウェディングドレスの綾城が映っていた。
「なんじゃこれ?」
「あら?あーーー!思い出したわ!たしか母と式の当日に着るドレスを買いに来たのよ」
「そこでなにかあったってことか?」
綾城の案内でその店に向かう。
「なんじゃこれや?!」
店のフロントガラスが粉々に壊れていた。
「あ!私のスマホが落ちてます!」
楪が散乱するガラクタの中から自分のスマホをゲットした。これがヒントになるといいけど。
「あ?!貴様は!?」
店の中から作業服姿のママ城さんが出てきた。
「なにしてるんすか?」
「なにしてるじゃない!お前のせいだ!」
ママ城さんは背伸びしながら俺の胸倉をつかんで揺らしまくる。
「お前がヒメーナを誘拐した!ついでに店を派手にぶっ壊していったんだろうが!なのに私が片づけを軍から命じられて!があああ!!」
え?なに?俺そんなことしたの?!とりあえずすぐに隠蔽工作しなきゃ。
「曹長」
「ひ?!」
ママ城さんの後ろから眼鏡で真面目そうな白人の軍服を着た男が現れる。
「現地住民に迷惑をかけたのですからちゃんと償ってください。まだ店の中はしっちゃかめっちゃかですよ」
「わかってるわかってる!だがこいつのせいなんだ!こいつがやったんだ!」
「ですが軍が隠蔽工作したのです。その分の補償はあなたに義務があります。いいんですか?不名誉除隊にしますよ?」
「やめてくださいお願いします!それだけは!それだけは!!」
ママ城さんは俺から離れてとぼとぼと店の中に戻っていく。とりあえずこの店については米軍が尻拭いしてくれたようだ。
「カナタさん!わたしのスマホに動画残ってます!見ましょうよ!」
「ええ?見たくねぇ…」
だが楪は動画の再生を初めた。
~~~~~動画再生中~~~~~
(ウェディングドレスの展示してある店の前)
カナタ「結婚憧れる。幸せな結婚したかった」
ミラン「何枯れたこと言ってるの?まだそんな年じゃないでしょ!けらけら!」
ユズリハ「そうですよ!でもドレスには憧れますねー。…でもわたしの結婚式って友達…うう(ノД`)」
ミラン「楪ちゃん!大丈夫一緒に結婚式しよ!僕の分のお友達いっぱい連れてくるから!」
ユズリハ「それわたしの友達じゃないですよね!やだー!ぎゃはははは!」
カナタ「結婚式。紛れ込む元カレたち。ケーキナイフで撃退した。はは…台無しー腹立ってきた!」
(カナタ、店の中に突入何か悲鳴のような怒声のような声が響き渡る。そしてカナタがウェディングドレスを着た綾城をお姫様抱っこしながらフロントガラスを突き破って外に出てくる)
カナタ「花嫁げっとぉ!!!」
ミラン「あ!綾城さんだ!」
ユズリハ「ほんとだ綾城さんだ!ドレス素敵!」
アヤシロ「あなたたち酔ってるの?でも普段はもっと理性的よね?悪酔いしてるの?」
カナタ「オラ女子会辞めろ!米軍のターミネーターが追いかけてくるぞ!走れ走れ!」
ママ城「待てこのくそがきぃい!」
店の人「ちょっとお待ちください。店の片づけやってくれますよね?」
ママ城「え?いやあの。私がやったわけじゃ」
店の人「やってくれますよね?」
ママ城「うあああああああああ!ひめーなああああああああああああああああああああああ!」
カナタ「ゲラゲラゲラゲラゲラ!お前の娘は頂いてくぜ!あばよ!ひゃはーーーーーーーーーーーーー!!」
アヤシロ「なんか思ってたの違うけど…アリね!」
ミラン「逃げろ逃げろ!あはははは!」
ユズリハ「きゃー!カナタさんマジ大胆!きゃーーーーーー!!ははは!」
(画面が店の前で止まる)
~~~~~動画終了~~~~~
何やってんの俺?!
「うぁ。まるで映画みたいね」
ムーちゃんがドン引きな目で動画を見ている。楪も頭を抱えている。綾城はほくほく笑顔だ。
「あーなんか思い出したわ。それでそのあと美魁から駆けつけ一杯の古酒を勧められたのよね。そのあとは何も覚えてないけど」
「え?まさかあの酒のせいなのか?」
ミランが出した100年物の古酒はとんでもない代物のようだ。この調子だとあとどれほどの醜聞が飛び出てくるのやら。俺は頭痛が痛いのであった。




