2473話 九罪剣
俺は【天纏ナゴナ】の放った【生樹技能】の【美徳ー純潔の視檄】によってコピーされたスキル【阻鴉邪眼】のデバフ仕様と、【ランゼルート】の使った大罪スキルの【正義敢行】の仕様を組み合わせた超高速バフ盛り戦術を生み出し、俺はひたすらデバフサークルの上で反復横飛びをしながら【ランゼルート】のステータスを上げていくということをしている。
「この上昇したステータスなら【天纏ナゴナ】のブレスを全て吹き飛ばせるね。
あとひと押しいくよ!
大罪スキル発動!【正義鉄鎚】!
僕の剣はさらに猛威を奮うよ!」
ステータスが一時的に上がり勢いを取り戻した【ランゼルート】がだめ押しで使ったのは【正義鉄鎚】だ。
あのスキルは確か……
俺が【ランゼルート】の使ったスキルの効果を思い出している最中にその答えはわかった。
【ランゼルート】が振り回している三本の大罪剣たちがブレスを切り裂いているところに追加で打撃のエフェクトが追加されて、そのエフェクト周辺では実際に打撃が加えられておりブレスを押し返していっている!
おーおーおー!
このペースでいけばっ!
「あぁ、このチャンスを逃すのはナンセンスだよね。
全力全開でいくよ!
スキル発動!【傲慢罪剣】!
スキル発動!【嫉妬罪剣】!
スキル発動!【憤怒罪剣】!
スキル発動!【虚飾罪剣】!
スキル発動!【憂鬱罪剣】!
剣現せよ!【傲慢剣ティル】、【嫉妬剣ティル】、【憤怒剣ティル】、【虚飾剣ティル】、【憂鬱剣ティル】!
八本の大罪剣を同時行使するよ!」
そうして新たに現れた大罪剣たちが【ランゼルート】の周りで浮遊してる。
このままでも充分だが、【ランゼルート】にならこれが出来るんじゃないか?
スキル発動!【正義罪剣】!
剣現せよ!【正義剣ティル】!
俺も便乗してこのタイミングで唯一保有していた【正義剣ティル】を呼び出した。
そしてそれを【ランゼルート】の方へ全力投球していく。
「うわっ、危ないね……!?」
そう口では驚きながらも動作としては平然とキャッチしていた。
そして、手に取った【正義剣ティル】と俺を交互に見つめると……
「これは……僕が使っていいということだね?」
あぁ、存分に使いな!
俺じゃなくて【正義】の体現者であるお前が使うなら一番適任だろ?
「……それなら遠慮なく使わせてもらうよ!
これで九本の大罪剣が揃った。
さぁ、断罪の時間さ!」
【ランゼルート】が大罪剣九本を振り回し【天纏ナゴナ】に急接近していく。
もはや三色ブレスたちは【ランゼルート】の行く手を阻む壁として成立していないからな。
「朕に近寄るな!
その穢らわしい罪の剣は見るだけでもおぞましいというのに、この身に触れるなど考えるだけでも悪寒がする」
「悪いね、今さら止まる気はないよ。
【包丁戦士】からも託された【正義剣ティル】もあるからね。
全て君に当てさせてもらうよ」
そんな【天纏ナゴナ】の訴えも【ランゼルート】には届かず、追従する九本の大罪剣に切り裂かれていった。
【ランゼルート】が侵入する前には【大罪剣】たちの攻撃によって既に柵は破壊されていたこともあり、直接切り込む際にも威力減衰は起こしていなかった。
だからこそ、これまでと比べて明らかに一番大きなダメージが通ったと言えるな!
俺がかけまくったバフの効果も大きい……と信じたいな。
「スキル【正義敢行】の効果はちょうど今切れてしまったけれどね。
何とか一撃当てるまで間に合って正直ホッとしているよ。
あそこまでやって当てられなかったら【勇者】の風上にもおけない不甲斐なさだったからさ」
それならそれで【ランゼルート】を煽ってやれたんだがな!
とはいえ、一番は【天纏ナゴナ】に攻撃を当てられることだから無事当てられたようでなによりだ。
これまでほとんど傷もつけられなかった竜鱗……それも【純潔】の美徳進化を遂げたものに深々と切り傷を与えているわけだし、これは致命的な一撃になったんじゃないか!?
「いや、油断は良くないよ。
大きな一撃になったのは間違いないけれども、【天纏ナゴナ】はこれだけで倒せる相手ではないからね」
「……左様。
今の一撃は強力であったが、その一撃を朕に当てるまでに柵を破壊しリソースも存分に消耗を開始している。
どちらが先に息切れを起こすかの勝負であろう?」
【天纏ナゴナ】は不敵にそう笑うのであった……
冷や汗が止まらないね。
ここからが大一番さ!
【Bottom Down-Online The Abyss Now loading……】




