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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
世界を超えた異変
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厄火①

「おわぁぁぁぁぁぁぁ!!?」


 翌朝、船の一室からソルラの叫び声が聞こえ部屋のドアを開ける。


「何だよ朝っぱらからうるせぇな」


 部屋に入ると、何故か小刻みに震えるソルラがゆっくり振り向くと、ソルラの髪がいつもの逆立ったボサボサヘアーじゃなくて、短く切り揃えられていた。


「どうした? イメチェンか?」

「違ぇーよ! 起きたら髪がこうなってたんだよ!」

「寝てる間に切られたってのか?」

「多分そうだと思う。でも寝てる間に切るなんて難しいし、誰か来たら分かると思うけど」


 ゲイブが腕を組んでそう言うと、部屋の中をリージャが覗き込んだ。


「あ! やっぱりその髪型良いね! 起きてる方が良く見える」

「……犯人お前か」


 だろうな。誰にも気づかれずに髪を切れる奴なんてリージャぐらいだな。


「俺髪切ってくれなんて頼んでないぞ」

「私ボサボサした髪の人を見ると、切りたい衝動が湧き出ちゃうの」

「目をキラキラさせながら言うんじゃねぇよ。まぁ安心しろソルラ。ライテスト製の育毛薬を飲めばすぐに生える」

「そうなのか? それなら良かった」

「え~、戻しちゃうの~?」


――――――――――――――――――――


「うわぁ~似合わないわね」

「放っておいてくれよ」


 マルナも急に短髪になったソルラが気になるみたいだな。


「明日になりゃあ髪が伸びるだろ。今日は我慢しろ」

「落ち着かねぇな~」


 ソルラは難しい顔で前髪を摘まむと、朝食を持って席に着こうとしていたパトランが転んだ。


「のだっ!?」


 転んだ拍子に熱々のスープが俺の頭に掛かった。


「あっちぃぃぃ!!」

「ごめんなのだー」

「パトランお前ぇ気を付けろいい加減!!」


 ホントにこいつのドジには参る。

 昨日もコイツのクシャミのせいで黒焦げになったし。


「もぉ落ち着きなさいよガクラ。大人げないわよ子供相手に」

「は? 何言ってんだ? パトランは俺より年上だぞ」

『え?』


 マルナだけじゃなく殆どの冒険者が驚く。


「まぁ年上って言ってもほんのちょっとだ。ほんの百歳差だ」

「いや、百歳差なんてちょっとじゃないわよ」

「まだ光族の時間感覚に慣れないね」


 ガネンからタオルを受け取ると頭に掛かったスープを拭いた。


「あ~熱かった。もう勘弁してくれよパトラン。どうせ今日も魔物退治三昧なんだからよぉ」

「分かったのだ」


 今日も昨日みたいに一級か二級の魔物が現れるはず。

 考えただけで気が重い。


――――――――――――――――――――


 俺、ガネン、クラカは町の近くの岩山で、赤い毛と甲殻に覆われたゴリラ型の二級の魔物ファイアコングと戦闘中、ファイアコングがクラカの方へ走った。


「そっち行ったぞクラカ!」

「おっしゃあ!」


 クラカは剣を振るうが、ファイアコングはジャンプして躱し、出っ張った岩に飛び乗ると、腕の甲殻が赤く光って熱を帯び、俺達に向かって飛びかかってきた。

 俺は大剣に水の属性力を纏わせると野球のバットの様に構えた。


「火には水だ。これで頭冷やしやがれ!」


 水を纏った大剣を振りかぶって当てると、ファイアコングの熱が消えて吹き飛ばして岩山の壁に激突させてファイアコングを倒した。


「よし、倒した。今日はこれで三体目か。しかも全部火の魔物だな」


 最初はブレイクル。次は四足歩行の火の龍、火炎龍。そして今戦ったファイアコングだ。


「今朝は熱いスープが掛かるし、火の魔物とも戦うし……何だ? 今日は火の用心か?」

「昨日からじゃね? 昨日は爆飛竜の鱗で黒焦げになってたし」

「昨日からか。もうヤダよ火は」


 呆れ気味に言うと、空に次元の穴が開き青い立方体が出てきて近くに落ちた。

 立方体が落ちた場所へ向かうと、立方体が崩れて中から魔物が出てきた。


「また二級か。しかも……」


 現れたのは、赤い目に頭には小さな二本の角が生えた大きな黒いタコの様な姿をした火の魔物、マグマクトパスだ。


「また火の魔物かよ!!」


 流石にキレて声を上げると、マグマクトパスの目が紫に光り俺達に襲い掛かる。

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