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旅立ち

お待たせ致しました。

待って下さってる方もいますよね…?


 初めてついた人間の町で死を振りまいた。

 もうこの田舎町に用はない。次の町で……


 ******


 旅にでよう。元々そのつもりだったし。

 しかし、旅に出るといっても他の町を知らない。

 できれば人間のいる町に住みたいな。そして、この田舎町と同じように人間たちを殺しつくす。


 人間のいる町に行くには行商人について行くのが一番かな?

 しかし、この町に行商人はやってくるのか? 田舎町ということもあるが、自分で言うのも何だが、およそ人間が近づきたいと思えなくなるような惨状だ。

 だけど待つしかない。あてもなく旅に出て何もないところをぶらぶらとしたくはない。


 待つ分には大丈夫だ。

 まだこの町には生かしている人間が沢山いる。

 感染はしていても死んでいない人間、感染した事に気が付いていない人間、しばらくは食料として使うつもりで生かしている。

 それに一匹だけ感染させてないやつもいる。


 そう思いながら町を彷徨っていると、都合よくも馬車がやってくるのが見えた。

 世界は私に味方した。

 よかった。このまま町が滅ぶまで何も来ないかと思った。

 まあ、滅んだら滅んだで、別の町に渡る人間について行く手もある。


 町の滅びとは人間が居なくなる事、しかしそれは全員が死ぬということではない。

 人が死んでいけば、自然と別の町に移ろうとする人間も出てくる。

 そういったやつに付いて行けば別の町に移れるだろう。

 まあ、その人間が別の町で受け入れられるとは思えないけどね。

 こんな原因不明の病で滅んだ町の人間を受け入れてくれるところなんてないだろう。

 実際に移り住んだら滅ぼされるわけだし。


 そう他人事のように考えていると、馬車の扉が開いた。

 まず出てきたのは男だ。それなりのイケメンで、なかなか良い装備を付けている様子だ。

 そして男が馬車に向かって手を差し出すと中から美少女が出てきた。

 美少女の服装はこの田舎町には似つかわしくない綺麗な物だった。

 行商人っていう雰囲気でもなさそうだ。


 美男美女のアベックだ。すごく仲がよさそうに見える。

 金持ちの旅行か?

 リア充は死ね、ギルティー決定。

 しかしそれよりもまず、馬車につながれている馬に飛び乗っておく。

 目を離したすきにどこかに行かれてはこまる。

 馬に乗ってれば食料にも困らないし、人間たちがどこかに向かうときは一緒にいける。

 人間についていると叩かれる危険性がある。ちょっと吸血するくらいなら問題ないが、安心して寝ることはできない。


 馬は一旦納屋に送られ、一晩そこで過ごす事になった。

 あの馬車の主は泊りでの滞在のようだ。


 ******


 納屋での寝心地は意外とよかった。

 蜘蛛などもいたが、もはや敵ではない。

 暇つぶしにちょうどいい遊び相手だった。

 何より馬の対応は程よく高くてグッドだ。


 朝になったがまだ馬を迎えには来ていない。

 それもそうか、朝になってすぐ帰るって事はないだろう。

 まさか何日も滞在するってことはないよな……。


 こんな田舎町に何日も滞在するとはとても思えない。

 道中に立ち寄っただけのはずだ。


 そう考えていると、馬を迎えに来くる人間が現れた。

 よかった、やはり1日だけのようだ。

 1日位なら良いが、何日も馬に張り付いているのは退屈だ。


 馬はしっかりと馬車に繋がれて、これから旅立ちの様子。

 もう馬に引っ付いている必要はない。

 馬車の中に入ってみよう。生まれて初めての馬車だ、わくわくする。


 中は割と豪華だった。他の馬車と比べることはできないが、あいつらが金持ちのボンボンだという事がよくわかる。

 余計にムカついてきたな。戻ってきたら速攻でプレゼントを渡してあげよう。


 そうして待っていると声が聞こえてきた、きっとあいつらだろう。

 そしてボンキュッボンの声も混じっているように聞こえる。

 知り合いだったのか?

 もしかしたらボンキュッボンに合うためにこの町に寄ったのかも知れないな。

 しばらく話をしてから馬車にアベックが入ってきた。


 やはり仲がよさそだ。

 やはりこいつらを見ているとイライラするな。

 特に男のほう、こいつはやらなければ気が済まない。


 さっそく男に飛び乗り原虫をプレゼントする。

 とびっきり確実に死に至る強烈なやつだ。

 作った自分ですら対処法はわからない。


 はは、こいつらまだ楽しそうにしゃべってる。この後自分がどうなるかも知らずに……。


1か月先の話ですが、9月30日は更新をお休みします。


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