↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祐兵さんと豊久くん ――日向の空の下で――  作者: Gさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
293/371

第二百九十話 夏市の賑わい

祐兵さんと豊久くん 登場人物紹介


祐兵(すけたか)さん…伊東祐兵《いとうすけたか》。紆余曲折を経て、飫肥藩初代藩主になった。知略に優れ、学問を愛する。

豊久(とよひさ)くん…島津豊久《しまづとよひさ》。島津氏家臣で、島津家久《しまづいえひさ》の息子。武芸一筋で、まっすぐな心を持つ。

小春(こはる)と黒猫…二人の飼い猫

翌朝。


青空がどこまでも広がり


城下町は朝から活気に満ちていた。


店先には新鮮な野菜や魚が並び


商人たちの威勢の良い声が通りに響いている。


朝の務めを終えた


伊東祐兵《いとう すけたか》と島津豊久《しまづ とよひさ》は


城下町をゆっくりと散策していた。


「今日は一段と賑やかですな」


豊久(とよひさ)が辺りを見回す。


「ああ」


祐兵(すけたか)は穏やかに頷いた。


「人々に活気がある町は、見ていて嬉しくなる」


二人は石畳の道を歩く。


八百屋には胡瓜や茄子


南瓜が並び


夏の実りが店先を彩っていた。


「今年も豊作のようですな」


豊久(とよひさ)が言う。


「人々の努力の賜物だ」


祐兵(すけたか)は店主へ軽く会釈した。


「祐兵(すけたか)様、豊久(とよひさ)様」


店主が笑顔で頭を下げる。


「暑い日が続きますので、お体にお気を付けください」


「ありがとう」


祐兵(すけたか)は穏やかに答える。


「皆も無理をせず励んでくれ」


さらに歩くと


鍛冶屋から力強い槌音が聞こえてきた。


職人たちは真剣な表情で鉄を鍛え


汗を流している。


「朝から見事な働きぶりですな」


豊久(とよひさ)が感心する。


「ああ」


祐兵(すけたか)は頷いた。


「良い仕事は、日々の積み重ねから生まれる」


その時。


「にゃあ」


小春《こはる》が路地から姿を現した。


元気よく二人のもとへ駆け寄る。


黒猫も静かに後を歩いてきた。


「今日も一緒に散策か」


祐兵(すけたか)が笑みを浮かべる。


小春《こはる》は嬉しそうに祐兵(すけたか)の足元を歩き回り


黒猫は少し離れた場所から町の様子を眺めている。


「二匹とも、町の人気者になりましたな」


豊久(とよひさ)が優しく頭を撫でる。


近くで遊んでいた子どもたちも


小春《こはる》と黒猫を見つけて笑顔になる。


「猫さんだ」


子どもたちは嬉しそうに手を振る。


小春《こはる》は元気よく鳴き


黒猫は静かに尾を揺らした。


その微笑ましい様子を見て


町の人々も自然と笑顔になる。


「皆の笑顔を見ると安心します」


豊久(とよひさ)が穏やかに言う。


「ああ」


祐兵(すけたか)は町並みを見渡した。


「人々が笑い合える町こそ、守るべき宝だ」


心地よい夏風が通りを吹き抜ける。


軒先に吊るされた風鈴が


澄んだ音色を響かせた。


二人と二匹は


活気あふれる城下町をゆっくりと歩きながら


平和な夏のひとときを楽しむのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。