2475話 利用しながらされながら
【ランゼルート】による大罪剣九本の一撃を与えた後、【天纏ナゴナ】による反撃があった。
まさかの【聖突破魔剣】もコピーされてしまうという事象に陥っていたのだが、それを相殺することは出来た。
流石は本家本元の【ランゼルート】だ!
俺も俺で【暴食】の大罪スキルで【天纏ナゴナ】の放った【生樹技能】たちのリソースを喰らうことで俺自身の体力やスタミナの回復と、【ランゼルート】のリソース回復を行うことが出来た。
一旦は崩された体勢を整え直せたと考えていいだろうな。
これでまた戦いが均衡に戻ったわけだ。
……もちろん、何もしなくても九本の大罪剣を操り続けている【ランゼルート】は急激にリソースを消耗し続けているのでこの均衡もいつかは崩れるんだろうけどな。
「朕であろうとも、【ランゼルート】の操る九本の大罪剣は手強い。
それぞれが自律した行動をするのが読みにくくしているのであろうが、そこに【ランゼルート】本体からの攻撃も警戒せねばならぬ。
実に難敵よ」
そう、流石に【ランゼルート】であっても大罪剣全てを手動操作して浮遊させるのは難しい。
だが、それを補うように大罪剣それぞれが自律して相手を攻撃していくのだ!
前に俺が【ランゼルート】と戦ったときはそれに苦しめられたからな……
その厄介さはよーく分かるぞ!
「繋ぎではあるが、これで対応しようぞ。
【天界ー明断の令】!」
【天纏ナゴナ】は先ほど【美徳ー純潔の爪戟】の中にも組み込まれていた【生樹技能】のうちの1つである【天界ー明断の令】を繰り出していた。
本当は美徳【生樹技能】を使いたいんだろうが、さっき使ったばかりだからクールタイムが開けていないとか発動条件を満たしていないとかだろう。
その代わりにさっきは美徳【生樹技能】である【美徳ー純潔の爪戟】を経由して発動させたからクールタイムに干渉していない【天界ー明断の令】を選んだんだろうな。
【ランゼルート】の大罪剣に対抗するには同じく斬撃系の攻撃が手っ取り早いだろうし。
「君の防御力……というより排斥力は素でも高かったからね。
【純潔】状態に進化した今ならその【生樹技能】も含めればある程度はダメージを抑えられるだろうさ。
だけれども、それだけで防ぎきれるなんて傲りは止めてもらいたいところだよ!」
【ランゼルート】は光の爪や【天纏ナゴナ】の排斥力に妨害を受けながらも着実にダメージを与えていっている。
二本、三本までなら対応できていた【天纏ナゴナ】でも、九本となるとそのキャパシティーを超えてしまうようだな。
「準備までもう少しかかるか。
やむを得ぬ……このまま堪え忍ぶのみ。
時が来れば朕にも逆転の目星もつくというもの。
時を焦れば期を逸するが故に、今は……」
どうやら【天纏ナゴナ】には逆転の方法が見えているらしい。
とはいえ、今すぐに実行できないみたいなので攻めるならこのタイミングだということも変わっていない。
【ランゼルート】を可能な限り利用してこのタイミングで倒しきるまでいきたいところだな!
「僕を利用するとは人聞きが悪いね?
むしろ僕が君を利用しているつもりなのだけれど?」
くっ、この辺はお互いの認識だろうな。
多分ここは状況次第で一時的に譲ることはあるだろうが、全体的な面で見たら俺も【ランゼルート】も自分が主体なのは変わらないはずだ。
MVPプレイヤーっていうのはそういう自我の強さもあるからな。
それを貫き通しているからこそ次元のトップに立てるわけだ。
一時的にMVPプレイヤーになるやつもいるだろうが、次点で選ばれている時点で同類だな!
まぁ、【ランゼルート】にそう思わせたままなのも癪だし俺も攻めさせてもらうか!
スキル発動!【衆合巣蜂】!
俺は深淵の黒い小蜂を生み出し、【天纏ナゴナ】の視界を妨害していく。
どうせ威力だけなら【ランゼルート】が万全に動けた方が高まるからな。
俺は【天纏ナゴナ】を妨害する方に集中したらより効果も高まるってわけだ!
「小癪な真似を……」
精神性からして深淵種族だね……
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




