↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祐兵さんと豊久くん ――日向の空の下で――  作者: Gさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
274/391

第二百七十一話 城下を歩く

祐兵さんと豊久くん 登場人物紹介


祐兵(すけたか)さん…伊東祐兵《いとうすけたか》。紆余曲折を経て、飫肥藩初代藩主になった。知略に優れ、学問を愛する。

豊久(とよひさ)くん…島津豊久《しまづとよひさ》。島津氏家臣で、島津家久《しまづいえひさ》の息子。武芸一筋で、まっすぐな心を持つ。

小春(こはる)と黒猫…二人の飼い猫

翌朝。


夏の日差しが


城下町を明るく照らしていた。


青空には白い雲が浮かび


町のあちこちから威勢の良い声が聞こえてくる。


朝の務めを終えた


伊東祐兵《いとう すけたか》と島津豊久《しまづ とよひさ》は


城下の見回りへ出かけた。


「今日も暑くなりそうですな」


豊久(とよひさ)が空を見上げる。


「ああ」


祐兵(すけたか)が頷いた。


「こういう日は、体調を崩す者も出やすい。町の様子をよく見て回ろう。」


「承知しました」


二人は通りをゆっくり歩く。


魚屋では


朝獲れの魚が並び


威勢の良い掛け声が響いていた。


「新鮮な魚だ!」

「今日も安いよ!」


活気ある声に


豊久(とよひさ)は笑顔になる。


「皆、元気そうですな」


「ああ。商いが賑わっているのは良いことだ」


少し歩くと


井戸端で子どもたちが水を汲む手伝いをしていた。


「お侍さまだ!」


子どもたちが手を振る。


豊久(とよひさ)も大きく手を振り返した。


「今日も元気ですな!」


「はい!」


元気な返事が返ってくる。


祐兵(すけたか)は穏やかに微笑んだ。


「暑いから、水分をよく取るのだぞ。」


「はーい!」


子どもたちは元気よく頷いた。


さらに歩くと


八百屋の主人が声を掛けてきた。


「祐兵(すけたか)様、豊久(とよひさ)様、おはようございます。」


「おはよう」


祐兵(すけたか)が会釈する。


「今年の胡瓜も茄子も、よく実りました。」


「それは何よりだ。」


豊久(とよひさ)は籠いっぱいの野菜を見て目を輝かせた。


「どれも立派ですな」


「朝早くから畑へ出ましたので」


主人は嬉しそうに笑った。


町を一巡りすると


どこも穏やかだった。


「今日も平和ですな。」


豊久(とよひさ)がほっと息をつく。


「ああ」


祐兵(すけたか)は城下を見渡した。


「何事もない一日こそ、最も喜ばしい。」


その時。


「にゃあ」


聞き慣れた鳴き声がした。


小春《こはる》が


路地の向こうから駆けてくる。


黒猫も少し遅れて姿を見せた。


「お前たちも見回りか。」


祐兵が笑う。


小春《こはる》は豊久の足元へすり寄り


黒猫は静かに日陰へ座った。


「頼もしい仲間ですな。」


豊久(とよひさ)が優しく頭を撫でる。


町の人々も


その様子を見て笑みを浮かべていた。


「今日も平和だねえ。」

「皆が笑って暮らせる町は良いものだ。」


穏やかな風が


通りを吹き抜ける。


夏の日差しは強かったが


城下には人々の笑顔があふれていた。


祐兵(すけたか)と豊久(とよひさ)は


町の平穏を確かめながら


二匹とともにゆっくりと見回りを続けるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。