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転生したら最強種だけどレベルが最弱でした。  作者: マッティー


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99/107

第九十九話 正体

 追い詰められたシエルとシア。


 しかし二人には、まだ隠していた力がありました。

 膨大な魔力が溢れ出す。


 大地が震える


 空気が揺らぐ


 黒幕ですら動きを止めた


「ほう……?」


 興味深そうな声。


 だがシエルとシアは答えない。


 ただ静かに前へ出る。


「本当に驚かないでくださいっすよ?」


 シアが苦笑する。


「だから無理だって」


 ユウトが即答した。


「何が起きるんだ…」


 レオンは傷だらけの体を起こして二人を見つめる。


 その瞬間だった



 ゴォォォォォォォッ!!



 魔力が空へ噴き上がる


 シエルの銀髪が揺れる


 シアの黒髪が舞う


 そして眩い光が二人を包み込んだ。


「なっ……!?」


 レオンが目を見開く。


 光は膨張し。


 巨大になり。


 やがて形を成していく。


 まず現れたのは



 純白の翼


 月光を反射する銀色の鱗


 神々しいほど美しい巨体


 白銀龍



 その姿が夜空へ現れた。


「えっ」


 レオンの口から漏れたのは。


 それだけだった。


 だが終わらない。


 もう一つの光が膨れ上がる。



 漆黒の翼


 黒曜石のような鱗


 圧倒的な存在感


 黒龍


 巨大な竜が大地へ降り立った。



「えっ?」


 レオンが固まる。


 思考が追いつかない。



 白銀龍。


 黒龍。



 どちらも伝承級の存在。


 それが目の前にいる。


 しかもさっきまで一緒にいた。


「えっ??」


 混乱が加速する。


 ユウトはそんなレオンを見ていた。


「レオン壊れたな」


「壊れたっすね」


 黒龍の姿のままシアが頷く。


 黒幕は二体の竜を見上げる。


 そして初めてだった。


 彼の笑みが消えたのは。


「なるほど」


 低い声。


 震えている。


 恐怖ではない。


 歓喜だ。


「素晴らしい!!」


 その瞳が輝く。


「やはり君達も――」


 黒幕の言葉を遮るように。


 白銀龍が翼を広げた。


 夜空を覆うほどの巨大な翼。


 圧倒的な威圧感。


 そしてシエルの声が響く。


『これ以上好きにはさせないわ』


 その瞬間戦場の空気が変わった。

 第九十九話をお読みいただきありがとうございました!


 ついに明かされたシエルとシアの正体。


 白銀龍と黒龍。


 伝承に語られる存在が、ユウト達の仲間として戦場に立ちました。


 そして黒幕もまた、その存在に強い興味を抱いたようです。


 次回、伝説同士の激突が始まります。


 それではまた次回!

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