2532話 参戦場所の内見
さて、俺の相方として動いていた【風船飛行士】が【全てを消失させる無】という攻撃によって消し去られてしまったわけだが、レイドボスの正体を見破り特殊防御権限を一部剥奪しつつ、能力弱体化することにも成功したぞ!
さて、この状況で浮いた駒になった俺はどこに支援しに行くべきか……
それを判断するために周りを見渡してみると、【虫眼鏡踊子】と【錆剣剣闘士】は前衛後衛に分かれて応戦しているようだ。
だが、流石に【錆剣剣闘士】の消耗は激しそうだな……
特に【虫眼鏡踊子】がヘイト集中効果を受けまくっていて、俺たちがさっきまで戦っていた【アイン】個体も攻撃を仕掛けていたからそのカバーに入ったりもあって相当きついだろうな……
あと、【トランポリン守兵】お嬢様と【リフレクトミラーディフェンダー】の方だが、あっちはかなり安定して戦っている様子だ。
二人ともタンクプレイヤーということもあってか自衛も上手いし、隙を見せてしまってももう片方がカバーしているから被弾が少ないんだろうなぁ……
とはいえ、タンクプレイヤー二人だからその相手の……【アイン=ソフ=オウル】個体にもあまりダメージが入っていない。
攻撃力に欠けるメンバー構築をした時からこれは覚悟していたんだが、この状況で改めて見ると気が遠くなるなぁ……
だが、これで助っ人に行くべき場所は判断できたぞ!
【リフレクトミラーディフェンダー】と【トランポリン守兵】お嬢様の方はまだまだ放置していても生き延びてくれることだろう。
それこそさっき【風船飛行士】が受けてしまった 【全てを消失させる無】のような一撃必殺でも食らわない限りはな!
つまり、俺が行くべきは【虫眼鏡踊子】と【錆剣剣闘士】の方だ!
今、助けに行くからな!
そうして駆けつけると【虫眼鏡踊子】が俺に声をかけてくれた。
「あら~【包丁戦士】ちゃん!
私の彼氏は死に戻りしちゃったみたいだけど、【包丁戦士】ちゃんが来てくれたなら元気百倍よ~!」
【虫眼鏡踊子】はそう威勢良く大声を出していたが、見るからに疲労困憊だ。
それもそうだろう。
遠距離攻撃をたまにしつつ、それ以外の時間は【錆剣剣闘士】にバフをかけ続けるために、abilityの起動条件である踊りをし続けないといけないからな!
その間、身体も動かすから疲れるのは当然なんだが、無防備な状態で戦場にいるというプレッシャーも疲労に大きな影響を与えているはずだ。
前衛にいる【錆剣剣闘士】も特殊な技能を持った動きをするわけじゃなくて、純粋な力業で対応しているだろうから蓄積されたダメージもかなり大きいことだろう。
だからこそこの戦線は特に崩壊寸前……と俺は見込んで来たわけだ。
……ちなみにだが、俺は前衛をやった方がいいか?
それとも後衛をやった方がいいか?
遠目から見ていたとはいえ、さっきまで戦っていたやつに現況を聞いた方が早いからな。
俺に求める役割を聞くのも手っ取り早いはずだ。
「……そうね。
私としては後衛もきついから助けて欲しいわね。
ただ、前衛の【錆剣剣闘士】も限界に近いわ。
【錆剣剣闘士】が倒れたらなし崩しで後衛の私も死んじゃうわよ。
……つまり、【包丁戦士】ちゃんには前衛でも後衛でもない中衛で戦線のバランサーとして動いて欲しいわね」
……なるほど。
俺の器用貧乏さを有効活用したいってことだな。
前衛の方が正直得意ではあるんだが、全然両方こなそうと思えばいける!
任せておけ!
「頼もしいわね。
それなら任せたわよ!」
そう言って【虫眼鏡踊子】はさらに数歩下がりながら俺に前を任せてきた。
とりあえずまずは貢献するか!
スキル発動!【狐根灯災】!
俺はFOX SYSTEMを起動させるスキル【狐根灯災】であらかじめセットしておいた狐獣人スキルをカスタマイズしたものを使っていく。
今回は【二尾狐片】を威力多めで使ってみたぞ!
空中に目に見えない呪力炎の欠片のトラップを仕掛けて、当たるとしばらく燃え続けるやつだ!
さて、どうなる……?
劣化天子もリソースが欠けつつありますからね。
省エネでいきましょう。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




