2529話 ニコッと肉
俺の鱗粉による毒【乱蛾毒毛】と【風船飛行士】による風の刃竜【刃状風竜】による攻撃を受け続けて再び攻撃対象を【虫眼鏡踊子】へ変えた透明な【生命の樹獣≠???】。
俺と【風船飛行士】は再びその攻撃を止めるために追いかけて行っているんだが……
……さっきと事情が変わっていた。
「えっ、何か半透明のモンスターが迫ってきてるわね!?」
「ギャハハハハ!!!!!
受け止めて食べてやるぞ!!!!!
バリバリバリバリバリバリ!」
さっき俺と【風船飛行士】の連携技で鱗粉をつけて見えやすくしたのもあってか、近くにいた【錆剣剣闘士】が透明な【生命の樹獣≠???】の攻撃を受け止めてそのうちに【虫眼鏡踊子】が退避することに成功していた。
やっぱり後から追いかけても一撃目は俺たちでは間に合わないよなぁ……
止めてくれたから良かったが……
だが、二人ともこっちにかかりっきりでダイジョブなのか!?
そっちはやけに存在感のある【生命の樹獣≠???】がいるはずだろ?
「いや、まずいわよ!
助けてくれたのはいいけど【錆剣剣闘士】はさっさと元の相手に戻りなさい!
【包丁戦士】ちゃんにヘイトが集まると大変なことになるわよ!」
「ギャハハハハ!!!!!
成り行きで指示されてるんだが!
バリバリバリバリ!!」
そう急かされながら【錆剣剣闘士】はズコズコと元の相手の方へと戻っていった。
あの【錆剣剣闘士】はかなり荒めなゴロツキタイプのプレイヤーだったはずなんだが、【虫眼鏡踊子】の指示をやけに素直に受け入れているな!?
あいつは指示されてもハイ分かりましたとすぐに従うようにタマじゃないだろうに……
よくもまぁ上手く手なずけたものだなぁ……
「その辺はコツがあるのよ。
あの手合いのプレイヤーは一回ガツンと力関係をワカラセて上げれば他のプレイヤーたちよりも動かしやすいのよ。
私のいるクラン【紅蓮砂漠隊】のメンバーたちも似たようなものだったわよ?」
へー、そうなのか。
そういえば姉御とか呼ばれてたもんな。
ただ単に慕われているってだけじゃなくて、力関係のワカラセ教育をきっちりやったからこそのものだったんだな。
「そういうことね」
そんな会話をしつつも【虫眼鏡踊子】は踊り続けている。
ability【抑強扶弱】は踊り続けていないと効果を発揮しないから仕方ないとはいえ、実質本人がノーガードになるのによくやるなぁ……
「どっちにしても私の戦線は【錆剣剣闘士】が死に戻りしたら崩壊するのよ。
だったらそうならないように私が立ち回るのも当然よ?
そのためには勝つまで踊るのよ!」
その意気だ!
やっぱり戦線を支えるサポーターはそうじゃなくちゃな!
「ちょっwww
オレの彼女に感心するのはいいが、そろそろこの透明な【生命の樹獣≠???】を引き剥がしたいンゴねぇwww
踊り続けるオレの彼女の周りで攻撃を防ぎながら戦うのはしんどスグルwww 」
【風船飛行士】が泣き言を言っているが、本来は突き返したいところなんだが俺も一理ある。
守るべき味方が近くにいる状態で狙われてるのは流石に危険すぎるからな……
さて、さっきと同じ方法で引き剥がせると思うか?
「いや、無理ンゴねぇwww
前にやったときよりも透明な【生命の樹獣≠???】の動きが激しくなってて綱引きするにはしんどスグルwww
もう少し大人しくないと茨や蜘蛛糸が引っ張られてちぎられて無くなってしまう未来が見えたぞwww 」
そう、透明な【生命の樹獣≠???】はダメージを受け続けたからか、防衛本能からかかなり縦横無尽に動き回ってしまっている。
向こうから攻撃してくるタイミングなら何とかコースも読みやすいしまきつけやすいんたが、何もないとかなりしんどいぞ……
しんどくてもやり遂げるのです。
そこから始まることもあるのですよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




