2474話 暴食暴食
「忌々しい檻が破壊された今、朕の天界科【生樹技能】の発動を制限するものはない。
これまでは使える美徳【生樹技能】も同様に制限されていたが、ここからは朕の力を十全に発揮しよう。
【天界ー天動の令】!
【美徳ー純潔の爪戟】!」
【天纏ナゴナ】は新たな【生樹技能】を2つ同時に行使してきた。
1つは天界科の【生樹技能】である【天界ー天動の令】だ。
これにより、爪攻撃が放たれてきたんだが、天を揺らしながらどんどん効果範囲を広げてきているぞ!?
範囲に時差はあるとはいえ、もはや全体攻撃みたいなものじゃないか!?
さっきから攻撃範囲が一々広すぎてズルすぎるぞ……
だが、この攻撃だけならさっきまでの他の【生樹技能】と規模感は似ているのでまだ許容は出来る。
問題はもう1つ同時に使われた【生樹技能】の【美徳ー純潔の爪戟】だ。
これまでの【純潔】【生樹技能】と性能自体は似たようなもので、爪によって放たれる【生樹技能】を再現してきたわけだ。
これによって再現されたのは【天界ー明断の令】、【天界ー天動の令】、【聖突破魔剣】だった。
おいおい、【聖突破魔剣】もかよ!?
あれは爪扱いの攻撃だったのか!?
というわけで、天を揺らす攻撃、光の斬撃、光のビームが同時にフィールドに放たれてきている。
光の攻撃たちだけだが、あえて表現するなら地獄絵図だな!
もうむちゃくちゃだって!
「僕の【聖突破魔剣】までコピーされるとはね……
本来チュートリアル武器由来のスキルはコピー対象にならないはずなのだけれども、天昇箱庭側だからなのか、【天纏ナゴナ】が使うからなのか、美徳の【生樹技能】だからなのか分からないけれどコピーされてしまったね。
とりあえず相殺してみようか。
スキル発動!【必殺名技】ー【聖突破魔剣】!」
【ランゼルート】は【聖突破魔剣】同士をぶつけることで相殺しようと動いたようだ。
同じ性質のものならどちらが勝つのか……
それは明白だな!
「ぐぅ……
流石に同じものであれば本家本元である【ランゼルート】に軍配があがったか。
本来の使い手ではない朕ではこれが限界よ」
「悪いけれど長年【聖突破魔剣】を使っている僕に同じ攻撃で勝てるとは思わないことだね」
やはり【ランゼルート】が押し勝った!
流石にここは勝ってくれると信じてたぞ!
ここで負けていたら俺はもうどうやって勝てばいいのか分からなかったし……
だが、まだ他の【生樹技能】は健在だ。
その証拠に、【ランゼルート】が放った【聖突破魔剣】は他の【生樹技能】たちの威力でかき消されてしまっていた。
まぁ、いくら勝ったとはいえその時点でかなり威力減衰させられてしまっているからな……
そのままの勢いで他の【生樹技能】を破ろうとする方が無茶だろう。
……まぁ、相手が【天纏ナゴナ】レベルのプレイヤーじゃなくて、その辺にいるプレイヤーならそれでも余裕に全部打ち破れるんだろうけどな!
さて、そろそろ俺も自衛の意味を兼ねて反撃しないとな。
久々の出番だ、思いっきり暴れてこい!
スキル発動!【堕枝深淵】!
さらに大罪スキル発動!【暴食狂姫】!
【スキルチェイン!】
【【暴食狂姫】【堕枝深淵】】
【追加効果が付与されました】
【デメリットが増加しました】
【連鎖発動【暴食堕枝】】
俺も【暴食】の飢えに身を任せてスキルを発動させた。
すると、包丁から漆黒の茨が伸び、茨の枝が伸びていくと棘が生えるように包丁の刀身が次々に剥き出しとなり【天纏ナゴナ】の放った攻撃とぶつかり合っていく。
威力としては当然俺の方が劣っているが、そこは問題じゃない!
俺の【暴食】は相手のリソースを喰らう性質を持つ!
つまり、当たりさえすればどんどん威力を削げるってわけだ!
俺の茨包丁たちに触れた斬撃たちは次々に威力を失っていき、元々【ランゼルート】の【聖突破魔剣】ともぶつかり合っていることもあってかなり落ち着きはじめていた。
これならこれを使う余力もあるな!
とっておきのギフトだ!
スキル発動!【暴食噛牙】!
俺が追加したスキルは【暴食】が暴走した産物【暴食噛牙】。
俺が既に放っていた茨のように枝分かれしていった包丁たちが牙として再形成され、残っていた【天纏ナゴナ】の【生樹技能】たちを食らい尽くして【ランゼルート】へと向かっていく。
そして、手に入れたリソースの譲渡を行ったわけだ。
「リソースの受け渡し、感謝する!
これでまだ大罪剣たちを維持できそうだよ」
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




