見ろ、といわれても
なんとか夏希が大の動物嫌いだということを説明すると狼さんたちは皆、人間の姿になってくれた。勿論、服などないから皆裸だが。皆が人間になった時にまた盛大な悲鳴を挙げてしまい、今度は拳骨が飛んできた。なかなか痛かったために夏希は涙目で冷静になり、裸を見ないように視線をずらしながらも、連れてこられた裸の男(何故か堂々としている)に問う。
「で、私が連れてこられた理由は何なんですか?」
「・・・」
「・・お頭」
男が答えないために周りの狼さんたちが目の前の男をお頭と呼んで話をするよう促している。
「お頭って、盗賊的な?」
「別に俺達は盗賊なんてやっちゃいない」
「でもお頭って、ぷぷ、お頭・・ってぇ!!」
お頭が似合わなさずぎて笑っていたら、また拳骨を食らった。かなり痛いぞ、おら。
「ちっ、こっちに来い、ガキ」
「なんで、こんな偉そうなんだ」
「この群れで一番強いからに決まってんだろ」
当たり前のことのように、お頭が言うと周りの狼さんたちも頷くので黙った。
いや、絶対ないよ、こんな偉そうな奴がトップに立つなんて。群れ壊滅するだろ。と考えていると、お頭が拳を握ったのを見て、お経を唱えて雑念を払った。
お頭に連れられて行くと、皆が寝ころんでいた場所より少し奥まったところに来た。灯りを手に持ち、夏希が見えやすいように足元を照らしてくれる。
「お前にこいつを見てもらいたい」
お頭が灯りを近づけると、そこには荒い息をした雌の狼が蹲っていた。見るからに元気もなさそうなのに息荒く興奮している。また灯りを近づけた途端に立てもしないのに避けようと唸り声をあげている。よくよく見ると前足を怪我しており、そこから膿がでていた。
「ニホンオオカミ?いつからこんな状態なの?」
「2日前からか、いきなり苦しそうにして倒れた。水をやろうとしても酷く怖がって、怯えている。音をたてられるのも厭らしくて誰も近寄れない」
「・・これは」
「お前、わかるのか?頼む、こいつを治してやってくれ」
お頭が土下座する勢いで頭を下げようとするも夏希は止める。その顔はいつになく険しく、視線は雌の狼を見て離さない。
「狂犬病」
ぽつり、と呟いた。
まじかwwみたいな展開
ていうか狂犬病・・なんだそれ、と思い急いでウィキだね




