厄火②
「こんちくしょぉぉぉ!!」
水の属性力を纏わせた大剣をマグマクトパスの眉間に突き刺すと、マグマクトパスは触腕をジタバタと動かして暴れると、やがて動かなくなって力尽きた。
「はぁ~、クネクネ鬱陶しかったなこのタコ野郎」
「脚が急に燃えるからビックリしたよ」
「火も吐くしな。脚も意外と硬かったし」
「二級だからな。弱いなんて事は無……ん?」
気配を感じて俺達は空を見上げると、次元の穴が開き青い立方体が出てくると、空中で崩れ中から一級のファイヤードラゴンが出てきた。
「また火の魔物かよ! しかも一級!」
「もう熱いのヤダよ~!」
「でも出てきちゃったもんはしょうがないよ、戦うしか」
俺達は戦闘を終えたばかりだが、向かってくるファイヤードラゴンに立ち向かう。
って言うかさっきからあまり休めてねぇけどな。あとコイツ、首に毛が生えてるから雄だな。
目が紫に光ったファイヤードラゴンは俺達に向かって火を吐くと、俺達は散開して避ける。
「おりゃあぁぁぁ!!」
クラカが跳び上がって剣を振り下ろそうとすると、ファイヤードラゴンの体から炎が出て燃え上がった。
「熱ーーい!!」
ファイヤードラゴンの発火の勢いでクラカは吹き飛ばされ、地面も所々燃えた。
ヤベェな。早くコイツ倒さねぇとテイモスの環境バランスも崩れちまう。
「お前等! 油断せず、パパっと終わらせるぞ!」
「「おおっ!」」
ファイヤードラゴンが吐く炎。全身から出す炎に注意しながら戦っていると、ファイヤードラゴンは咆哮を上げ全身が更に燃えた。
「嫌な予感。お前等、離れるぞ!」
俺達はファイヤードラゴンから離れると、爆発する様に炎が一気に噴出して俺達は吹き飛ばされた。
「「「熱ぅぅぅぅぅぅぅ!!」」」
吹き飛ばされ俺達は地面を転がって倒れる。
「あちちちちち。本当に今日は厄日だ。火が嫌になる」
「父さん、頭燃えてるぞ」
「あ? 確かに今頭にキテるぞ」
「そうじゃなくて、本当に燃えてるんだよ」
「は?」
俺は頭に手を当てると、手に火が移った。
「あっつ!?」
何度も転がって頭に点いた火を消した。
「熱かったぁ~。この野郎っ!」
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「お、戻って来たかガクラさん達」
「ああ、何とか」
ファイヤードラゴンを倒した俺達は死体を回収して船に戻って来た。
全員じゃないが何人か船に戻っていた。
「流石のガクラさん達でも疲れてるな」
「お前等もな。何か火の魔物ばっかでもう熱くて。終いにはファイヤードラゴンが出てくるし」
「俺達の方も、何故か雷系の魔物ばかり出てきたな」
「そうそう。最後には麒麟が出て来てさぁ、大変だったよな」
一級の中では大人しい麒麟も凶暴化したか。
「おーっす」
「おおエスティー。戻って来た……何で所々霜が付いてんだ?」
「氷の魔物ばっか出てきたんだよ。ブリザードドラゴンまで出るし」
戻って来たエスティー、アール、そしてユールのパーティーは氷の魔物と戦ったみたいだな。
随分何かで統一させた魔物ばかりだな。
まだ午後になったばかり。まだ出てくるだろうな。
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……なんて思ってたが。
「昨日に比べて数が少なかったな」
「ああ。まさか連れ出した魔物がもういねぇとかじゃねぇだろうな?」
「どのぐらい連れ出したか分からないけど、それは無いんじゃない?」
まぁ相手は闇族だしな。
結構慎重だし、そんな間抜けみたいな事はしねぇだろうな。
「でも昨日より少ないんだったら良いんじゃないか?」
「だが相手は闇族だ。何か企んでるのは違いないだろ」
「いなくなったエンペラースネークもまだ出てきてないしね」
あのエンペラースネークの巨体が出てくれば離れててもすぐに分かるはずだしな。
なんかモヤモヤするんだよなぁ、昨日と違うってだけで。




