秘密握って従者にした取り巻きの家に引き取られて勉強漬け生活が幕を開けた。
取り巻きになれ宣言してすぐの頃。
主人公のデイデイ王子の取り巻きになれ宣言は冗談だった。
寂しさからといたずら心からの。
しかし、からかった相手が悪かった。
ただ手を握ったり、抱きしめたりするだけ
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ひらがな多いです!
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「どうしてこうなった」
目の前の机に積み上がった沢山の教本の山にガタガタと革張りのふかふかの椅子に座らされた俺は震え慄く。
文字がたくさん。
読めないのに。
読んではいけないのに。
俺はただ、忘れ去られた区画で平民落ちしてからの生活準備してたのに。
あいつも怖いお兄さんに絡まれたって親に泣きついているいるころだろう。
まだ比較的綺麗な俺のお古をあげてこの城の区画から追い出した。
母さんが残してくれた庭でいずれなるであろう農民の真似事をしていた。
流れの踊り子を母親に持った血筋、教養のない王子だから、王族から籍を外されたら、貴族に婿入りできるわけもなく、だから平民落ちが確定した。
一応血筋の管理として平民落ちする時に色々処置されてから落とされる。
うん、めっちゃ痛いけど覚悟しておこう。
それさえ乗り越えればまだこの箱庭のような区画の家からも解放されて、俺は晴れて自由の身だ。
俺と母さんは、王様から命じられた通り、庭を耕して、棚を植えて農民ごっこに集中していた。
母さんは流行病で死んでしまったけど、それでも母さんのお願いを聞いて畑を耕して、苗を植えて作物を作っていた。
あいつが入り込んで汚してしまった畑の作物の花も枯れて実がなる頃には、俺はここにいないかもしれない。畑に生えた雑草を抜く。
俺はこの雑草と違って植え替えられだけまだましか。
物思いに耽りつつ雑草を抜く。
「デイデイしゃま。おむかえにきまちた!」
あいつが意気揚々と入り込んできた。
「あ、キミは?アシなんだっけ。ごめんね。名前覚えるのが遅くて。またここにきたの?」
「アシィメ・ソウジュです。デイデイ様。とりまきとしていそいでしゅじんであるあなちゃのもちょにもどってきました。」
輝かんばかりの無垢な笑顔で俺の庭にズカズカも入ってきた。
「こんなところにもうこなくていいし、あれはただの冗談だから。お兄さんはもうすぐここからもいなくなるし、キミが仕えるほど高い身分でもなくなるの」
自分にも言い聞かせるようにアシィメに話しかける。
するとキョトンとした顔で俺を見てきた。
「デイデイしゃま。
わたしめのひみちゅをにぎって、しゅじんになったからわたしめはあなたのそばにずっといるんでしゅ。」
そう言って土と雑草の汁に塗れた俺の手を綺麗な柔らかな手が握ってどこかに引っ張っていく。
「どこに行くの?
俺はここから出てはいけないんだよ。」
俺は手を優しく解こうとしたけどぎゅっと柔らかな小さな手が俺の手を握りしめた。
「わたくしめのおうちでしゅ。ははうえとちちうえがデイデイしゃまのおうちにかようことははんちゃいしたけど、デイデイさまをわたしめのおうちにいさせることはしゃんせいしてくれたんでしゅ。」
アシィメは泣きそうなうるうると目を潤ませた顔で俺を見る。
「けどここを勝手に出ることは王様に禁じられていて」
「ここにくるまえに、デイデイ様のおとうしゃまにもかぞくではなしてきました。だからあんしんしてくだちゃい!」
そう言ってぎゅっと抱きしめたきた。
「ちょ、アシィメ汚れる!俺に触るな」
「デイデイ汚くないでしゅ。」
そう言って余計強く抱きしめられて。
後から俺たちを迎えにきたアシィメの家の人たちに連れられて、俺はアシィメの家の居候なった。
そして、目の前には、本の山。
「デイデイしゃまとべんきょたのしみ!」
隣にはアシィメ。
「いいですか?アシィメ様の主人になるのであればそれ相応の教養が入りますよ。」
本の山の向こうには厳しそうなおじいちゃん、パピルス先生がいた。
「パピルス先生、俺字を習ってません!だから相応しい教養持てる自信ないんで」
「デイデイ様、文字知らないの?!」
そうだ。アシィメ。
こんな主人いらないだろ。
「だったらわたしめがおしえましゅ」
え、教えたら。俺に教える分だけアシィメの時間が無駄に。
「ふむ、教えることは良い復習になりますしいいですね。」
パピルス先生も顎を撫でながら微笑んできた。
こうして俺は、アシィメの家で勉強漬け生活が幕を開けた。




