2477話 痛み分けの連続
「その矮小な聖剣たちを守るのにそこまで必死になるとは。
そこまで労するほどの価値がある……そう見込んでいるのだな!
そうなれば意地でも破壊したくなるというもの……」
俺が躍起になって守ろうとしたことが誰の眼から見ても明らかなので、当然そこがウィークポイントということを【天纏ナゴナ】も察してきた。
本当は平然とした顔で対応できたらバレなかったんだろうが、残念ながら俺のスペックはそれが出来るほど高くない。
だからこそ、【天纏ナゴナ】にバレるのは既定路線ではあったんだよなぁ……
つまり想定範囲内ってわけだ!
この【ランゼルート】に攻撃するついでに降り注ぐ雹たちも半分攻撃の余波みたいなものだが、これに対処するだけでもかなり難しいんだぞ!?
案の定、守りのためのスキルを放ち続けていても俺への被弾は増えていく。
ここまでの戦いも含めてかなりボロボロだ!
だが、ここで引き下がるわけにもいくまい!
ここで浮いている駒といえば俺しかいないんだから、徹底的に【天纏ナゴナ】の邪魔をしてやるしかないぞ!
スキル発動!【魚尾砲撃】!
俺は極太レーザーを放っていく。
攻撃力は【ランゼルート】と比べたら蚊が止まるようなものだが、無視できるほどでもないだろ?
俺は【魚尾砲撃】をかなり使い込んでいるからな。
使い方も効率化されてきているから、クールタイムも普通より早く明けるし威力もそれでいて高まっている。
そう簡単にはあしらわせないぞ!
「ぬぅ……しつこい!
これ以上、朕の手を煩わせるな!」
【ランゼルート】の攻撃を防ぎながらも俺の攻撃を捌かないといけないので、【天纏ナゴナ】は相当焦っているな。
これまで多少焦ってはいたがここまで余裕のない様子は見せていなかった。
自分自身にもダメージが蓄積してきているし、明確に自分を傷つけられる【ランゼルート】が担う九本の大罪剣が目の前にあるからだろうな。
お陰さまで徐々に隙を晒すようになってきていたりする。
「……一度振り払う必要があるか。
【天界ー鮮烈の令】!」
ここで【天纏ナゴナ】が再び【生樹技能】の【天界ー鮮烈の令】を発動させた。
全身から光のオーラを放ち、周囲に近寄ってきているもの全体への攻撃をしてきたわけだな。
俺の【魚尾砲撃】は丸々打ち消されていったが、【ランゼルート】はというと……
「この単発の【生樹技能】だけなら大罪剣を解放した僕が打ち砕くよ!
スキル発動!【憤怒罪剣】!」
【ランゼルート】は憤怒の炎を大罪剣から燃え上がらせて、光のオーラに対抗していっている。
出力は……互角か!
「負けぬぞ!」
「こっちこそ負けるつもりはないね。
さらに出力をあげるよ!
スキル発動!【嫉妬罪剣】!」
【ランゼルート】はさらに大罪剣のスキルを起動し直してスキルの出力を上げてきた。
ねっとりとした追撃を続ける【嫉妬剣ティル】が執拗に【天纏ナゴナ】に襲いかかっていく。
単純な威力が強いだけの攻撃よりも、確実に当てにいく意思の籠った一撃の方が厄介に決まっている!
【ランゼルート】もそれを承知の上で純粋な攻撃力が高い【憤怒剣ティル】をはじめに見せることで対応を迫らせて、本命の【嫉妬剣ティル】を当てやすくしたのだろう。
「そういうことだよ。
僕の一撃は全体を通して成立するのさ。
ただの単発では済まさないよ」
「してやられたか。
やはり九本同時行使というのが厄介であるが……
だが、その攻撃の代償は支払ってもらおうぞ!
【天界ー熱射の令】!」
「くっ、至近距離からで、攻撃直後だから防げないっ!?」
【ランゼルート】と【天纏ナゴナ】はそれぞれ攻撃を当てあい、痛み分けという形になったようだ。
両方とも隙を晒したタイミングで攻撃を受けたからか、今回はかなりダメージが入ったな。
これは決着もそろそろ近くなってきたか……
こうなったら、俺も後押ししてやるか!
スキル発動!【フィレオ】!
俺は飛翔する斬撃を放ち、切断による部位破壊を狙っていく。
ここまで消耗しているならいけるだろって算段だな!
そして、案の定……
「朕の尾が切断された……だとっ!?」
おっ、カタカナスキルの通りはかなりいいみたいだな!
やはり無属性攻撃なのもあって、【純潔】の範囲から外れやすいんだろう。
代償としての俺の左足があらぬ方向へ吹き飛んでいったが、どうせ空中戦闘だから足なんて飾りだ!
偉い人には分からないだろうがな!
いや、足を失ったらバランスが取りにくくなるよ……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




