持続する企み
ゴールドワイバーンが青白い火球を吐くと、俺、ガネン、クラカ、エスティーは散開して避ける。
「あっち! 相変わらずの火力だな」
「青白い炎は熱いからな」
ゴールドワイバーンとシルバーワイバーンは高温の青白い炎を吐くから熱いんだよなぁ。
俺達四人でゴールドワイバーンの相手をし、シルバーワイバーンはノフア、ソロモワ、レウィと戦っていた。
他の皆は船や町に攻撃が飛んでこない様にしたり、また魔物が来た時の為に待機していた。
「あ~、あんなに高く飛ばれちゃあこっちも攻撃しにくいっつー、の!!」
雷の属性力を纏わせた大剣を上空を飛ぶゴールドワイバーンに向かって振り無数の雷の矢を飛ばした。
流石の一級でも、あの数の雷の矢を全ては避けられず、一発の雷の矢が翼を貫通しゴールドワイバーンはバランスを崩して高度が下がった。
「このぐらいの高さなら……ディーク!!」
「ゴォォォォォォ!!」
ディークは走りだすと、木を登って飛びかかりゴールドワイバーンの尻尾を掴むと地上に引きずり下ろし、地面に叩きつけた。
「ナイス、ディーク!」
俺達が走りだすと、起き上がったゴールドワイバーンが尻尾を掴んでいるディークを振り払い、翼を広げて跳び上がろうとすると、ガネンとクラカが俺とエスティーを踏み台にして飛び出した。
「「ぐへっ!?」」
踏まれた勢いで俺とエスティーは倒れると、ガネンとクラカが剣でゴールドワイバーンの翼を斬った。
「ガァァァ!?」
翼を斬られた事で、ゴールドワイバーンは飛び上がるのに失敗しふらついた。
「痛ててて。あいつ等何しやがる」
「叱んのは後回しだ。今の内にゴールドワイバーンを倒すぞ」
「ああ、そうだな!」
俺とエスティーは立ち上がるとそれぞれの武器を手に持ってゴールドワイバーンへ向かって走る。
硬い鱗に苦戦しながらも、最後に俺とエスティーの一撃を頭に叩き込むと、ゴールドワイバーンは倒れた。
「ふぅ~、やっと倒れたか」
「ホントに一級はタフだな」
「ああ」
「お疲れ~」
呑気な顔でクラカ近づき、ガネンも来ると、俺はクラカの頬を右手で挟む。
「お疲れ~じゃねぇぞコラ。何踏み台にしてくれたんだ」
「ふぇ~」
「でも俺達が翼斬ったお陰で倒せたんだから良いだろ」
「オメェ等は翼を斬って、俺は頭がキレたぞ」
「そんな事より、シルバーワイバーンはどうなったの?」
「それもそうだな」
エスティーとガネンが振り向き、俺もクラカの顔を離して振り向く。
どうやら向こうも丁度終わったみてぇだ。
ノフア、ソロモワ、レウィの近くにシルバーワイバーンが倒れていた。
「おーい。そっちも終わったみてぇだな」
「うん。いやぁ、さっきの爆飛竜って言う魔物でも思ったけど、一級の魔物ってこんなにタフなんだね」
「本当よ。全然倒れないんだもの」
「また同じぐらい強い魔物が出るかも知れないからね。気を引き締めないと」
コイツ等とネオン、リージャ、パトランにも一級との戦いには慣れてもらいてぇな。
人間の姿じゃ、本来の姿の半分も出ねぇからな。
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その後は魔物は現れず、ノフアの船の船内で夜を過ごした。
「まさか一日でこんなに疲れるとはな」
「二級を……しかもあんな数を相手にすれば当然だ」
船の一室で食事を取っていると、スインとログラスの会話が聞こえ俺も話に入る。
「休める内に休んどけ。多分明日も今日と同じぐらい戦うかも知れねぇからな」
「うえぇ。流石にそれはキツいな」
最高ランクのSSランクの冒険者でも、あの数の二級を相手にするのは骨が折れるし、一級の相手にしなきゃあいけねぇ。
しかも闇族の影響か、魔物の凶暴性が上がってる気がする。
早くこの事態を終わらせねぇと、コイツ等の身が持たねぇかもな。
「……で、サトルはいつまで此処にいるんだ?」
「え? 良いじゃん、ガクラ達がいる間ここにいても」
「あ~、もう勝手にしろ。メンドクセー」
俺は呆れて頭を掻く。
「本当に大人しいわね、この子」
餌を食べているサンダーラットを撫でているマルナがそう口を開く。
「言っただろ? テイモスの魔物はアスタラードの魔物と比べて大人しくて動物に近いって」
「そうね。アスタラードでも大人しいのは草食の魔物ぐらいしかいないもの」
当然世界によって魔物の性格、強さは別だ。
この世界の様に大人しく安全なのもいれば、アスタラードの魔物よりも断然強い魔物が住む世界も存在する。
そうゆう世界の魔物を送ってこないだけでも不幸中の幸いか?
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「おいおい! 全部倒されてんじゃねぇか!」
異空間内で、グロードが怒号を上げた。
「まぁ静かにして下さいグロード。ここまでは予想済みですから」
「はあ?」
クラウルの言葉にグロードはしかめっ面になると、今度はベシドが口を開く。
「奴等を確実に倒すためだ。もう少し待て」
「ちっ。分かったよ」




