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<影祓い>  作者: 文月 郁
ターベイ編
6/36

出発

 部屋の中は、しん、と静まり返った。

「私はかまわないけど、教えて欲しいなら、旅について来てもらうことになるわよ。それでもいい?」

「かまわない」

 アルフは即答した。水月は念を押すように言った。

「死んでもいいのね?」

 アルフは一瞬きょとんとしたが、やがて大きくうなずいた。

 翌朝出発すると告げると、アルフは一つ頭を下げて出て行った。

「死んでも……って、どういうこと?」

「え? 旅って危ないからね。何があるかわからないし」

 フィレイは納得したらしい。しかし水月の目には、明らかに違う感情があった。フィレイは全くそれに気付く様子はない。

 二年近く一緒に旅をしてきて、フィレイが心底陽気な人間だというのはわかっていた。その上他人の裏の感情に気付かない。

 つまり、水月にとって、本心を隠しやすいタイプの人間なのである。

 その日は、食べ物や他の幾つか必要なものを買い足していると、あっという間に過ぎた。




 朝、例によって寝不足の水月と、上機嫌のフィレイが村の入口に向かうと、アルフがそこに立っていた。

「それじゃ、行きますか」

 笑みを含んだ声で水月は言い、そのままさっさと歩き出した。その後をフィレイが追い、アルフが慌ててついて行った。

短いですが、これでターベイ編は終了です。

次回からはルトン編となります。

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