2528話 理解度
【風船飛行士】の放ったスキル【刃状風竜】が透明な【生命の樹獣≠???】へと炸裂し、今もなお攻撃が続いている。
【風船飛行士】のリソース切れが気になるところだが、この好機に攻めきる気でいないとジリ貧で負けしてまう可能性大だ。
俺のスキル【三叉漁板】以外で【風船飛行士】の攻撃に合わせられるものを選んでスキル【刃状風竜】を最大活用出来るようにしないとな!?
……これまで一回も試したことはないが、風の攻撃ならこれを載せられるんじゃないか?
失敗してもリスクが大して無いし、やるだけやってみよう!
スキル発動!【乱蛾毒毛】!
俺は身体から毒の鱗粉を放ち、風の竜へと纏わせていく。
「ちょっwww
ここで仲間割れかよwww
後ろから狙われるとは思わなかったンゴねぇwww 」
【風船飛行士】は狼狽しているが……
こらこら、慌てるなって!
お前の風の刃竜を見てみろ。
そうして【風船飛行士】の視線を誘導するとそこには……
「うわっwww
風の刃竜の全身に鱗粉がコーティングされててワロタwww
見た目がキモスグルwww
禍々しいンゴねぇwww 」
まだら模様のように鱗粉が全身を回っており、属性は風毒の竜って感じの見た目になったな。
そして、その毒風の刃竜が透明な【生命の樹獣≠???】に激突していくと、ここまでと様子が一変した!
「うおっwww
輪郭だけ見えるようになったンゴねぇwww
鱗粉が付着したからかwww
これでかなり戦いやすくなったゾwww
アリガタスギィwww 」
そう、鱗粉が透明な【生命の樹獣≠???】に付着したことでその鱗粉の色味でざっくりと姿形が目でも追えるようになったのだ!
ただ鱗粉を振り撒くだけだとここまでの量を当てるのは無理だったが、風の刃竜に内包させたので無駄なく当てることが出来たわけだ!
そして効果はこれだけじゃない。
「透明な【生命の樹獣≠???】が見るからに苦しんでてワロタwww
その毒ってそこまでダメージ量無いはずなのに効きすぎだろwww
流石深淵種族として使う【乱蛾毒毛】だなwww
他の奴らとは威力違いすぎるwww 」
いや、確かに威力は上がってるんだろうがこんなに苦しむレベルの毒じゃないはずだぞ!?
多分だが、【風船飛行士】の風の刃竜が全身につけた切り傷から内部に直接毒の鱗粉が入り込んだから劇的にダメージ量が増えたんだろう。
「オレのおかげだったかwww
……かなり色々シナジーがあって興味深い使い方だ」
俺の使った戦術の相乗効果き感心して思わず素の口調を漏らした【風船飛行士】。
ここまで俺の考えたコンボを考えたことがなかったんだろうな。
そして、その有用性を認めたわけだ。
このまま毒や鱗粉の効果を頼りにしてさらに詰めていくぞ!
……そう思っていたが、再び俺たちに危機が訪れようとしていた。
「ちょっwww
また【虫眼鏡踊子】のところに向かい始めたんだがwww
あいつ狙われ過ぎてワロエナイwww 」
少し前にも襲われたはずの【虫眼鏡踊子】が再び透明な【生命の樹獣≠???】の標的となり、そちらへと一目散に駆け始めたぞ!?
っていうことは、標的変更は……ダメージ総量とかだろうか。
あと、他にもプレイヤーがいたり距離関係的にも色々と近いプレイヤーがいるはずなのにわざわざ【虫眼鏡踊子】を狙っていく理由が気になる。
よほどアイツがヘイトを稼いでいるってことになるんだが、それなら俺や【風船飛行士】に向かってこない理由が分からない。
「それは多分補助行動への特殊ヘイト値とかを持ってるんだろwww
冒険者ギルドのダンジョンにも似たようなやつがたまーに出てきたりしてたンゴねぇwww
【虫眼鏡踊子】のabilityとスキルが癇に触ったんだろwww
それ以外アリエーヌwww 」
まぁ、その辺は【風船飛行士】が言うならそうなんだろう。
関係値や理解度からして特に疑う余地もない。
その上で、【虫眼鏡踊子】が倒されないように何とか間に合わせないとだぞ!
アイツが倒されたら今の考察は特に活きてこないんだからな!
「それは分かってるンゴねぇwww 」
本当でしょうか。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




