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第二百九十五話 世界調理開始/食材確保㉞食べるために必要なこと(その3の62の途中まで)

「え?いや、それはまあ理想だし出来たら確かに良いんだろうけど…ほら、さっきまでみんな富をめぐって争ってたし、あの獅子頭みたいなエゴのかたまりとかいつ暴れて世界征服とか処刑とか虐殺とか言い出すかわかんないし…」


とっさに考えがまとまらず、ぐちゃぐちゃと適当な返事を返してしまう。


そこへまた、下から声が聞こえてくる。

どうやら、指揮をしている獅子しし頭に大勢が呼びかけているようだ。


「「「ライオネル将軍ーー!万歳バンザイ!彼に続けー!」」」


「ら、ライオネル?」


〈ええ、貴方は良くご存知ぞんじのはずですね〉


副官しまい様は、こんな時なのにやたらと落ち着きすぎていて、実に憎らしい。


だが、アタイはそれどころではなかった。


ある疑惑で頭がいっぱいだったからだ。

あわてて、それを聞き出す。


「まさか…あの時の!?」

「本人は、そう主張しているようです。滅びた王家の血を引く正当な子孫だ、と。真偽は不明ですが、この場で確認出来るかぎり代々そう主張してきたことだけは、確かなようですね」


「そういうことかよ!はははははは!」

「え、エルト?」


思わず、笑い出しちまった。

なんて展開いんがだよ、まったく。

こうなれば、選ぶべき選択肢は、もう一つだけだった。


「良いぜ!一緒に撃とう、カスメル!」





援軍のおかげと準備の都合て、少しばかり時間が出来た。

なんせ、"噴進弾ミサイル"の構造は、それこそ宣伝用の花火並みにひどく単純だったからね。

一番の問題点だった"間断的つづけざまに爆発する噴進弾ミサイルの実現"にしても、他の『姉妹』も難燃剤やそれを補強できる物質を生成出来たことで、全て解決。


だったら、最終的に爆発をコントロールするアタイらは、噴進弾ミサイルが完成するまで少しでも集中力と体力を温存しておくべきじゃないか、ということでしばらくは待機する運びとなった。

というわけでなんとなく手持ちぶさたになり、そこから…


「え、エルト。傷、痛むか?」


「あ、いやー大丈夫大丈夫。アタイ基本的に、痛みとかねーからね。なんせ『調理器具』というか『兵器』だし。というか、それいうならアンタの方はどうなんだい?さっきモロに爆発あびてなかった?」


と、なんとなくやり取りが続いて、気づけばすっかりもてあました“間”を埋めるための雑談タイムになっていた。


とはいえ、別にアタイも気を抜いてばかりいたわけじゃない。

ただまあ、さっきのことで少しばかり感極まるというか、心に響いたものがあったもんでね。

その興奮を少しでも吐き出しておかなきゃ、気持ちが落ち着かなかった、ってだけさ。


だから…これまであまり人に話さなかったようなことを話題に出したのは、勢いというよりそういう事情のせいだ。

それに、アタイがこれまで見くびっていた、あの見るからにアホそうだった獅子頭将軍サマが…よりによって、他の国の軍隊しゅくてきと共闘するなんて根性出したんだ。

こりゃあ、このフィルティエルトだって少しは恥をかかないといけないだろうよ。


と、いうわけで今度こそ総指揮官グランシェフ様のねらい通りに、互いのきずなを強め合う時間といこうじゃないか。

さて、


「何から話そうかね。そうだな、まずは最初の方からか。アタイたちが生まれた理由と前回の『災厄』についてはもう聞いただろうし…次はやっぱりアタイのこれまでについてか。そう、あれはまだ"アタイ"が"私"と名乗っていた頃の話だ。私は、革命に参加したこともあったーー」

「そ、それで。それからど、どうしたんだ?は、早く続きを聞かせてくれ」


カスメルがやたらと良い感じで相槌あいづちを打って、話し始めれば話題はきず、いつしかアタイたちは時を忘れていた。





まあ、それでもさすがにそう長くは話せなかったが、良い気晴らしにはなったよ。

あらためて振り返るとグチめいた話ばかりだったが…だからこそ、全部ぶちまけるとなかなか気持ちが良い。

逆に、こっちもカスメルの小さい頃や最近の話なんかも聞けたし、なかなか楽しい時間を過ごせた気がするよ。

でもまあ、時間稼ぎにも限界はあるし、


「色々話せて楽しかったぜ。ありがとうな、カスメル」

「こ、こちら、こそだ。」


と、アタイたちは立ち上がった。

今度は一人じゃない。


「じゃあ、いくぜ!」

「おう!オレとエルトの二人ならどんな相手でも、怖いもの無しだぜ!」










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