2476話 小型聖剣たちの死守
俺がスキル【衆合巣蜂】で視界を妨害し、【ランゼルート】が九本の大罪剣で攻撃を続けている。
【天纏ナゴナ】の【純潔】の能力で俺の【衆合巣蜂】による攻撃は特にダメージになりにくいんだがそれは織り込み済み!
俺のやつは視界さえ妨害できれば問題ないからな!
ダメージは【ランゼルート】が与えてくれたらそれでいい。
あと、強いて言うならこれか?
スキル発動!【三叉漁板】!
俺はクールタイムの短いこのスキル【三叉漁板】を再び使用していく。
距離感をあまり気にせず使えるのもあって、使い得だ!
【ランゼルート】もこれが攻撃に紛れてくる分には邪魔だと思わないだろうしな!
というか、このくらいの攻撃に合わせられないようなら伊達に最強のプレイヤーなんて呼ばれてないだろうよ。
「大罪剣を君から借り受けている以上はその分の働きをしないと申し訳ないからね。
その【純潔】は僕の【正義】が貫かせてもらうよ!」
【純潔】を貫くって微妙に際どい表現だよな……
少なくとも可憐な乙女である俺の前で使うようなものじゃないぞ?
「驚いたよ、君にそんな感情があったとはね。
前にも似たようなことは言った気がするのだけれど、普段の言動とのギャップがあって僕の方が困惑するよ。
……それはさておき、僕からももう一撃大きいものを叩き込みたいところさ。
まずはその下準備からさせてもらおうかな?
大罪スキル発動!【正義正統】!」
【ランゼルート】がスキル【正義正統】を発動させた瞬間、聖剣を模した光の小型剣が10本ほど現れ空中に固定されていった。
あの小型聖剣はダメージを与えるのではなく、相手に自分の正義を押しつけるための環境変化スキルだ。
これで【ランゼルート】はある程度のデバフをはね除け、相手の自分に不都合のある状態を多少緩和して攻撃できるようになったわけだな!
「驚いたよ、君はそこまでこのスキル【正義正統】のことを分析していたんだね?
僕からスキルの詳細を説明したことは無かったはずなのに、よくも僕以外に使い手のいないスキルのことを調べたものだよ」
なーに、俺の洞察力の賜物だな。
前に見たときにそう感じたってだけだ!
……後から【検証班長】にも聞かれて情報をまとめ直して分かったことでもあるがな。
「これで一時的ではあるけれど、【天纏ナゴナ】の【純潔】の排斥力は少し弱まったはずだよ」
「そのような矮小な聖剣など朕が破壊してみせようぞ。
【天界ー雹輝の令】!」
ここで【天纏ナゴナ】は【生樹技能】の【天界ー雹輝の令】を発動させてきた。
それにより尻尾に光輝く氷を纏わせ、奮うごとに雹塊を飛ばしてきたのだ!
ちっ、遠隔攻撃で小型聖剣たちを一気に破壊しにきたか!
あれが破壊されたらせっかく弱めた【純潔】の排斥力がまた戻ってしまう!?
そうなったら【ランゼルート】の攻撃力はまた落ちることになるし、俺たちの勝利が遠退く原因にもなる。
となれば、何とかあれは俺が防いでいくしかない!
【ランゼルート】はそのまま大罪剣九本たちで今のうちにダメージを稼いでもらう必要があるからな!!!!!
うおおおおお、なんとかなれええええええ!!
スキル発動!【塞百足壁】!
スキル発動!【儡蜘蛛糸】!
スキル発動!【狐根灯災】!
スキル発動!【狸葉閤逝】!
俺はスキルの切れ目を逃さずに深淵スキルを連発していく。
深淵の黒い壁を作り、蜘蛛糸を伸ばし、狐火を乱射し、氷属性や氷結の力を持つ相手や、それらを苦手とする相手……つまり竜に怯み効果を出せるという【氷雹覇王冠】を媒介にした怯みの発生を一気に狙っていった。
本来はこんなに一気に使うスキルたちじゃないんだが、【天纏ナゴナ】の攻撃ペースが早すぎて雹を止めるにはこのくらい使っておかないと間に合わないのだ!
これだけ使ってようやく相殺しているわけだが、明らかに俺の方が消耗が激しくなってきている。
【ランゼルート】が攻めきるのが先か、俺がバテるのが先か……正念場だな!
可能な限り粘ってほしいかな。
このボーナスタイムを逃すわけにはいかないんだよ。
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




