side魔女:異変
今日は早めに更新できました(遠い目)
毎度毎度ギリギリで申し訳ありません。。。
ザボンの死、冒険者ギルドでの突然の体調不良。
一見関係なさそうだが、これらはつながりがある。
何か大きな異変が始まろうとしている。
☆☆☆☆☆☆
「ドドリ、すぐに森へ行くよ。準備なさい」
「了解した」
ギルドを後にした私たちだが、さすがにそのままの状態で森に入るわけにもいかない。
準備のためにいったん家に戻る。
準備といっても仕事道具は常に揃えている。
小一時間で準備は完了した。
しかし、今回はいつもと違うところがある。
「ドドリ、待たせたね」
「気にするな、って……?おい、なんだそいつは」
私の後ろをテクテクと付いてくるタマを見て、ドドリは驚いていた。
「三日も家を空けるんだ、おいてく行く訳にはいかないだろう?」
「それもそうだが……、初心者用の森とは言え魔物だっててるんだぞ? さすがに猫を守りながら入るのは難しいぞ」
「この子は昨日までその森にいたんだ。自分の身くらい守れるさ。それに、これから調査しに行く場所はこの子の家だ。この子がいたほうが良い」
「……、了解した。そうだな、少しでも手掛かりになるならいても良いか」
ドドリはしぶしぶながらも了解してくれた
もちろん私が言った事がすべて本心ってわけでもない。
調査にこの子が居たほうが良いっていうのが嘘ということではない。この子が居ることで実際に何かわかるかもしれない。
だけど、最後に前の主人を弔わせてやりたい気持ちのほうが大きい。
アップルの話だと、この子は死に目にも会えなかったという。
「シャー!!」
当のタマはものすごく怒っていた。こんなに怒るのはアップルと一緒の時くらいだ。
ああそうか……。
「そういえば、アップルが嫌われてるってことはお前さんもか」
「ええ、猫に嫌われるのは堪える。正直に言って、あまり一緒にいたくはないな。猫は好きなんだが……」
「そりゃすまないね」
ドドリがこんな渋い顔をするのは珍しい。よっぽど辛いのだろう。
私もタマに嫌われたくはないからな。気持ちはわからないでもない。
「まあ早く慣れることだ。タマのほうも何れは許してくれるだろうさ」
「そうだと良いのだが」
一応タマのほうもドドリを攻撃する気はない様子だ。私の後ろをテクテクとついて回っている。
******
森に入った後、洞窟にはすぐに辿りついた。
「ここか……、ずいぶん大きいね」
「ホブゴブリンの洞窟だからな。それにしても大きいが」
「ニャー」
ドドリと一緒だったせいでずっと機嫌が悪かったタマが、急におとなしくなった。
タマにとっての家はまだこちらなのだろう。
少々残念だが仕方ない、まだ一緒になって一日だ。私だって引っ越して一日で家に慣れるなんて事はない。
「さて中に入ろうか。まずはこの子のご主人が居たところに案内しておくれ」
「了解だ。しかし、もしザボンの死の原因があるなら危なくないか?」
ドドリの言う事ももっともだ。この中に病原菌等があるなら、入っただけで私達も危ない。
魔物の襲撃ならいくらでも対処できる。しかし病気の対処は難しい。
空気感染するような類ではないと踏んでいるが、とりあえず気休めに魔法をかける事にする。
「プロテクトオーラ、これで大丈夫」
「さすがですね。病気に対抗する魔法まで使えるとは」
もちろんそんな魔法ではない。あらゆる攻撃に対する体制が上がる魔法だ。
病気に対する耐性が上昇するかなんて試したことはない。
「あ、ああ。さあ案内を頼む」
「了解だ」
洞窟の中は綺麗だった。もちろん美しいって意味ではない。人が住んでもよさそうなほど整えられた環境ということだ。
「意外と整っているんだね。お前のご主人はずいぶんと几帳面だったようだ」
「ニャー」
タマは大人しく私たちの後を付いてくる。
この分なら問題ないだろう。
「ここだ」
まだ死体がそのまま残されていた。
タマが死体に近寄り悲しそうに鳴く。
「ニャー」
洞窟内にタマの声が木霊する。
私もタマと一緒にゴブリンへ祈りをささげる。
「ドドリ、タマをしばらく預かっておいてくれ」
「ああ」
すごく抵抗されているが、仕方ない。引っかかれたところで死にはしないだろう。
私はゴブリンを解体する。こんなところタマには見せられない。そんなところを見られたら私まで嫌われてしまう。
何かおかしな点はないか。魔王の痕跡は……。
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何もなかった。
魔王の配下だったものにはその痕跡が表れる。しかしこのホブゴブリンにそういった痕跡はなかった。
自然発生したホブゴブリンなのだろう。この森でホブゴブリンが表れた記録は今までなかったが、世の中に例外はつきものだ。
「ただのホブゴブリンだったか」
解体したゴブリンを埋葬したあと、タマと一緒に戻ってきたドドリにそう言われた。
「タマ、これが前の主人の墓だ。祈ってやりな」
「ニャー」
に墓という概念はないだろうが、何となく認識してくれている様子だ。やはりこの子は頭がいい。
「三日もあるんだ。その間に何も見つからないってことはないさ」
すでに魔王の周期が訪れているが、未だに魔王は表れていない。
この洞窟で起きたであろう出来事は、魔王に関連するのではないか、私はそう睨んでいる。
*******
何もなかった。
「特に手掛かりはなかったな」
三日間で分かったことは、この洞窟がすさまじいレベルの完成度だったということだけだ。
1日もあればほとんど調べられるだろうと思っていたが、実際に調べ終わったのは機嫌ギリギリだ。
だが、さすがに三日もあればすべて調べつくせる。
しかし、三日間何も成果がなかった。何もなかったことが成果とも言えるが、やはりここに何かがあったように思える。あったが既にどこかにいったのか?
魔王に関連することであれば私ならすぐにわかる。それがないということはやはり魔王とは関係ないのか? それとも未覚醒なのか。
さすがに未覚醒の魔王が相手では痕跡は探せない。
私は最初の一手を間違えてしまったのか?
急がないといけないような気がする。
「仕方ない、一旦帰ろう。町の方でも何かわかってるかもしれない。一旦情報を突き合わせて出直しだ」
「了解」
来た時と同じようにまっすぐ戻る。
道中は何もなかった。先日は大量のゴブリン達に襲われたらしいが、あの洞窟の主達がいなくなった影響だろうか。
ゴブリンが減ったのかも知れない。後々ギルドからのお叱りが怖いな。
そんなことを考えつつ町に戻ってきた私達は驚愕した。
町が三日前とは大きく変わっていたのだ。
書けば書くほど誰が主人公かわからなくなる今日この頃




