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超人種族の異世界英雄記  作者: 至田真一
世界を超えた異変
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空駆ける金と銀

 爆飛竜が倒れると、俺達は一息ついて武器を仕舞った。


「ふぅー。やっぱ一級は強いから時間かかるな」

「ああ。俺だってこんなになっちまったし。ゲフッ」


 髪はチリヂリ、服や肌も(すす)だらけ。咳込むと煙がボフッと出てくる。


「わぁー、ガクラボロボロなのだー」

「いや、これ半分ぐらいお前のせいだぞ」


 爆飛竜との戦闘中、パトランがバズーカ砲で援護射撃をしようとした時、あろうことかコイツはクシャミをして、撃った弾が俺の方に飛んできた。

 結果、俺はこんな状態になった。


「どうしてくれんだよパトラン。俺のボサボサヘアーがチリヂリヘアーになっちまったじゃねぇか」

「ごめんなのだ。リージャちゃん、切ってあげてなのだ」

「お、良いの良いの!?」


 リージャが目を輝させながらワクワクした様子で両手にハサミを持った。

 勘弁してくれ。俺は昔コイツにモヒカンヘアーにされたんだぞ。ライテストの増毛技術で治ったけど。


「どんな髪型が良い?」

「おいおいおい。ちょっと待ってく――」

「スポーツ刈りで」

「クラカー!! 何抜かしてんだ!!」


 ってヤバい! リージャがハサミを何度も閉じらせながら近づいてくる。スポーツ刈りは勘弁してくれ。


「おい。ガクラの髪がどうなろうと構わねぇが、さっさと爆飛竜の死体も運ぶぞ」

「ふざけんなよ。頭こんなになってそれは無いだろ」


 エスティーはシカトし、スイン達と一緒に爆飛竜の死体を運ぶ。

 爆飛竜の死体を魔物の死体の山に置くと、死体を異空間の中に放り込んでいく。

 死体を全て回収すると、俺達はノフアの船に向かった。


「解析してみたけど……やっぱりあの魔物達から闇族のエネルギーが感知されたわ」

「やっぱりか」


 空中に投影されている数体の魔物の内側には、黒い点が表示されていた。

 あれが闇族のエネルギーだな。


「アスタラードの魔物をテイモスに送って、闇族は何がしたいんだろう?」

「さぁ? アスタラードの魔物でテイモスの人間を滅ぼそうとしたんじゃないか? アスタラードの魔物の方が凶暴だって父さん言ってたし」

「可能性としてはありそうだな。一級まで使うとなると」


 流石に一級が何体も現れたら対処は難しいな。

 だからって魔物相手に本来の姿に戻るのもなぁ。

 今のところは次元の穴が開く気配は無ぇが、いつ開くか分かんねぇんだよな。


「……」

「どうしたのアビーナ?」

「はい。あの青い立方体なのですが……」


 爆飛竜が出てきたあの青い立方体か。

 アビーナ何か心当たりがあるって顔だな。


「あの立方体、ブレイマーが使っているのに似ているんです」

「ブレイマー……あいつか。って事は……」


 俺はもしかしたらとある可能性を頭の中に浮かべると、思わずため息が出た。


「またアイツ等とテイモスで戦うのか?」

「あ~、それだけは勘弁だな」


――――――――――――――――――――


「カッカッカッカッ。やはり来たぞ光族」


 異空間内でテイモスを見ていたブレイマーは、やって来た光族を映す。


「ハハハハッ! ならさっさとぶっ飛ばしに行こうぜ!」

「待てグロード。ダークハートがあるとはいえ、無謀に突っ込むのは好ましくない」

「ああん!? ビビってんのかストリブラーの旦那?」

「策を講じてから行けと言っているのだ」


 指摘するストリブラーにグロードは睨みつくと、ベシドが歩み寄って来た。


「まぁ落ち着けグロード。お前の気持ちも分かる。俺も今は奴等への怒りを抑えているからな」

「あんだよ? 何か策でもあるのか?」

「……ああ。奴等を潰すのなら、確実にだ。光族も、光族に手を貸す愚か者共もな」


――――――――――――――――――――


「ん?」


 船の窓から外を見ていたネオンが何かに気付いた。


「どうした?」

「あの子、ガクラの知り合いじゃない?」

「はぁ?」


 俺も窓から外を見ると、サトルが船に近くにいた。


「何やってんだアイツ? 町の避難場所にいるはずじゃあ」


 俺は船から降りて外に出るとサトルの元に向かった。


「どうした、こんな所に来て?」

「え? ダメ?」

「こんな時に相変わらず呑気だな、お前は」


 俺は呆れるとサトルの肩に乗っているサンダーラットは「キーッ」と鳴く。

 頭を掻くと、次元の穴の気配を感じ空を見上げた。

 すると思った通り次元の穴が開き、そこから二つの青い立方体が出てきた。


「今度は二体か!」


 立方体は落下中に崩れると、それぞれ中から金と銀の飛竜が出てきた。

 一体は、前に超闘祭でエスティーが競技で戦ったキングワイバーンの変異種、ゴールドワイバーン。

 もう一体は、クインワイバーンの変異種、シルバーワイバーン。二体とも一級だ。


「ちっ。面倒な相手が続くなぁ。サトル、お前は船の中に入ってろ」

「お、おお」


 サトルが開いた船首の下から船内に入るのを見届けると、空を飛んでいる二体の魔物を見る。


「爆飛竜に続いて、また空を飛ぶ魔物かよ。メンドクセ~」

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